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両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)

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2005年12月26日
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M&Aに明け、M&Aに暮れる2005年、最後の最後に真打が登場しましたねぇ・・・。

セブンイレブン、イトーヨーカ堂等を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスが、そごう、西武百貨店を有するミレニアムリテイリングの発行済み株式の65%を取得する。これにより、セブン&ホールディングスは2005年の連結売上高が約4兆5,400億円となり、世界の小売業売上高ランキングの5位、日本国内でも同業他社のイオンを抜いて1位に浮上する、というものだ。

セブン&アイの財務力の強さをまざまざと見せ付けるM&Aである。西武百貨店とそごうは、共に経営不振、経営破たん後の再生に苦しんできたが、リストラもひと段落し、和田繁明社長の下で業績も持ち直してきた。自ら手を汚す必要はなく、既に贅肉がある程度取れて筋肉質な体制になりつつあった虎の子を手中にする。再生型よりもいち早く攻めに入ることが出来る。これこそが、M&Aの理想形、と言えるのではないだろうか。

今、NIKKEI NETを見ると21時24分付けで、「(前略)既存のイトーヨーカ堂の店内に『ミレニアムグループの専門店が入るなどと言ったアイデアが出てくると思う』」(同サイトより引用)云々の鈴木敏文・セブン&アイ会長兼CEOのコメントを織り交ぜた記事がアップされていた。もう少し詳しい会見の内容は、明日の朝刊各紙を待たなければならないのだろうが、今の時点での私の個人的なフォーキャスト(予想)をここに記しておきたい。

セブン&アイさん、というか、鈴木会長兼CEOの凄さ、と言った方が良いかと思うのだが、常識にはとらわれず、お客様とか、売り場のリアルな現実から出発して戦略を組み立てておられるところにあると私は思っている。

その最たるものは、コンビニでも最近のGMS改革でもそうなのだが、ここに来てもやはり「中の上」の消費の取り込みを狙っているところにあると思うのだ。

今年になって急に「バブルの再来か」と言われるほど、一部で高額品が売れたりしているけれど、その一方で、「下流社会」の広がり、消費の2極化が以前にも増して叫ばれるようになっている。

今回の百貨店買収を、「高級消費を取り込もう」としている、という見方もある面正しいだろうし、リアルの小売業の中で業態別のポートフォリオを組んだ時唯一同社に欠けていたものを手中に収めた、というものアリ、なんだろうけど・・・。

鈴木会長兼CEOは、たぶん、日本のマスの部分の消費者の購買力は、そんなに落ちていないし、これから少子高齢化が進んだとしても、10~15年くらいは持ちこたえる、と思っておられるように私は思うのだ。この辺を、是非、どこかのマスコミさんには突っ込んでインタビューして頂きたいのだが。

これから大量にリタイアが始まる団塊の世代は、減りつつあるとは言え、まだ年金をそれなりにもらえそうだし、銀行や郵便局、タンス預金もキッチリしている。地方で田んぼや畑を持っている人ならば、実は、そんなにお金を使わなくても生活はやっていけるんですよ。

実は、「買いたいものがない」「お金を使いたくなるところがない」という風に見ておられるのではないか。

だから、下流階層、低所得者層向けの低価格MDで勝負するのではなく(土台、そういう点ではそれぞれのカテゴリーキラーに勝てる訳はないのだから)、より上の層を取り込む作戦を取ろうとしているように思うのだ。100円のおにぎりの代わりに、150円のおにぎりを買って頂き、客単価アップ、ひいては売り上げアップを図る、ということである。前にもこの話、書いたことあると思うけどネ。

ただ、今回、西武&そごう連合を手中に収めたことで、こと衣料品や服飾雑貨、化粧品等の分野では、セブン&アイの取れる戦略、戦術ははるかに広がったことは間違いない。

今、セブン&アイのGMS部門、イトーヨーカ堂は、深刻な不振に悩む衣料品改革に懸命になって取り組んでいる。また、イオンともつながりの深いダイヤモンドシティや、イオン本体自身が90年代から郊外型の大型ショッピングセンター(SC)の開発を進め、最近では百貨店を巻き込んだ2核1モールの形も実現しつつあるのに対し、やっと昨年くらいから「アリオ」の出店が始まり、出遅れが否めない感があった。

