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[監査のはなし] カテゴリの記事

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• 監査のはなし20【理解してもらう】

  会社に行って、監査をする。そのときに必要な資料を会社の担当者に用意してもらう。そのお願いをするときにどういうお願いの仕方をするか。「○○の資料をください」「実は、～を確かめたいんですよ。　なんで、○○の資料が必要なんです。　用意していただけますか。」もちろん、本当にヤバイ会社（飛びかけの会社）などではそうも言ってられないだろうが、基本的には必要な資料がなぜ必要か？ということを伝えておくといい、と思っている。会社側になぜ必要か？理解してもらうことで協力が得られやすくなる。また、該当するような資料以外にも監査の視点から必要な資料を別途用意してくれることもある。（ま、ある程度の職務分掌がきっちりと行われている規模の会社が前提やけどね）会社の会計処理の誤りを発見し、修正を依頼するときもそうだ。「ここが間違いなので、こういうふうに訂正してください」とだけ伝えるのと、「ここが間違いです。なぜなら・・・　また、このような間違いが発生してしまった理由として御社の管理体制が・・・」というふうに、間違えてる理由や間違いの発生する原因となる管理体制の不備なんかをアドバイスすると非常に喜ばれる。また、こういうことを丁寧に指摘すると会社の経理担当者の能力がＵＰするため、結局、それ以降の監査も楽になっていく。そういうわけで、「資料の必要性」や「間違えている理由」「間違いが発生する原因」を理解してもらうことはとても大切なことだな。株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年06月10日

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• 監査のはなし18【もしも、投資家が監査に行ったら・・・】

  もしも、投資家が監査に行ったら・・・ショックを受けると思う。自分が投資していた会社は・・・こんなヘボ会社だったのか！！！と。トヨタだとか、キャノンだとかは、監査に行ったって、「すげー」とか、「おもしれー」とかの連続だろう。けど。もっと小さい会社の場合、話は別だ。りょうがバリュー株（BSから判断して割安な株）でも、事業が魅力的でない限り投資する気になれないのは、このせいだ。投資先を探していて、小さい会社の財務諸表を見ていると眼に浮かぶ。株主のことなんて頭になし。事業にも熱心じゃない。公務員みたいな従業員たち。んな会社に投資できるわけねーーだろーーー！！！特に、大株主にオーナーの家族が連なっていたり、オーナーの資産管理会社があると、もー完全に投資する気がなくなる。・・・・・・と言いながら・・・今日、小型のオーナー企業の株を買い注文出しちゃいました！（笑）だって、割安で、事業内容が魅力的なんやもん！どんな素晴らしい経営者でも、将来性のない事業分野で成果を出すことはできない。三流の経営者でも、将来性のある事業分野ならそこそこの成果を出すことができる。一流の投資家でも加熱した市場では、安全に大きな利益を出すことはできない。三流の投資家でも過度に悲観的な市場では、安全に大きな利益を出すことができる。偉大なる投資家は、いかなる市場でも利益を上げることができる。だけど・・・そもそも偉大な投資家は、過度に悲観的な市場を選択して集中投資をするものだ。株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年02月24日

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• 監査のはなし17【ほんまはナンボ？評価の妥当性その１】

  17年3月期、18年3月期と話題になるであろう固定資産の減損会計。とある会社がバブルの時代にイケイケどんどん！産めよ増やせよ！！！と事業を拡大して、工場用地として取得した土地。結局、事業には使わずじまい。遊休固定資産ですな。そしてバブル崩壊後に、下がる下がる地価が下がる。さーーーて、現在、ナンボなの？会社側は不動産鑑定士さんに見積もってもらいますが・・・とっても仲良しな鑑定士さん。現在、山林で、宅地造成しなけりゃならない土地を、宅地と仮定して鑑定評価しちゃってるよ！こんな広大な土地、通常の売買事例は参考にならないと思うが、通常の売買事例をもとに鑑定評価しちゃってるよ！けっこう怪しい鑑定評価もあるよーに思う。（実際どうなの不動産鑑定士さん？？？　だれかいらっしゃったら教えてください。　りょうに間違いがあったら指摘してください・・・）とにかく金額の決め方が結構テキトーなのだ。10億円で購入した土地を鑑定評価をもとに4億円へ減損処理。しかしホントはいくらなの・・・？売れずに残り、事業にも転用できない土地。これぞほんとの固定資産！固定資産の評価の妥当性むずかしいねー！株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年02月18日

