知的漫遊紀行

2018/05/29(火)20:32

「増える日本への移住 外国人の子育て支援急務」日本国際交流センター執行理事・毛受敏浩氏筆・29日朝日新聞・「私の視点」欄

私:日本に在住する外国人が2017年末で256万人となり、過去最高を記録。   日本に住む50人に1人が外国人ということになり、昨年1年間でみると、18万人増え、一方で、日本人は40万人減っている。   コンビニやファストフード店で接客する外国人は、今や珍しくなくなった。   今日の新聞の「列島をあるく」欄では、香川県坂出市の常勤介護職員の半数が外国人という社会福祉法人を取材をしている。   現在、この法人の全体の常勤介護職員100人のうち、53人が外国人。   A氏:介護分野の人手不足は深刻で、厚労省の推計では2025年に38万人不足するという。   特に地方は深刻で外国人なしでは立ちゆかず、来日した介護職員の奪い合いも起きているという。   私:外国人の急増は国内の人手不足や人口減少が、海外から労働者を引き寄せた結果と考えられる。   政府は新たな就労資格の創設を検討しており、6月の「骨太の方針」に盛り込むといい、今後、受け入れ拡大の議論が本格化するだろう。   同日の朝日新聞の「私の視点」欄では、毛受敏浩氏は、すでに在住する外国人への対応に視点を向けている。   すなわち、政府は、移民政策はとらないとの立場で、合法的に在留している外国人に対しても日本語教育や子どもの教育をどうすべきか方針が定まっておらず、外国人は、中途半端な状況に置かれている。   このため、在住外国人の間からは、日本での子育てや子どもに教育を受けさせることへの不安や不満の声が上がっている。   A氏:日本国際交流センターでは今年、当事者の声を社会に伝えるため、日韓両国に移住したアジア出身者同士の交流事業を始め、韓国を訪れた日本の移住者からは、韓国の状況をうらやむ声が聞かれた。    韓国の移民政策が国際的に高い評価を受けているのは「外国人雇用、韓国の光と影 単純労働、ニーズ高く待遇改善」のブログでふれている。   韓国では移民ブローカーもいない。    同様に、韓国への移住者に、韓国政府は外国人への統合政策として、無償で415時間の韓国語教育をしている。    子どもには、バイリンガル教育や技術教育など才能を伸ばすための取り組みもあり、韓国はまだ人口減少に直面していないが、移住者の能力を高めて、国の成長につなげるとともに優秀な外国人を呼び込む方針を明確にしている。   すでに外国人受け入れの法制度を整え、毎年300億円の予算措置が行われている。   私:人口減少が続く日本こそ、急増する定住外国人への本格的な支援体制が必要。   外国人観光客向けのインフラ整備などにあてる国際観光旅客税(出国税)の創設が決まったが、一過性の観光客向けよりはむしろ、定住化が進み、子どもを育てる外国人への対応こそ急ぐべきだと毛受氏はいう。   毛受氏が知る在住外国人の多くは「日本に貢献したい」「母国との橋渡し役を担いたい」と考えているが、現状のままでは社会から落ちこぼれる可能性もあり、日本は海外からみて移住先として魅力を感じられないという。   他国にひけをとらない外国人労働者の受け入れの枠組みとともに、安心して暮らせ、社会の一翼をしっかり担ってもらえるような制度構築が必要だと毛受氏は指摘する。   先進国トップの少子高齢化が急速に進み、すでに50人に1人は外国人だという実態となっており、特に地方の介護職員の人手不足が深刻なのに、移民政策は後手にまわっているようだね。

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