2010/07/23(金)20:30
乱舞。
夫の定休日。
社内結婚した後輩若夫婦が 定休日を利用して
「 蛍を観たい 」と 遥々F市から訪ねて来るという。
この二人は、結婚前にも この地に蛍を観に来ており、
当時の感動が忘れられず、是非、また!と 言われていたのだった。
私たちを慕ってくれる彼らを 可愛く思っているし、
気持ちは大歓迎!なのだけれど。
現在の私の状況では、なんのおもてなしもできない。
掃除もろくに出来ていない自宅に上がっていただくなんて、
飛んでも八分なんだけど それでもいいのか、と聞けば、
夫は 彼らは 本当に蛍を観に来るだけだから。
この地の蛍ポイントを あちらこちら自分で案内したいので、
君は運転してくれるだけでイイ、という。
陽も落ちているし、車から降りねば花粉も黄砂もだいぢゃぶ。
運転ぐらいでイイなら、OK、OK!
午後7時にJR駅まで 夫と迎えに出る。
例の『 フェイスonワンピ 』姿で挨拶すると
後輩夫婦が ちょっとだけビビった気がする^o^;。
近年、蛍がぐっと少なくなったので、
満足して貰えるかどうか 不安だった ダム へ行くと、
同じ目的らしい車が6台ほど。
ちょうど暗くなり始めて、徐々に蛍の光が見え始めたらしく、
あちらこちらで、歓声が聞こえ始める。
夫と後輩夫婦は ダムをぐるりと周って来る、と
そゎそゎと 駐車場に私を残して 出発する。
ライトを消して、車内で待つ。
時折、車からも 川底から上がってくる蛍が1匹、2匹。
すす、すぃ、と点滅しつつ 動いてる 光が見える。
夫たちが戻って来るのを待っている間に、
駐車場へ 何台も車が入って来たが、
蛍を驚かさないよう、蛍の光を殺さないよう、
それぞれ、スモールライトで移動されることに感動する。
と、一匹、
川から上がって来た蛍が 私の車の傍に来て、
すーぃすーぃ、く~るくるっと
Fitの周りを飛んでくれる。
そかそか、ここまで来たのに、車から出られなくて
君たちを愛でに行けない私を
君は 慰めてくれるんだね。
ちょっとだけ、辛かった3ヶ月 が
走馬灯になって、目の奥が熱くなる。
時間にして10分ぐらいだろうか、
さんざん、私の周りで 遊んでくれた蛍が、
すーっといなくなった! と思ったら、
夫たちが戻って来たのだった。
「 300匹! 、、ぃゃ~、あの感じだと1000匹は居たと思う! 」
…300匹と1000匹では、3倍以上違いますがな^o^;。
めちゃくちゃハイテンションな彼らを乗せて
次のポイントに向かうと、
運転中の窓からでも はっきり 蛍が乱舞している様子が見え、
思わず、細い道路のまんなかで車を停める。
我に返って、近くで車を停められそうな場所を探して突っ込み、
夫たちを降ろし、私は運転席の窓に張り付くが、
川沿い道路のこちら側のため、道路分の距離が邪魔をする。
ま、いっか。
さっき、一匹、ずっと私と遊んでくれたもん。
そう自分を宥めていたのだったが、
何かしら 蛍たちに呼ばれた気がして、
思わず、車を降りて川まで歩いてみる。
したらば そこには、天の川が降りてきたような情景が広がり、
暫し 自分が何処に在るのかを忘れる――。
堪能しきった夫たちが戻って来たとき、
私もまた、運転席で惚けており。
満面の笑顔で帰路につく 後輩夫婦を駅で見送り、
自宅へ乗り入れるまで、夢現の私に。
「 喜んで貰えて良かった!
君も しんどかったのに 有難う(//▽//)☆ 」
職場で少々お疲れ気味だった夫も、
後輩夫婦と蛍たちに 元気を貰った様子で上機嫌の満足顔。
まずは良かった、良かったと、
車から降りた途端、田んぼの向こうから蛍が2匹ヤって来て、
夫と私に近づいて、また、田んぼへと飛んで行く。
「 お疲れ~ って 言ってくれたんかな? 」
大の仲良しのやうに、交差する2匹の光を 夫と見送りながら、
私は、今夜の蛍たちを きっと 忘れない、と思う。
後輩夫婦も、そうだと 嬉しい。
これから きっと幾度も訪れるであらう、
「 夫婦 」 としての山や谷、嵐を
乗り越える力の ひとつに 加われたら、何よりだと、
要らんお世話な祈り も 少し。
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