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両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)

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2006年02月25日
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カテゴリ:ショップリサーチ
さてさて、昨日のエントリの続きをば、どうぞ!

好景気を反映して、同業他社さん同様、伊勢丹さんも大規模な改装を行う、という記事が、今週新聞に掲載されていたが、既にその方向性は売り場に強く現れている。

2極化する消費者の、上の層を徹底して取り込む、というのが、伊勢丹さんの戦略だろうが、今春になって、店頭に置かれている商品の上代や取り扱いブランドのグレードが一段とアップ、上方にシフトしているのだ。

例えば、最近はシーズンの立ち上がりにアパレル以上に数字が期待できるハンドバッグ。同社新宿店の平場の半分は、壁面の「セリーヌ」に始まって、「バレンシアガ」「クロエ」「マルニ」「マーク・ジェイコブス」「J.Mデビッドソン」「ポトキエ」など、13~4万円と7~8万円が中心上代の高額商品で占められている。

残り半分が、3万9千円台の、ライセンス物やドメスティックブランドなのだが、売り場のツクリからは、どちらかというと、「バッグに13~4万円くらいは平気で出せる、そういうバッグを毎月でもポンポン買える」客層を取り込みたいという意図が感じ取れる。実際、店内を回遊しているお客様を見ても、「ルイ・ヴィトン」や「コーチ」のような、今やありふれてしまったブランドではない、他のラグジュアリーブランドのバッグ所有率がかなり高いのだ。

新規ブランドも、これらと同価格帯の海外ブランドが多い。「元モデルの○○さんが立ち上げた」とか、いわく、うんちく、ストーリー性があって、個性的、しかも、最近の流行りは大きめで使い勝手も良いタイプが多い。

こういう状況だと、国内のバッグ卸さんとか、産地のファクトリーさん、あるいは、日本人クリエーターさんが面を取るのは、極めて難しくなってくるだろうね。何せ、単独でハコショップが構えられるクラスの商品が平場に並んで凌ぎを削っているのだから。

「中流狙い」の中途半端なブランドとか、良質安価を狙ったファクトリーブランドのように、客数を取らなければ売り上げが取れないような商材よりも、1点単価が高いものを短サイクルで回し、お金持ちの皆さんに、何個も何個も買ってもらうーー完全にそういう戦略が透けて見える売り場作りだ。

同様なことを、3階のプライム・ガーデンを見ても感じる。まだ立ち上がりの時期なので、スプリングコートも出ているが、「バルバ」のシャツ、「ジョン・スメドレー」のニットなど、インポートのファクトリーブランドでクリーンなルックスを強調している。まあさすがに、安いのであまりにも人気のある「パドゥリオン」のカットソーだけは、止めておられませんでしたけどね(今すぐ止めれば、苦情が来る可能性もあるでしょう)。

景気回復の恩恵を最大限に受けている勝ち組の取り込み=インポートの強化を、というのが伊勢丹さんを筆頭に、それ以外の百貨店さんも含めた戦略だろう。不景気な時と違って、国内の新進ブランド、中小アパレルやファクトリーにとっても、今は百貨店さんに入るのはちょっと不利になったかな、という印象は否めない。

逆に、資金力のある大手アパレルさんの方が、大掛かりな仕掛けができるので今のような時期は有利でしょうね。企画担当者の皆さんも、不景気な時にやりたくても出来なかったような企画をここぞとばかりに机の中から引っ張り出して張り切っておられるだろうし。

ただ、中小や新進の皆さんは、大や古い企業さんとは組まず、静かにひたひたと新しい販路へ進むか、同規模の小売業と組めばいいのであって、わざわざ自分が不利になる方向に進んで苦労する必要は全くない。感度のレベルが上げられないのなら、別の強みを出して勝負すれば良いだけのことだと思います。

次に、今春伊勢丹新宿店さんに入ったばかりの新ブランドについて。

1つは、オンワード樫山さんが鳴り物入りで立ち上げた「ネイブ(NAVE)」。2Fに「ヴァニラ・コンフュージョン」との入れ替えで入っている。

複数のデザイナーの協業によるブランドだけあって、さすがに1点ごとの完成度は高いのではないかと思った。特に、ストリートテイストのプリントを載せた白のTシャツや、チュールレースの白いスカート、15,000円台のバッグなどは、非常に若々しいイメージで、感性の高さの割にお買い得感がある。

