知的漫遊紀行

2016/06/27(月)08:47

「農協正職員の3分の2が提訴 残業代3億円請求 岡山・JAつやま異例の事態」27朝日新聞・生活欄

私:岡山県北部にある、人口約10万人の津山市は、静かな地方都市だが、その農協で、多くの職員が未払いの残業代の支払いを求める訴訟を起こす異例の事態になっていると報じている。 正職員の3分の2にあたる200人超、求める残業代は約3億円にのぼるという。   A氏:報道によると、訴えたのは、津山市などを管轄する津山農業協同組合(JAつやま)の職員で、追加分も合わせると221人。 未払い残業代に加えて、労働基準法違反があったときに裁判所が支払いを命じる付加金も求めており、請求額全体は6億円近く、提訴は岡山地裁津山支部だが、金額が大きいため岡山地裁本庁で審理することになった。   私:4、5年前から農繁期を中心に休みがとれない状態が続いていて、残業が月に100時間を超えるケースや休日がゼロの月があり、何とかしなければならないと団体交渉をしてきたが、抜本的な改善がされていなかった。  2014年11月には、労働基準監督署がJAに対し、残業代を支払うよう是正勧告を出していて、JA側は一部の支払いに応じたが、翌15年3月に代理級職員を「管理監督者」に一方的に変更したという。   A氏:よくやる手だね。  高度成長期の初め、俺も経験していて、当時皆、残業が多く、これを企業側が残業代を抑制するため、基本給の約3割の管理職手当を考え出した。 まだやっているのだね。  まだ、この手を使っているとは、姑息だね。  俺のところは、当時は、労働基準監督署が強く、その指摘ですぐやめたがね。 課長以上だけが、残業代無しで、当然、組合員でもなかったね。 もっとも、課長になると基本給はぐっと増加し、ボーナスもいい。   私:労基法では「管理監督者」には残業代を支払う必要はないが、これまでの裁判や行政通達では(1)経営者に近い立場で働き方に裁量がある(2)十分な賃金をもらっている――などの条件が必要で、地位が高い管理職に限られ、原告の約1割が管理監督者扱いになっているが、代理級職員には課長代理も含まれ、とても管理監督者とはいえないようだ。   A氏:JA側の主張は労組と対立していて、22日、岡山地裁で開かれた第1回の口頭弁論で、JAは未払いの残業代はないとして、訴えの棄却を求めたという。   私:今後の裁判では、(1)「管理監督者」の範囲(2)タイムカードの記録が勤務実態と合っているか(3)残業命令があったか――などが争点になるとみられるという。   JA側にも最近流行のブラック化の発想があるようだね。

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