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2006年02月28日
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カテゴリ:読書日記
アメリカ版の『VOGUE』3月号に、「the balenciaga mystique(筆者訳:バレンシアガの神秘)」と題した記事が掲載されているのを、興味深く見た。

この特集、1950年に同誌向けに撮影された、故クリストバル・バレンシアガの作品と、現在「バレンシアガ」ブランドのデザイナーである、ニコラ・ゲスキエールの作品を対比する形で、モノクロの非常に美しい写真と文章から構成されている。

今、バイヤーからも顧客からも高く評価されている、ニコラ・ゲスキエールのエレガントで技巧的な作品の数々の素晴らしさもさることながら、こうやって、過去と現在を対比すると、逆に、現在の美の源流となっている故バレンシアガの作品がいかに美しかったか、ということが際立ってくる。

この『VOGUE』には、写真家のセシル・ビートンが、クリストバル・バレンシアガのことを「fashion's Picasso(筆者訳:ファッション界のピカソ)」(同誌)と称賛していた、ということも書いてあったが、至極尤もな評価であろう。

ニコラ・ゲスキエール氏は、2001年に「バレンシアガ」ブランドがグッチ・グループの傘下に入ってから、ブランドの過去のアーカイブに自由に触れることを許されたのだそうだ。それまで80年代調だったゲスキエールの作品のシルエットが、故バレンシアガの影響でその後一変していったのは、周知の通りである。

「For Ghesquere, "the biggest surprise" of the archives "has been the fabrics-their quality and modernity, their texture, their body. The thick, felted wools. The bubble silks. And the power of the colora are atill so strong. The prints are flashing to you like an underwater world."(筆者訳:ゲスキエールはこう語る。『アーカイブに関する最大の驚きは、生地のクオリティとモダンさ、触感、ボディ感だったんだ。厚いフェルト状のウール。バブル型にふくらんだシルク。そして、色の力。だから私も色を使うようになったのだ。どの色もものすごく力強かった。プリントは、まるで水面下の世界にいるかのようにきらめいていた』)」

今日、この雑誌を読んで初めて知ったことだが、ゲスキエールが生まれて数ヵ月後の1972年に、バレンシアガは亡くなっているらしい。何か、因縁めいたものを感じてしまう話である。

アメリカ版の『VOGUE』をご購読なさっておられるか、もしくは職場か学校に置いてある方は、是非この特集ページをご覧になってみて下さい。ニコラ・ゲスキエールの創出している作品は、バレンシアガからインスパイアされたものであっても、決して単なる模倣ではない、ということがよくおわかり頂けるだろう。こんな風にアレンジできるの、ということは、展開力に乏しい凡人にはかなりの衝撃ですね。

素材の進化、そして、時代性の違い(バレンシアガの生きた時代とは、女性の肌の露出や、自己主張がどこまで許されるか、という市場環境が全く違うのだ)、そして、過去のデザイナーに最大限の敬意を払いながらも、「個」としての自分の個性もうまく落とし込んでいる・・・。

しかし、「バレンシアガ」というブランドの持つ、ちょっと近寄りがたいくらいに神秘的で美しいミューズ(女神)のための服、というコアなイメージはきっちり守っている。守りながら更にそのイメージを発展的に膨らませ多様に展開しているところが、ブランドビジネスとして成功しているポイントなのではなかろうか。

「故きを温めて新しきを知る」、いわゆる、温故知新というのは、こういう手法を言うのだろうという、良い手本だろうと思います。

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最終更新日  2006年03月01日 00時51分09秒


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