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• 監査のはなし16【ちょっとした喜び】

  数日間、まとめて同じクライアントに行く。で、最終日に経理の方からこんなふうに言われることがある。経理マン「りょう先生。　今度はいつ、いらっしゃるんですか。」りょう「次は２ヶ月後ですねえ～。」経理マン「え～　もっと来てくださいよ～。」なんか嬉しいやんなあ！監査人と被監査会社というドライな関係じゃあなくって、ひととひとの付き合いっちゅうんかな。あと、会社の経理の方とサシで飲みに行って、その人なりの愛社精神とか、会計士にはこんなことを求めてるとか、信頼関係がなきゃ話せないようなことをじっくり話す。こういうとき、やってて良かったな～って思う。その相手が経理ウーマンの場合、喜びはいっそう大きくなるのだ！株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年02月14日

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• 監査のはなし15【なんか隠してなーい？網羅性-その２】

  とある会社の財務部長。銀行との取引は、ほとんど財務部長が決定。社長は販売促進にしか興味がない。財務部長にまかせっきりだ。財務部長は、個人的にとーーーってもいい投資用不動産を見つけた。購入して１ヶ月もすれば、1.5倍の値段で売れる。安月給に、もうウンザリだ。会社の人たちには秘密にして、これでひと稼ぎして会社を辞めてやる。ただそのためには、どうしても１億円の資金が必要だ。もちろんそんなお金をもってない。！そーいやこないだもA銀行の若造が金を借りてくれって言ってきてたなあ・・・ということで、銀行マンにこう言う。財務部長「１億新規で借り入れたいんだが。　短期の運転資金だ。」銀行マン「はい、よろこんでー」もちろん銀行マンは会社に対する貸付だと思ってる。はーい、銀行から会社の口座に振り込まれたお金をさっそく財務部長個人の銀行口座へ振込だ。権限はぜーんぶ財務部長が持ってるからね。もちろん、会社の人たちには秘密。仕訳も切らず、会社のシステムにデータの投入もしない。完全に簿外負債！いっちょあがり！！！で、不動産を買ったわけだが、そう簡単に上手く行くわきゃねーわな。１億円で買った不動産、転売できずに保有し続ける羽目に。で、借入金利の支払日、銀行から会社に支払利息の計算書（請求書みたいなもんやな）が来る。それを受け取った財務の美人女性従業員は、？疑問を感じるわけだ。愛さま「あれ、こんな借入金、あったかしら・・・」財務部長「ああ、きみ。　これは、特別な案件で取締役マターなんだ。　詳細は話せないが、支払利息ではなく、　雑損で計上しておいてくれ。」（いや、雑損だと、　会計士のやつらが見つけるな。）「ちょっと待ってくれ。　やはり、案件の特殊性を考慮すると　販売手数料がいいな。　新製品の販売促進費にしておいてくれ。　経理にも話は通してあるからな。」嘘八百！上位の役職者は、内部統制を無効化できる！簿外負債１億円。だけどね。会計士は、きっちり色んな角度から見てるからね。発見できちゃうわけだ。そして、りょうと美人従業員・愛さまのラヴ・ろまんすが始まるわけだ。ゆーあーまいですてにー♪株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年02月10日

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• 監査のはなし14【なんか隠してなーい？網羅性-その１】

