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今日も元気で

2005.05.18
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テーマ:本日の1冊(3182)
カテゴリ:読みました^^*☆



積読山から、ようやく手に取る決心がつき、読みました。


『 夕凪の街 桜の国 』 こうの史代さん 双葉社


辛い想いをするのが嫌で。
向き合うパワーが今の自分には、ない、という理由をこじつけて。

私自身が、ずっと手に取るのを躊躇っていたくせに、
今は、やはり、
ひとりでも多くの、特に若いひとたちに読んで欲しい、と願います。


 ※ 昨日は『 副会長考 』に たくさんのコメント、メッセージを
   有難うございました☆
   
   淡々とまとめて、色々と整理していきたかったのに、
   なんだか自分の私怨が噴き出してしまったので、我ながら慌てました。
   でも、お蔭で(1)の場合で問題となる部分がよく見えました☆
   少し頭を冷やして、またまとめ直させていただきます。
   ひとつひとつのメッセージにも、もう少しお時間を下さいませ。
   

------------------------------



私の母は、被爆している。

まさにたまたま、あの日。
母の奉仕作業の日取りが他の学校と入れ替えになったため、命拾いをした。
母の実家は、広島市内にある山のふもとで、
その山が、母の町の殆どを閃光から助けた。
しかし爆風を遮ることはできず、母の家もまた、
窓や屋内の障子、襖は吹き飛んだという。

母の学校と入れ替わって、
あの日、市内中央部にて奉仕作業をした学校生徒は全滅。
母は、親しい友人たちを大勢失った。

以来、母は、自分が生かされた意味、生き残った意味をずっと考えながら、
友人たちのいのちを背負って生きてきた。


奉仕のこころ一筋 で生きてきたような母である。


未だに母は、お金のかかる「娯楽」は一切しない。
できない、のである。

私たちが映画やボウリングなどに誘っても、
「あの日の光景が目に焼き付いて離れない」
兵隊さんが出征していく宇品港が近くであったためもあり、
時には、
「兵隊さんが玉砂利を踏む音が耳から離れない」と泣く。


世に「君が代」「日の丸」論争が喧しかった頃、
反対を訴える私に、母はこう言った。


「 あの旗のもとで何が行われたか。
  決して私たちは忘れてはならない。
  その意味で私は、あの旗を背負う 」 と。



私は、ずっと被爆二世だと思って生きてきた。 18歳になるまで。

中学1年の夏、何故か鼻血が頻繁に出た。
なかなか止まらなかったとき、原爆症が出たのか、と怯えた。

母は、しっかりと私を胸に抱きしめて、
「 ごめんね。
  貴女は絶対に、原爆症にはならないから。 大丈夫だから 」
と泣いた。

事情を知らなかった私は、
何故、そんなことが母に断言できるのか。
何故、そんなに哀しい顔で私を見つめるのか。
いい加減な気休めは言わないで欲しい、と思った。
でも、母にしっかりと抱きしめて貰って、少し、落ちついた。


18歳になったばかりの春。
ようやく、私は、母のその言の葉の意味を初めて識る。

私は被爆二世ではなかった。
しかしそれは、私に何の喜びももたらさなかった。

発症の可能性を持たないことは、大変な福音であるはずなのに。

私は、愛してやまないこのひとの、子ではなかった ことの方が哀しかった。


今、自分の子を持って識る。

母の哀しみ。 母の愛。


自分の子が発症するかも知れない、という
恐怖を持たずに済む、奇蹟の恩寵。



---------------------------------------




転居して以来、同じ広島にあっても原爆に対する温度差は痛いほど感じる。

広島市でも 8月6日 の重みは、随分と薄れつつある。

うちの町では、広島県に文科省是正が入って以降、
学校で先生方が直接、戦争や原爆について、子どもたちに語ることを禁じた。

学校の社会見学で広島市に行くが、平和公園はルートから外されるようになった。
教室のカレンダーでは、平和を謳っているもの、原爆ドームなどの写真があるものは、
全て取り払われた。

「あなたたちは当事者じゃない。体験した人の代弁者にはなり得ない」

「少しでも『戦争反対』の方向をもつ視点は、1つのイデオロギーであり、
『運動』であり、教師がしてはならないこと」

なんだそうである。

何かおかしい。絶対おかしい。

あの戦争や被爆の事実を、
単に「歴史」として淡々と年号や単語を覚えるだけで、いいのだろうか。

二度とあんなことが起きてはならない。 起こしてはならない。
あの悲惨な戦争に、私たちはたくさん学ばなければならないと思うのに。

このままうやむやにして、「なかったこと」にでもしそうな勢いに恐怖を感じる。

こうしている間にもどんどん戦争体験者は居なくなり、
これからの子どもたちは、ただ家庭内で本を読むしかないだなんて。


そんななかで、出逢えた『 夕凪の街 桜の国 』。
本当に嬉しく、有難く思った。
言の葉は何も要らない。
ただひっそりと多くのひとたちの傍らに在れば、、、と願う。









Last updated  2005.05.18 20:48:27
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