2008.08.14

「 名は体をあらわす 」

(13)
カテゴリ:行きました^^*☆





       14日。


       実家の父の祥月命日。


       結婚はしない。 子どもは産まない。

       そんな困った宣言をしていた私が結婚をし、その後、上の少年を授かり。

      「 じぃじ 」となることを諦めていた頃に、
       初孫として誕生した上の少年に万歳を叫んで、目の中に入れそうだった父は、
       それから2ヶ月を待たず、肝癌が発覚。

       そしてそれから僅か3ヶ月で逝ってしまった。

       肝癌手術なら日本で一、二、と言われる、信頼できる先生と出逢い、
       他に転移の様子もないことから、摘出手術に全てを托し、
       絶対に治ってみせるという信念のもと、大手術に挑んだのであったが。

       手術は大成功し、意識の戻った父を始め、
       皆で手を取り合って喜んだのも束の間、
       長年の降圧剤服用によって、全身の血管壁がボロボロになっており、
       術後まもなく、全身のあちらこちらから出血。

       執刀医の先生自ら、諦められない、諦めてはならないと、
       再び、各臓器関係の破れた血管を繋ぎあわせる大手術をし。

       肝臓の3分の2を摘出した20時間近い大手術直後の、長時間の大手術。


       それにも耐えた父であったのに、術後、遂に力尽き、
       最大限のご努力をなさった執刀医の先生は涙を浮かべられつつ、
       父をなんとか蘇生させようと、電気ショック、心臓マッサージを始められ。

       どん! どん! と衝撃に跳ね上がる父の口から、鼻から。
       血液が溢れて来たのを観て、母と、もういい、ね、と決断をした――。



              先生、もう、いいです。。。。。。
              逝かせてやって下さい。
              先生、有難うございました。。。。


              残念です。。。。と俯かれた先生の涙。



       あの情景が、22年経っても、未だ忘れられない。


       父はどんなに無念だっただろうか。
       決断を下した母は、どんなに悲しかったことだろうか。


          互いに深く敬愛しあう私の父母は、私の理想の夫婦像だった。
          2人が喧嘩してるところなんて、見たこともなく。

          比翼の鳥、連理の枝とはこのことだろう、と思っていた――。


       抜け殻になったような母と、
       極度のファザコンで、同じく抜け殻だった私とを
       この世につなぎ止めてくれたのは、母乳を求めて泣く上の少年だった。



◆   ◆   ◆




       この日は、この日だけは、母と共にいたいと願い続け、
       やっと十数年ぶりに、14日の帰省が叶う。


       倖せなことに、夫の定休である木曜日と重なり、夫も共に行けることになり、
       下の少年も帰省してきており。
       上の少年も、この日に合わせて帰広して来る。

       4人揃って実家に行けるのも、いったい何年ぶりであることか。


       お盆にもかかわらず、祥月命日ということで、お坊さまもおいで下さるとの由にて、
       お経には上の少年は間に合わなかったが、
       母、弟、夫、下の少年、私の5人でお坊さまをお迎えする。

       私自身も大好きなこのお坊さまにお逢いするのは10年ぶり。
       ちっとも変わっていらっしゃらないことに驚く。

         良いお声で、聞きなれたお経に聴き入り、こころが落ち着いていくのを感じ。

            やはり私は、夫のイエの宗派には馴染めない、とこころから思う。


       お経が終わり、お坊さまが振り向かれ、
       改めて私たちを順々にご覧になって、下の少年に瞠目される。
       にっこりと、無敵の満面の笑顔になられると、

         「 大きくなられましたですねーーーーー?
           これは、弟さんの方でしょう? 」

       今度は私たちが瞠目する。
       ぅわーーーー ぅわーーーー 覚えてて下さってるんだーーーー!!

       広島時代、少年たちが乳幼児だった頃、
       月命日にお参り下さるお坊さまと何度かお逢いしていたけれど。


         「 おかあさん。 おにいちゃんに比べ、
           下の坊ちゃんがちっとも大きくならない、と心配されておいででしたが、
           全く心配されることなどありませんでしたですねーーー 」

       ぅわーーーー ぅわーーーー。


ひよこ   ひよこ   ひよこ




       下の少年も、お坊さまを覚えている、と言ったので、
       「 ほんまか? 」と、お坊さまは大変お喜びになられたご様子で、
       たくさんの時間を下の少年に向け、お説教をいただく^o^;☆


       なかでも強調されたのは、

       苦しいとき、辛いときは、自分の名前を思い出せ。 というもの。

       この世に生まれ出でたとき、
       両親はどんなに喜び、大切ないのちを尊び、寿ぎ、
       子の明るく幸せな未来を願い、祈って命名したか。

       道に迷うときは、己れの名前の由来、それに込めれられた親の祈りを受け取れ。

       「 名は体をあらわす 」という。

       名前はそのものの本質の姿を映し出しているものである。

       己れの名は己れだけのもの。
       何人、兄弟が在ろうが、両親が自分だけを見つめ、
       祈りと願いを込めて自分だけにつけてくれたもの。
     
       自分の名を大事にしよう。
       自分の名を大事にできなければ、どうして他人を大事にすることができようか。



ひよこ   ひよこ   ひよこ



           きちんと正座をしていた少年は、
           正面から自分に向けて投げかけられるお坊さまの言の葉に、
           逃げること叶わず、お得意の「 うざ~ 」とも言えず、
           時折もじもじしながらも、神妙に目を伏せ、頷いていた。


       私たちにもまた。
       なんと良いひとときをいただけたことか。


       己れの名前。 自分をとりまくご縁あるひとびとの名前。
       またそれらをとりまく、親たちの願い、祈り――。

       大きな大きなものに包まれて、今、私たちが生きて在る倖せ。




       これもまた、父のくれたご縁。


              結婚後、ずっとずっと。
              父が逝って尚更のこと、辛いばかりのお盆であったけれど、
              今後は、この日を思い出し、
              いつもこころ穏やかに、良きお盆を過ごそう>ぢぶん



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Last updated  2008.08.16 13:16:50
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