  今日も会話形式でいこう。会社従業員は、架空の販売代理店を作り上げ、そこへ販売手数料を払い込んだかのように見せかけ、実は、そのお金を自分の懐に納めている。ポッポないないと言われるヤツですな！はい。いつものようにダメ会計士が監査にやってまいりました。ダメ会計士「えー、　今日は販売手数料について　いくつかサンプルを抽出し、　内容を検討したいと思います。」不正従業員「はい。　例年やってるやつですね。　今年1年分の販売手数料の仕訳データは　ここに入れてあります。　どうぞ。」と、販売手数料のデータが入っているCD-ROMを手渡す。ところが、このCD-ROM、不正従業員に都合の悪いデータは全て削除した後のもの。つまり・・・販売手数料が全部で１００億円、発生しているとする。そのうち１億円は不正従業員が横領している。そこで、会計士に渡すデータは、都合の悪い１億円分の仕訳を除いた残りの９９億円分。ダメ会計士はそれに気付かず、不正分は取り除かれた仕訳データを１日かけて丹念に調べて、いくつか証拠書類を要求する。ダメ会計士「いちにちかけてチェックさせていただきましたが、　特に問題はありませんでした。　きっちり処理されております。」不正従業員（バーーーーーカ！！！　あったりまえやろ！　問題のあるデータは全部事前に取り除いてるんやから、　問題あるわけねーだろ！　あー、　こんなバカ会計士でよかった。）よーするに、サンプリングをする母集団の網羅性に問題があったわけですな。監査において検討対象とする母集団に、網羅性がなければ、とーぜん、不正は発見できません。検討対象とするデータを渡されたとき、普通の会計士ならそのデータに網羅性があるかをチェックする。ふつうの会計士「あのー、さきほど提出していただいた仕訳データなんですけどね。　損益計算書上は、販売手数料１００億円ってなってますよね？　だけど、さきほどのデータ、すべて金額を足し合わせてみたところ、　９９億円だったんです。　この差額の１億円分の仕訳って、何なんですか？　見せてもらえますか？」不正従業員「あれ、そうでしたか？　　おかしいなー（汗）」はーーーーい不正発覚！いっちょあがり！！！簿外取引うんぬんの前に、まずは、きっちり、検討対象とする仕訳やら伝票やらの網羅性をチェックしないといけませんなーーーー！注意！（いつものことですが、　この監査シリーズ、あくまで架空の話です。　特定の会社、人物の話ではありませんし、　ひとの失敗の揚げ足をとってバカにする目的でもありません。　あくまで目的は、　たくさんの人に監査とはどんなもんか？　を知ってもらうこと、　そして、企業の情報開示が適切に行われ、　優れた企業がきっちりと評価される社会をつくることです。）株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年02月06日

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• 監査のはなし13【ほんまにあるの？実在性-その３】

  さて。監査のポイント（監査要点）のひとつ、ほんまにあるの？（実在性）このシリーズ、生々しすぎる、という苦情（？）が来ております（笑）今日は、現預金の実在性。あなたは会社の預金担当者。サラ金を返すために、会社の小切手を無断で使って、借金王から大金持ちに大変身！さあ、大変なのは会計士の監査をどう　ごまかすのか？A銀行の小切手を使って、B銀行に1億円入金した場合、B銀行の通帳には当日にプラス1億円と記帳されるが、A銀行の通帳は、その翌日になって初めてマイナス1億円となる。銀行間の決済が当日中には行われず、翌日になってしまうわけですな。ということで、B銀行の預金1億円を使い込んだアナタは、A銀行の小切手を無断で利用し1億円をB銀行に入金。　　　　　3月31日（期末）　　4月1日A銀行　　1億円→1億円のまま→0円B銀行　　0円　→1億円　　　→1億円合計　　 1億円→2億円　　　→1億円一時的に、預金残高を水増しできるわけですな！準備完璧、さあ来い会計士！会計士「あのー　A銀行の小切手の耳（使った後の残りの部分）　見せてもらえますか？」あなた「いやあ、業務で使っていて、　いま手元にないんです。　あと、古いやつ、間違って捨てちゃったんです・・・（汗）」会計士「じゃあ、　A銀行の当座勘定照合表見せてもらえますか？　これはあるはずですよねえ。」（当座勘定照合表とは、　当座預金の通帳のようなもの。銀行が作ってくれる。）あなた、しぶしぶ渡す。会計士「あのー　B銀行の残高証明に書いてあるんですけど、　3月31日にB銀行に入金された1億円、　まだ、未決済ですよねえ（A銀行から引き落とされていないという意味）。　で、　4月1日に、A銀行から小切手で1億円引き落とされてますよね・・・　　これ、A銀行からB銀行への単なる資金移動ですよね？　銀行勘定調整表で調整して　仕訳を切らないとダメですよね？」（銀行勘定調整表・・・受験簿記で頻出のもの。　　　　　　　　　　　会社が作成するもの。　今回であれば、A銀行の預金残高をマイナス1億円とする仕訳を入れなければならない。）　あなた「・・・」ということで、あっ！！！という間にばれちゃいます！！！・・・もっと他にもいろんな横領の仕方、その隠し方がありますが、これはほんとに、ばれにくいから、ひ・み・つ！！！株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年02月02日