しかもここに来て、大店法の再来か、というような出店規制が再び設けられつつあり、その種の政治的な動きが今後どのような方向に行くのかにも目配りする必要性が生じてきている。

しかし、百貨店業態がグループ内に加われば、普通に考えても、アパレルや雑貨メーカー等に対する交渉力は高まる上・・・。

アリオのような郊外型大型SCの1核として西武百貨店かそごうを入店させれば、SC内には、百貨店内に「アパレルの百貨店向けブランド」「百貨店の自主MD売り場(これはなくてもあっても良いが)」、SCの専門店ゾーンに「ユニクロ、ポイント、ライトオンのような全国区のチェーン専門店」「ハッシュアッシュ、アンドバイピーアンドジーのような大手アパレルの郊外型SC向けブランド」「アクシーズやサキヤクリエイトのような、地方の有力専門店による郊外型SC向けショップ」等がそろい踏みする。

これは、非常に魅力的なラインナップですよ。そうなると、郊外型大型SCのGMS部門には、極論すると、肌着や靴下等のコモデティ商品だけがあれば十分、ということになる。

GMSの衣料品部門、改革せずして改革終わり、ということもありなのだ。

今までGMSの衣料品部門の改革が難しかったのは、店舗の標準化や立地による分類が出来ていなかったからであった。そういう状態だから、ターゲットを定めたり、VMDを組むのが難しかったと思うのだが、都心部とか、地方でもコアになる店舗、RSC(リージョナル・ショッピング・センター)は切り離し、いわゆるCSC(コミュニティ・ショッピング・センター)向け、田舎のコンサバな層にのみ照準を当ててMDを組めば済むことではないか。

もっというと、セブン&アイさんにとって、最早既存のGMSの衣料品部門は全部カットオフすることすら可能だと思うのだ。今頑張っておられる皆様には非常に申し訳ない表現になってしまうかもしれないが。

それ以上に、大手アパレルさんはまだ良いが、量販店向けアパレルさん、と言われる企業さんは、セブン&アイさん向けでけでなく、自社のブランディング、ターゲッティング、商品政策、そして販路政策について相当真剣に考えられる必要があるように思う。益々競争は激化しますよ。

しかし、考えれば考えるほど、セブン&アイの今後の針路、非常に興味深い。この間の独自の電子マネー発行の問題も、西武&そごうまで加えれば、「エディ」同様、上限5万円くらいでやってしまっても面白いのではないかと思うし・・・。

もう一つ、中国進出の問題もあるんですよ。既に北京の有力小売業に成長しているヨーカ堂だが、百貨店業態も向こうに持っていく、ということもアリ、なのではないか。

しかし、いいことずくめのように書いてきたが、日本のリアルの小売業最大の強者、セブン&アイさんに死角はないのかというと・・・。

当然もう一方の雄、イオンさんも負けじと矢継ぎ早に手を打ってくることは間違いないと見てよいだろうし・・・。

もう1つ、今朝の日経さんもチラリと「ウォルマート」の名を出していたが、絶対にカルフールみたいに諦めは早くないだろうから・・・。

次なる買収先を探し、試行錯誤を続けていくのではないだろうか。

ウォルマートが今後浮上する局面があるとしたら、それは、日本経済が今後衰退に向かい、日本がアメリカのように本当に貧しい国民を数多く抱える日を迎えた時であろう。そうなれば、同社の「オールウェイズロープライス」は、セブン&アイの150円おにぎりを売る戦略より圧倒的に支持されるかもしれない・・・。

さくら的には、日本がそういう国にはなってほしくはないんだけどなぁ。あっ、でも、ウォルマートさんに優れた点があることも認めています。自由競争の世の中なんだから、皆さん頑張って消費を活性化して下さいマセ。

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最終更新日  2005年12月26日 23時56分40秒
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