知的漫遊紀行

2016/03/17(木)09:53

「『万引き』冤罪気づけず、失った命 広島の中3自殺」16日朝日新聞

私:身に覚えのない「万引き」の非行歴を理由に私立高校への推薦を断られ、後に自殺した中学3年の男子生徒。 広島県府中町の町立府中緑ケ丘中学校であったことで、学校は3年時に万引きなどの触法行為があれば私学に推薦しないという基準をさらに厳しくし、入学以降の触法行為に広げた。 担任は生徒の1、2年時の触法行為の確認を指示されていたという。   A氏:始まりは、別の生徒の「万引き」を自殺した男子生徒の行為と誤って記録したことだったという。  2013年10月6日、広島市内のコンビニエンスストアから「1年の男子2人が万引きをした」と学校に連絡があり、店に出向いた教諭は7日に生徒指導担当の教諭に口頭で報告。 この教諭はパソコンに誤って自殺した男子生徒の名字を入力した。 聞き間違いか、誤入力だったかは定かでないという。   私:この自殺問題は、この間違った記録の問題と、「万引き」レベルまで記録に残しているというこの学校の生徒に対する指導姿勢も問題だね。 「ゼロトレランス」方針なのかね。 中学時代というのは大人のはじまりで、好奇心が旺盛で反抗心も強い。 つい「万引き」をしてしまうから、きめ細かい指導が必要だが、この学校はどう対応してきたのだろうか。 「万引き」をきちんと指導せず、記録だけ残し、内申書に反映させるというこの学校の教育姿勢が、記録の間違いを気付かせず、「万引き」をしていない生徒を自殺に追いやったといえる。 「万引き」記録主義と生徒の自殺問題とは同根だね。   A氏:生前、男子生徒は「どうせ言っても先生は聞いてくれない」と親に話していたという。 校長は「教員と生徒の心の交流が欠けていた。彼の悩みを聞き取ることができなかった」と話したという。   私:関西学院大の中村豊教授は、特段の配慮が求められる非行歴を担任が廊下の立ち話で確認するなど、学校の態勢がずさんだったことは否めず、一回でも悪いことをすればその子の芽を潰すようなやり方は、人権の観点からも問題だという。 生徒を信頼し、気持ちに寄り添いながら指導するカウンセリングマインドが希薄だったのではないかと指摘しているが、その通りだね。 そして、教授は部活動の指導や事務量の増加など「世界一忙しい」とされる日本の教員が、生徒と向き合う時間をより確保できるよう真剣に議論すべき時に来ているとも指摘している。  このケースの場合、そうだったか分からないがーーー。  ただ、一人の中3生徒の自殺で終わらせてはならないね。

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