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• 監査のはなし12【センスの良い監査とは？】

  現預金の実在性をお話しする前に、今日は少し脱線。センスの良い監査とは？「いろんな高さから企業を見る監査」である。（りょうの個人的見解です。）監査法人や会計事務所に入った新人が最初にする仕事は、たとえば、現預金の実在性チェック（銀行に問い合わせるなど）や、購買に関連する内部統制のチェック（承認のない取引先に架空の注文ができないような仕組みがあるかどうか？など）そこから少し経験を積むと、もっと他の勘定（受取手形とか、税金とか）を担当させてもらえるようになる。で、内部統制のチェックも販売とかの企業に固有な部分を担当するようになる。けど、このやり方だと、企業の各業務担当者の視点で会社を見ることができても、課長とか部長とかの高さから会社を見れるようにならない。さらに、意識的に努力して、課長とか部長とかの高さから会社を見ることができるようになっても、取締役の高さから会社を見ることができない。さらに社長の高さから会社を見ることができない。さらにさらに、投資家の高さから会社を見ることができない。なんかニュアンス伝わります？？？よーするに「投資家や経営者のように高い視点から会社を分析して、　リスクを特定し、　監査アプローチを使い分ける」ということがいつまでたってもできない。そして、経営者と会計士が話したときに「会計のことばっかりで、　経営のことはぜんぜんわかってないダメ会計士」という烙印を押されるわけだ。イメージはこんな感じ↓投資家↓社長↓取締役↓部長・課長↓各業務担当者たいていの会計士は、各業務担当者レベルから部長・課長レベルでストップ。監査法人や会計事務所のえらいさんでもせいぜい取締役くらいの視点、って場合が多いんじゃないかな？（りょうの個人的な経験に基づくので、　ほんとうにすごい人はきっとたくさんいるんやろうけどね。）だから、ほんとうは、会計士になったらいちばん最初に、投資家の視点からクライアントの会社を含めた同業他社の比較分析をすべきだと思う。で、競合他社と比べての財務状態の違いや共通点を把握。また、その背景にある製品の違いや技術の違いを把握。その次に、経営者の経営方針や経営戦略を把握。で。クライアントの各事業部を把握して、業績の推移を分析。という流れで、投資家の視点から社長、取締役・・・と視点を低くして行くのがあるべき（というか効率的だと思う。）たとえば、棚卸資産の勘定科目を担当したとしても、同業他社の棚卸資産の水準やら会社の経営方針、長期的戦略などを把握していないと、棚卸資産の適正水準なんて判断できないし、増減額が妥当かどうかも判断できない。だから、新人に現預金・借入金の監査を担当させる、なんていう慣行があるけど、はっきり言ってセンス悪いね。ほんとうに新人を効率的に効果的に育成しようと思うのなら、いちばん最初にさせるのは、財務分析や同業他社との比較分析だ。最初にこれを徹底的にやらせたら、物凄いスピードで成長していくと思う。！そっか。しょーもないやつらは、新人がスクスク育って追い越されるのが怖いから、広い視点での分析をさせずに、狭い視点で仕事をさせるわけか。ガッテン！株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年01月29日

