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カテゴリ:展示会・セミナー覚え書
忘年会でホロ酔い気分になって帰宅し、このブログを見て、酔いがふっとんでしまった。
昨日のニッチメディアの話、そして一昨日のJCの話に皆様から真摯なエントリを頂き、本当に有難うございました。 恐縮だが、ここではJCの話題のみを取り上げさせて頂くことにする。マロングラッセさんのご指摘、まさにその通りであろう。トレンドを創出する展示会になっていくことが先進国の繊維見本市の生きる道ですよ。 それから、うちの会社でも開業以来ずっとお世話になってきた、現在のJCの総合コーディネーターである(有)シナジープランニング代表取締役の坂口昌章さんにも直々に書き込みを頂き、恐縮至極である。 まずは、私の12月7日付けのエントリに事実誤認の点が多々あった由ご指摘頂き、有難うございましたm(__)m 早速、エントリ本文も訂正させて頂きます。 東京流通センターと五反田のTOCを間違えていた件は、田舎っぺなので東京流通センターさんの存在そのものを良く知りませんでした(^^;; JC会場でお会いした地方の方の中にも、完全に勘違いしておられる向きもあったようです。繊維ニュースさんのサイトのこの記事や、今日付けのセンイ・ジヤァナルさんの記事などは、住所がわかりやすい表記になっていたので親切だと思った。皆さん、是非ご高覧下さい。 ところで、昨日今日と、業界紙各紙を読み、様々な疑問が沸きあがるのを禁じ得なかった。地元・墨田や東京東部地区の企業さんの中にも、これまでJCに参加してきて、かなりの実績を挙げておられるところも多々あるため、私の本業である国際ファッションセンター(株)の職員としても、事務局さんにお問合せしなければならないと思っているのだが・・・。 全国の多くの方々が、大きな期待と不安を感じておられるはずなのだ。多分多くの方は、組合さんや、うちのような繊維リソースセンター、地場産センター、行政の窓口等に相談されると思うのだが、「ここだけの話、○○なんだよね」というような噂話が横行したり、不透明な形で改革が一気に進められる、というのは、かなり問題があるのではないかと思う。 少なくとも、まだ補助金も入ってくるようだし、公正な手続き、開かれた議論、というのは、必要だと思うのだ。 坂口さんが座長となった改革委員会のまとめた内容を私は読んでいないので、その内容については何とも言いがたいのだが、ここ数日の間の業界紙の報道を読んだだけでも、次のような点についての疑問が沸いてくる。 1.今回のJC改革は、誰の意向で(誰の政治的働きかけで)始まったのか? 2.来年早々に、20名の委員を選出するとのことだが、合議制で大規模な展示会(トレードショー)の運営がうまくいくのか?委員の方々と、総合プロデューサー(次回からこの役職が設けられるようなので)との役割分担。 3.新生JCの収支見通し。入場料を1,000円から2,000円に値上げし、出展者から1小間35万円を徴収するだけで足りるのか。また、そもそも赤黒トントンで良い、という見通しからの収支なのか、それとも事務局がビジネスとして利益を得ることまで狙っているのか? 4.新生JCに出展できる業種。 5.審査は公平に行われるのか?審査の基準は何か。 6.開催時期はビジネスを行う上で適切だと言えるのか? 今日付けの日本繊維新聞さんの1面トップ記事によると、今回のJCの出展者の皆さんは商談重視という改革の方向を概ね支持しているものの、上記の4や5について早く指針を示して欲しいという声がかなり多く聞かれたようである。次回から出展したくてもスクリーニングに引っ掛かって出られない、ということになる訳だから、当然の声であろう。 坂口さんが実名でコメントして下さったので、非常に迷ったのだが、私の私見をここに書かせて頂くことにする。 誰が言い出したのか、ひょっとしたら最近の一連の繊維行政改革同様に「天」=経産省幹部の方が思いつかれたのかもしれないが、JCの年2回開催については、前々から要望も強く、特に最近は年2回、限られた企業をスクリーニングして行っているJCプレビューの方がむしろ商談という面ではJC本体より活性化していた事実を見ても、十二分な時間をかけて議論するという適正手続きが行われたかどうかは別として、目指す方向性そのものは間違っていないのではないか、というのが私の考えだ。 ただ、改革=現在の担当者を変更する、という風に単純に決まってしまう、というのは、ちょっと違うんじゃないの、という気がする。