マラソン妨害は残念。オリンピック終わる。
男子マラソンでの妨害行為は実に残念だった。結局3位になったデリマ選手(ブラジル)にとっての敵は、アテネの暑さでも坂道でもなく観衆の中にいた。先頭を走る選手への妨害はオリンピック史上まれに見る愚行だった。残念としか言いようがないが、デリマ選手が笑顔でゴールしたこと、そして何より走ることをやめなかった彼の精神力に救われた。下らない行いが選手の今までの汗を無駄にする。選手は4年かけて準備するが、その努力を壊すのはたった数秒のことでしかない。今回妨害した人はかつてF1も妨害したというから、目を離すとまた同じようなことをするかもしれない。警備担当者は責任を問われるかもしれないが、マラソンコースは長い。警備には限界がある。そして日本で同様のことが起こらないとも限らない。過去実際に正月の箱根駅伝では観客が道に飛び出して選手とぶつかり、選手が転んだことがあった。幸いにしてこの時には順位の変化は無かったが、こうしたトラブルはどこの国でも起こる。勝負に「たられば」を持ち出す事は意味が無いと言われる。今回のことでは妨害がどうメダルの色に関係していたかは誰にもわからない。何を語ってもそれは想像にしかならない。確かに「たられば」の無意味さは多くの場合は当たっているのだが、今回は選手に責任が無い部分で起こったことだ。「真剣勝負を汚した」罪は重い。シンクロのチームでもロシアの演技で音楽が止まるミスがあった。ロシアの選手たちはこのことで集中を切らさずに再度すばらしい演技をした。競技運営のミスを乗り越えたロシアチームはやはり一流だった。日本のシンクロはペア、チーム両方とも銀メダルだった。私が日記で「鬼」と書いた井村コーチは勇退が決まった。もう悔いはないのだろうか?もうひとつ残念だったのはやはりドーピングだ。アテネでは何人もの選手がメダルを剥奪された。室伏選手も繰り上がりの金メダルでは素直に喜べないだろう。これもまた残念としか言いようがない。室伏選手には何も落ち度がないのに、この金メダルは将来口の悪い人から「あの金メダル」、「あのドーピング事件」と言われるかもしれない。何とも後味が悪い。ソフトボールの宇津木監督が勇退するそうだ。本人が決めたことなら仕方ないが、アメリカに負けたままで後悔はないのだろうか?まだ情熱があるのならばもう一度挑戦するという選択肢を残しておくことも必要だと考える。アテネに行くまでが大変だったテコンドーの岡本選手はあっけなく負けてしまった。しかしいくら負けても岡本選手はアテネに行くべきだった。結果に恥じることなく帰国して欲しい。マラソンで途中棄権したラドクリフ選手(イギリス)はその後の一万メートルにも出たが、またもや途中棄権という結果になった。記者会見で彼女は泣いていた。マラソンで棄権した時にも泣いていた。今は少し休んで、また走る気になったらマラソンに挑戦して欲しい。彼女は何と言っても世界記録保持者であるし、アテネでの結果がどうであろうと世界的ランナーであることには変わりない。今後に期待する。私は個人的には阿武教子選手(柔道78kg級)にMVPをあげたい。今までオリンピックには勝てなかったがよくぞ優勝した。何だか妙に嬉しかった。追記MVPについてだが、こんな記事を目にした。この選手もMVP候補だ。競泳女子200メートルバタフライで優勝、ポーランドに競泳初の金メダルを獲得したオティリア・イェジェイチャク(20)が、金メダルを競売にかける意向を19日までに明らかにした。その収益は白血病などの難病をかかえる子供たちの救済に役立てたいとしている。20歳の新星の心根の温かさに、関係者は大きな拍手を送っている。(サンスポドットコムから抜粋)*現在掲示板と日記コメントは閉鎖しています。悪しからず。