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• 監査のはなし11【ほんまにあるの？実在性-その２】

  りょう「先生」だなんて恥ずかしいです・・・会計士は「～先生」と呼ばれることが多いが、なんだか気恥ずかしい。「いやあ、　だめ人間なんですよお。　こんなだめなこと、　あんなだめなこと、　いろいろしちゃってるんですからあ。」と心の中で叫んでおります。やはり一番好きな呼ばれ方は・・・かわゆい女性に・・・「おばかさん」って呼ばれるのが、いちばんだね！！！さて。監査のポイント（監査要点）のひとつほんまにあるの？実在性その２建設業会計士「また１０億円の受注があったみたいですねえ。　これは来期の建設予定ですか？」社長「いや、先生。　建設作業は順調でもう基礎工事は済んだんや。　うちの会社は基礎工事が終わったら、　工事代金の３０％を売上計上するから、　３億円の売上ですわ。　ほら、先生が見たがると思って、　現場の写真も撮ってきたんですわ。」会計士「なるほど～。なんとか黒字転換でよかったですねえ」と、後日、工事現場を視察に行くと・・・会計士「って　社長！　建物ないやん！！！　　別の工事現場の写真見せたでしょ！？？？」ヒドイ場合「って社長！　まだ、取り壊し前の古いビルが残ってるやん！！！」架空の資産とそれに対応する架空売上の計上いっちょあがり！ケース４会社の棚卸資産の棚卸に、会計士も立ち会っている最中。倉庫のなか。会計士「けっこう、　この製品、売れ残ってしまいましたねえ。　評価減も検討しないとだめですねえ。」たまたま付き添いに来ていた営業部長「けどね、　うちの製品は分解すれば、　部品を他の製品に使いまわせるから、　実質的に人件費分だけが損になるんですわ。」会計士「そうなんですか。　あっ　あっちのほうのダンボールの山も　同じ製品ですねえ。」営業部長「そうですそうです。　あっちの山は、先生がいらっしゃる前に、　カウントしてしまいましたわ。」会計士「そうですか、そうですか。　ま、ちょっと近くまで見に行っていいですか？」営業部長「先生、　なんか疑ってられるんですか？？　きちんと数えましたって。」会計士「いやいや疑ってませんよ、部長。　私、眼が悪いもんでよく見えないんですわ」ダンボールにつめられた製品の山に近づいたが、特に異常なし。っと、軽く段ボール箱を押してみると・・・スッと動くじゃねえか！！！って「部長！　ダンボール箱の中、　からっぽやん！！！！！！！」在庫を他の業者に横流しして、その代金は営業部長のフトコロヘまっしぐら！　実在性のない棚卸資産！！！従業員による資産の横流しいっちょあがり！！！ケース５会計士「社長、Ａ社に対する売上、　けっこう増えてますねえ５千万もある」社長「いやあ、　昔からの付き合いでなあ。　ひいきにしてもらってるねん」会計士「ところでね。　同じＡ社から同じ５千万くらいの仕入れがあるんですけどね。　さっきの売上とこの仕入と決済はどうされるんですか？」社長「えっ・・・　手形やけど・・・」会計士「社長。　この売上と仕入、　商品を動かしてないでしょ。　　というか、実体のない売上でしょ。　んでもって、　仮装した売上に関する手形を作成して、　銀行で割り引いて、　資金５千万、無理やり作ったでしょ？」社長「！！！　先生、悪気はないねん。　資金繰りが厳しくってさ。　次の手形さえ落とせたら、　その後は会社うまくいくはずやねん・・・」架空の資産・融通手形による銀行への裏切りおよび架空売上の計上いっちょあがり！！！お断り。いろんなケースを書いていますが、りょうが関与した特定のクライアントの話ではありません。あくまで、業界内では常識的な不正・横領・粉飾の手口です！神秘！実在性！！！株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年01月25日