一昨日も書いた通り、現在の改革の方向性と同様の意見は、以前から坂口さんが何度も何度も力説してこられたことそのものだからだ。 いかにも日本的なやり方だが、「徐々に干していく」みたいなやり口には、私は非常に嫌悪感を覚えますしね。一般の入場口から入られた、なんて、正直、書き込みをみて唖然としてしまった。続投にしろ降板にしろ、少なくとも今現在契約が続いている間は、お互いプロとして正々堂々と仕事をするのが当たり前ではないだろうか。坂口さん、遠慮なんてされる必要はなかったかと思いますよ。 しかし、次の2点については、たぶん業界の皆様の間でも、様々な見解があって然るべきだろうと私は思っている。 1点は、坂口さんが書いておられた、「多様な業種の方々を包含して今まではやってきた」云々のくだりである。坂口さんは「ソフトランディングが必要なのではないか」というお考えなのではないか、というニュアンスが感じ取れたのだが、「天」の方々も、7工連の幹部の中にも、コンセンサスが得られなくても止むを得ない、多少荒っぽいことをやっても一気に改革を、という考え方なのかもしれない。 後者のやり方の方が、一連の小泉改革ではないが、いいか悪いかは別として、今のトレンドには合っていると言えるかもしれない。 この点に関する私の意見は、是々非々です。収支バランスと、どのくらいの広さの会場を取れるか、そこから逆算、というのも現実論としてはアリ、でしょうし。いずれはビッグサイトに復活、となると、また話は全然変わってくるし。 2点目は、これまでのJCの展示会運営、コンセプトワークも、確かに頑張っておられたな、と思うのだが、もしも公平な目で見て、今以上のレベルのものが出来る、という人材が現れれば、その時は、競争原理に従ってよりJCの総合プロデューサーに相応しい人材を登用するべきだ、ということだ。 今のJCは、非常に真面目で実直な雰囲気の展示会ですよ。9回かかって確立されてきたこの雰囲気も悪くはないのだが・・・。 例えば、もっとアーティスティックな匂いを全面に出すとか。私がここ2年程見に行っているイタリアのヤーン展、ピッティ・フィラッティなんかはそんな感じである。コンセプトコーナーがどんな風になっているのか、行く前からワクワクするくらいだ。それに引っ張られてか、出展者のブースの中にも、商品そのものだけでなく、非常にVMDのレベルの高いものが幾つか存在する。 日本でもRoomsさんなんかはそういう合同展になっているから、出来ないことはないだろう。 あるいは、逆に、もっとコマーシャルな雰囲気にしてしまう、というのも一計だろう。昨年初めて見たライフスタイル展では、雑誌「エル・デコ」のブースがあったが、JCだってモテ系の人気ブランドや、更にファッション雑誌とタイアップした企画があっても良いはずだ。ファッションショーも、専門学校さんや組合・団体さん系のものではなく、話題性の高い仕掛けを打ち一般のメディアに取り上げてもらうように仕向ける方法もある。 それから、サービス面の向上。前述したピッティ・フィラッティのプレス向けのレストランの食事は、非常に美味しいんですよ。ワインも何種類も置いてあるし。展示場内の来場者向けの軽食コーナーも然り。ジェラートまで売っている。 そういうことの一つ一つが全てファッションだとしたら、そういうこれまでと違う新しいイメージの展示会が作れるという新人が彗星のごとく現れたとしたら、坂口さんと言えども、それに対抗できるだけのプランを出さないと負けちゃいますよね。 しかし・・・実際には、そういう感度やサービスのレベル向上云々以前に、繊維ファッション業界の全体を見て正しい方向性を指し示し、私心なく誠意を持って働ける人材って、そうそう今の日本にはいないと思う。最近思うのだが、これまでのやり方を強く批判するだけで、「では貴方やれるの?」と言われると現場を仕切る力のない方が多すぎますよね。悪気はないと思うのだが、批判する場合は、対案を出すべきであろう。 今まで一生懸命やってこられた方々のお仕事は、60点かもしれないが、コンスタントな実績をそれなりには積んできているのだ。その経験とノウハウがあるから、次の企画は楽に立ち上げられるのだ。先駆者の苦労への感謝の心を我々は決して忘れるべきではないだろう。「石もて追われるごとく」なんて、もっての他ですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年12月10日 01時00分57秒
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