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カテゴリ:戦争
アメリカの社会問題を描きつつ医療とは何か?医師とは何か?
そんなことをいつも考えさせてくれる人気ドラマのERだが、 10シリーズの第二話「THE LOST」はここ数年で最高の出来だった。 コンゴ(旧ザイール)での医療ボランティアに出たクロアチア人のコバッチュ(ゴラン・ヴィシュニック)と、 同僚の「お坊ちゃん医師」であるカーター(ノア・ワイリー)。 彼らはいつもいるシカゴでは見ることの出来ないポリオ(小児麻痺)やマラリアが相手。 しかも設備が充分ではなく薬も足りない。もちろん暑くて不衛生。 第一話では二人を取り巻く状況がうまく説明されていた。 2人は首都のキンシャサからキサンガニ、更に遠くの場所へ行き多くの人を助けるが、 そこはゲリラ襲撃による危険がある場所だった。 医療スタッフと患者は緊急に撤退を迫られるが、 戦闘で足を切断された少女や重病人は動かすと死ぬかもしれない。 そこで重病患者とコバッチュが粗末な小屋に残ることになる。 カーターはシカゴに戻る。ここまでが第一話。 第二話になると「コバッチュ死亡」の連絡がシカゴのカウンティ総合病院に入る。 カーターは勝手に病院を飛び出して(しかも顕微鏡など多くの医療器具を勝手に病院から持ち出し)パリ行きの飛行機に向かう。 しかしキンシャサではコバッチュの情報は全く入らない。 せめて遺体だけでも引き取りたい。焦るカーター。 ドラマは同時進行でコバッチュのその後が描かれる。 重病患者を診ていた彼だがゲリラの来襲に備えて避難する。 足を切断した少女を抱きかかえて逃げた彼だったが、コバッチュ自身もマラリアに罹ってしまう。 そして彼らは武装したゲリラに捕らえられてしまう。 少女の母親はゲリラにレイプされる。 一人ずつ銃で殺されるシーンは今までのERにはない凄まじさがあった。 コバッチュは言う。 「神がこんなことを許すはずがない」 コバッチュは祖国クロアチア内戦で家族を失うという悲しい過去があるが、 それでも神は彼にとっては大切なものだった。 マラリアによる熱で白くなった顔。 震える手で神に祈るコバッチュ。 彼が殺される順番がきた。 ゲリラは彼が祈るのを見てコバッチュのことを神父だと勘違いする。 彼の首にあった十字架のネックレスは足を切断した少女の母親が感謝してくれたものだった。 彼女は叫ぶ。「彼は神の人だ!」 ゲリラも神父は殺せなかった。 コバッチュはこうして助かる。 赤十字のスタッフと共に彼を探しに来たカーターによって彼は発見される。 私はキリスト教的世界観が好きではない。 しかしこの放送(2005年4月4日)がローマ法王死去のニュースと同時期であったことを、 私は偶然とは思えない。 今回のエピソードはここ数年でも最高の出来だった。 面白いのはメインキャストのカーターが久しぶりにお坊ちゃん振りを見せたことだ。 彼はアメリカ大使館の人からアドバイスを受け、コバッチュを助けるためにキャッシュカードで2万ドルを引き出す。 カーターは何かを見つけるためにコンゴに来た。 第二話のタイトルは「THE LOST」だ。 しかしカーターはコンゴに残ることにした。 コンゴで彼は失わなかった。彼はコンゴで得た。大事なものを。 ***現在掲示板と日記コメントは閉鎖しています。悪しからず。 意見があればメッセージでどうぞ。メッセージは必ず読んでいます。 トラックバックも受け付けています。ただし殺人を正当化しない人に限ります。削除もあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.04.18 18:17:26
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