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• 監査のはなし10【ほんまにあるの？実在性】

  さて。前回は、監査のときのチェックポイント、監査要点、について話しました。監査要点には、６種類あったんですが、そのなかの実在性（ほんまにあるの？）について。実在性。売上の実在性。ほんまに売ったの？たとえば・・・営業マンが、３月末に、なんとしてもノルマをクリアするために、仲の良い取引先の社長に土下座でお願いする。営業マン「お願いします！社長！　これを買ってもらえないと、　私、社内での立場がないんです・・・　もちろん、　売れ残りは返品してください。　４月も中頃を過ぎれば、　みんな３月のことなんて忘れてますから・・・」社長「しゃーないなー。　まあ、ええよ。　ただ、余ったもんはしっかり返品させてもらうで。　まあ、また今度、飲みに行こうか。　ええ店見つけてん。」という経緯で、期末（３月末）に大量に売上を計上する。押し込み販売ですな！これって、ほんとに売上なの？？？全額売上に計上していいの？場合によっては、返品引当金を計上するとかの形で会計上対処する必要があるねえ。別のケース。３月末に会計士が会社の倉庫の棚卸に立ち会う。会計士「あれ、　あそこの商品はカウントしないんですか？」従業員（倉庫の担当）「いや、営業の話によると、　あれはもう売上済みで、出庫待ちなんですよ。」会計士「へー、そうなんですか。　けど、けっこう数も多いし、　御社の旧型製品ですよねえ、あれ。」従業員（倉庫担当）「はあ。　確かにねえ。　ただ、わたし、倉庫担当ですし、　ちょっと詳しいことは営業に直接聞いてもらわないと　よくわからないです・・・」で、営業に問い合わせてみると、確かに注文書や契約書は一式揃っているが、相手先は、経営が行き詰っている大口の取引先。どーも、代金を支払えない得意先にお願いして、いったん注文書やら契約書やらを形だけ揃えてもらったっぽい。翌期には、返品処理するんだろーな。モノは動かさずに・・・預り売上！いっちょあがり！！！その３翌期、上場予定の会社。今期はどうしても黒字じゃなきゃいかん！３月末に業務が終了し、倉庫からの出庫は全て停止して、その日の夜から会計士による棚卸の立会い開始。会計士「って社長！！！　思いっきり倉庫フル稼働で出庫してるやん！！！」社長「いや、もう堪忍！！　眼ぇ、つぶって。　この倉庫の商品、全部出庫できたら、　なんとか今期、黒字に持っていけるねん。　たぶん明日の夜くらいまでかかるけど。　　ちゃんと注文はあるんやし、ええやん？　ええやろ？　頼むわ！　頼む、先生様！！！　　赤字転落で来期、株式上場でけへんかったら、　先生のせいやで！　上場できたら、　わしの保有してる株式で、　怖いくらいの売却益がでるんや。　　ええとこ　連れてったるがな・・・」売上の繰上げ計上、いっちょあがり！！！神秘！売上の実在性！！！　株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年01月21日

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• 監査のはなし9【監査のポイント】

  ただ監査をするといってもやはりポイントがある。内部統制をチェックするにしても、財務諸表をチェックするにしても、ポイントがある。それはなにか？・実在性・・・その資産ほんまに持ってるの？・網羅性・・・借金隠してない？？？・権利と義務の帰属・・・ほんとにあんたのものなの？・期間帰属・・・来年の売上を今年の売上にしてない？　　　　　　　　今年の費用を来年の費用にしてない？・評価の妥当性・・・その商品、ほんまにそんな値段で売れるの？　　　　　　　　　　繰延税金資産、ほんまに節税効果あるの？・表示・・・多額の損失を「雑損」にして隠したりしてない？　　　　　　関係会社に対する貸付金は別途表示してる？ってな感じで、６つのポイントがある。会計士はつねにこの６つを頭に置いて監査してます。これを意識してないと、どんな監査手続きをやったらいいのか、わからへんからね。この６つのポイント、監査要点なんて言われたりするんやけど、相当強力な概念です。役立つ。次回からはもう少し、監査要点の話をしてみましょうか。話がジグザグに進むなー（笑）株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年01月17日