ベリーショート丈やボレロタイプの布帛のジャケット、ライン入りのナイロンブルゾンなども然り。

ベーシックなデザインのテーラードジャケットもあったが、このブランドのキモは、コレクションブランドに近い感性で提供するトレンディな商品の中に、「ストリート」とか「ロック」の匂いが入っているところだと思う。

この部分が、既存のオンワードさんのブランドにない要素で、そこがどれだけお客様に支持されるかわからないが、私は今の時点ではそういう個性をくっきりと出しておられる、ということは、非常に良いのではないかと思っています。もっと広い坪数を取った良い売り場でも見たいですね。

もう1つは、ワールドさんの「シンクロ・クロッシングス」。たぶん、青山の路面店、恵比寿三越に続く3号店だと思う(違っていたらゴメンナサイ)。

伊勢丹さんは3Fに導入しておられた。確かに、改めてよくよく商品を見ると45歳以上の客層向けに、という位置づけでもおかしくはない感じである。

但し、このブランドの辛口、というか、あまりにもすっきりしたデザイン(これを私は、イタリアンテイストでもニューヨークテイストでもない、「おしょうゆテイスト」と勝手に名づけたいのだが)は、「モガ」辺りのブランドと比べると非常に間口が狭い。「ジル・サンダー」とか、「ストラネス」なんかを購入しているような客層に受けそうだが、いかんせん知名度が全く違う。

そこへ行くと、セオリーさん系列の「カルソン」(このイタリア風の味付けは、自由が丘辺りの路面店を好むインポート好きの客層には受けますよ)とか、三陽商会さんの「トゥー・ビー・シック」のエレガンスど真ん中路線は、わかりやすい。これらのブランドの方が、明らかに多店舗展開しやすいはずである。

但し、伊勢丹さんといえども、3階は特に固定客の比率が高い売り場なので、接客の力によってファンを作っていけば、残っていくことは可能だろう。ワールドさん自身が今後「シンクロ・クロッシングス」をどういう方向に持っていくのか、ということも含めて、今後の推移に注目したい。

最後に、「CCシンデレラ・シティ」が立ち上がってからいつ伊勢丹さんに行ってもずっとそうなのだが・・・。

またまた、「カシラ」と「ツモリ・チサト」の繁盛振りが凄かったんですよね。夕方の時間帯のリサーチではいつもそうなのだが、専門学校生らしき客層は、そこにだけ固まっている感じすら受ける。

この状況を見てすごく思うのは、若い子のファッションへの思い、というか、熱情に近いものを伊勢丹さんを含めて、今の百貨店さんや都心型の売り場が取り込めていないのではないか、ということ。

セクシー系、モテ系じゃない子は、地元の駅ビルで「ローリーズファーム」を買ったり古着を買ったりして大人しくしていなさい、っていうのが今の売り場状況なんだろうけど・・・。

私が日頃リアルやネットで仲良くさせてもらっている人達もそうなのだけれど、お金はなくとも情熱はある子、エネルギーを持っている子達は、今の時代にも間違いなく存在すると私は思うんですよね。

そういう人達の憧れは、最早ファッション・デザイナーには向かってはいないんだろうなぁ、というのが、オバサンにはちょっと寂しい。

逆に言うと、そんな状況下で元気に頑張って数字も上げておられる「ツモリ・チサト」は偉い。あのプリント柄のトップスとスカートは、個性的だけどガーリーなんですよ。「ガーリー入ってる」、そして重ね着が効く、ここがポイントだと思います。

プリントでの差別化は、サンエー・インターナショナルさんの「ジル・スチュワート」もうまくやっておられる。今また、ピュアヤング向けにうんと若々しくして、良くなりましたね。

話は戻るが、今の伊勢丹さんの2Fのピュア・ヤング、ヤングのゾーンは、ヤングの数の減少、そして、駅ビル内の大衆化したセレクトショップとの競合に押されて、あまり良い状況とは言えないように見える。

1Fの「解放区」も、いつの間にかラグジュアリー・ブランドさんのイベント・スペースになってしまったようだが、今再び、若い社員が企画した、本当に自分達が買いたい売り場、楽しめる売り場、ヤングによる、ヤングのための売り場の立ち上げの時期が来ているような気がしてならない。

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最終更新日  2006年02月25日 22時14分07秒
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