2009/01/17(土)23:00
14年目の 1月17日。
14年目の1月17日は、夫とともに私の実家で迎え、母と3人、黙祷を捧げた。
朝日新聞の17日朝刊一面では、
阪神・淡路大震災以降、自主防災組織率が如何に向上しているか、
全都道府県のパーセンテージを表にして掲げ、全国平均7割超、
地域色豊かな活動内容、住民主体の動きなど、
ことのほか明るい口調?な記事なのであるが。
2面は打って変わって、昨秋からの不況がまだまだ復興半ばの被災地に
如何に深刻な状況をもたらしているか、克明に綴られている。
神戸管内、阪神管内共に、大都市とは思えぬ就職難率。
加えて、法人関係税が落ち込んだ兵庫県財政は危険水準に達し、
さらに県税収が1300億円ダウンする見込み。
昨年9月に総務省が発表した新財政指標の『 将来負担率 』では、
兵庫県が全都道府県のワースト1だと発表される。
* 『 将来負担率 』 … 特別会計や第三セクターなどを含めた借金が
財政規模を100とした時に占める割合。
全国平均 86.1% 兵庫県 361.7%
昨年 『 地方自治体財政健全化法 』から「 不健全 」の勧告を受けそう
だと識った芦屋、淡路両市を観てみれば、淡路市がダントツで371.0%。
南あわじ市245.5%、洲本市219.7%、
尼崎市217.2%、そして芦屋市の216.7%と続く。
ますます深刻な事態を、どう打開していけば良いのだろう。
お金が ない !
信じられないほど 必要なところにお金のないこの國で。
やっぱりやっぱり、昨年と同じことを強く思う。
せめて、予算を予算案通り、きれいさっぱり消化しなくてはならず、
年度末に近付くと滅多矢鱈に無駄に消費する「 官 」の在り方を
きっぱりすっぱり改めたい、と。
各自治体は、突発的な災害に備えてきちんとプールするとともに、
予算見直し、倹約、合理化を進め、年度末に少しでも予算が余ったなら、
迷わず災害対策金へプールしていただきたい。
國をはじめ、各自治体が常にそう備えていくことによって、
有事に機敏に動くことができ、
他自治体へも善意の手を即座に差し伸べることができるはずだ、と。
「 民 」 は頑張ってる。 切ないほどに。
兵庫県の自主防災組織率は95.7%。 全都道府県中4位、である。
昨年、神戸では、講習を受けて市民救命士になる人が増え続けていると識った。
見知らぬひとに助け出された恩返しに、救命士を育てるひともいる、と。
今年の朝日新聞社会面では、
灘区の自宅へ遊びに来ていた3歳違いの従姉を震災で喪い、
その従姉の遺志を継いで臨床心理士になった青年の記事を読んだ。
被災され、地獄絵図のなかで、生き残った方々は、
皆等しく、自分が生き残った意味を自らに問い、
如何に生きて在るか、それぞれに向き合い
それぞれに闘って来られた日々ではないだろうか。
想い寄せる度ごとに、
被爆して友を全て喪い、独り生き残り、
自らが生き残った意味を問い続け、ストイックに生きる母の姿に重なり、
とても平静ではいられない。
この國は、いつ、何処で大震災が起こっても不思議でない。
ひとごとではないことを改めてこころに刻み。
「 備え 」とは、ゴールの見えぬマラソンのようなものだ。
いつしか走るのをやめて座り込んでいないか。 ( 朝日新聞『 天声人語 』)
どきっとする。
単なるメモリアルではないのだ。
この日だけこころ引き締めても、意義はあっても意味はない。
復興への闘い を 「 風化との闘い 」 にしてはならない。
6434名もの方々の御霊に深く哀悼の真を捧げ、
明日は我が身かもしれないと、
防災のこころ構えを日々、確認すること!!
起きる地震は止められない。
だが被害は、増やすも減らすも人間次第である。
時の流れに抗して遺訓を生かす構えが、これまで以上に必要になってくる。
( 『 天声人語 』 )
イラストは ぴぐまっくさん 『 泪 』。