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• 監査のはなし7【内部統制って？？】

  さて。監査のはなし。以前にも話したかもしれないけど、「内部統制」という言葉は若干マニアックですよねえ。最近注目を浴びてきているので、耳にする回数は増えてきていますが。内部統制って？よーするに、会社の中のいろんな仕組みの総称です。たとえば、出張の後には出張報告書を提出しなければならない、なんてのも立派な内部統制のひとつ。多額の商品を販売するときには事前に上司の決済が必要、っていう決まりも立派な内部統制のひとつ。で、星の数のようにある内部統制のなかから、会社が財務諸表（決算書。バランスシートとかのこと）を作成する上で、重要な役割を果たす内部統制を会計士は見極めて、その内部統制がきっちり守られているかをチェックします。たとえば、さっき挙げた、「多額の商品の販売の前には、　上司の決済が必要」なんてのは、架空の売上先に商品を販売していないか？ということをチェックする上で重要な内部統制といえる。だから、会計士はそれをチェックするわけです。たとえば、「１００万円以上の売上は、　すべて事前に上司の承認が必要である」という会社の内部規定があるとする。で、会計士はサンプルを適当に抽出して、それらについてきちんと上記の内部規定に従った処理がされているかをチェックします。全件、内部規定に従っているとすれば、会社の内部統制はきちんと守られて、有効に運用されている、という心証を得ます。その結果として、期末監査のときにチェックするサンプル数を減らします。逆に、従っていないものが散見されれば、内部統制は有効じゃなさそう、という心証を得ます。その結果として、期末監査のときにチェックするサンプル数を増やします。ってな感じで、内部統制の検証がなされるわけです。（といっても、かなり単純化して書いたので、　実際はもう少し複雑です。　が、本質的な考え方は、おんなじです。）株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年01月09日

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• 監査のはなし6【内部統制と期末監査】

  監査。とひとくちに言っても、大きく分けると、ふたつに分けられます。１つめ。期中（7月、8月、9月とか、1月、2月、3月）に、企業の内部統制の整備状況と運用状況を検証する部分。いきなり小難しい言葉がでてきたけど、要するに、従業員のひとたちが決められたルールにのっとって、きちんと会計処理しているかどうかをみる、ってこと。で、２つめ。期末（4月、5月や、10月、11月）に、財務諸表の監査をする。ひとつめとふたつめ、何が違うの？ってことなんやけど、たとえば、従業員がルールに従ってきっちり会計処理している会社なら、期末の財務諸表監査のときに抽出するサンプル数を減らす。逆に、従業員がルールに従わない会社なら、サンプル数を増やす。ってな感じで、１つめ（内部統制の整備状況や運用状況）の良し悪しに応じて、２つめ（期末の財務諸表監査）を詳しくやるとか、サラッとやるとかを決める。もちろん勘定科目ごと。つまり、売上の計上は従業員がきっちりやってるけど、仕入の計上は適当にやってるならば、売上のサンプル数を減らして、仕入のサンプル数を増やす。なので、会社の人とかからは、ずっと同じことをやってるように見えるかもしれないけど、いろいろ見るポイントを変えて、監査してるわけですな。株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2005年01月05日

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• 監査のはなし5【いい監査とは？？】

  少し脱線。「会社の人にとって」いい監査、と「品質が高いという意味で」いい監査、とは、違うと思う。両者、全く関係ないわけではなく、かなり重なる部分はあるが、違う部分もある。「品質が高いという意味で」いい監査とは？企業行動の動機を十分理解した監査である。わかりやすくいうと、なんのために、そんなもの買ったの？なんのために、そんな契約したの？なんのために、そんなところに工場建てたの？なんのために、そんな借入れしたの？なんのために、新株発行したの？ってな風に、企業が行う取引について、その理由を理解している監査です。そのために、会計士は、経営者の視点をもっていなければならない。経営者としての視点がなければ、企業行動を理解することはできないから、結局、ポイントをはずした監査になってしまう。たぶん、一流の監査人は、一流の経営者になれるのだろう。最悪なのは、取引の理由、動機とかを考えずに、契約書と帳簿が一致していることを確かめるだけ、ってなふうに、たんに数字合わせになっちゃうケースやね。そういう意味で、株式投資をするのは会計士にとってとてもプラスだと思っている。もちろん、テクニカルな投資ではなく、ファンダメンタルな投資やけどね。とくに、バフェットなんかが企業を見る視点、考え方なんてのは、まさに一流の経営者に近いものなんだと思う。だから、バフェットのような投資スタイルを採って投資をしている会計士は、きっといい会計士になると思う。財務諸表や有価証券報告書を監査するのに投資をしない会計士なんて、モグリだね！株の初心者に最適！　入門セミナーを定期的に開催！　株の学校アクションラーニング

  2004年12月27日

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