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りゅうちゃんミストラル

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2006.07.22
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カテゴリ:社会問題
「天使の代理人」を読んだ。
著者は「嫌われ松子の一生」で有名になった山田宗樹。
(この記事はネタばれあり。注意!)

天使の代理人(上)  天使の代理人(下)

この小説のテーマは人工妊娠中絶。あまりに暗くて重い。
内容を知らないで読み始めた読者はその暗さに引いてしまうだろう。
私は人工妊娠中絶については否定的な考え方をしている。
「人工妊娠中絶は殺人」というのが私の基本的な考え方。
つい最近もこんな記事を書いたばかり。

人工妊娠中絶の是非

物事には原則と例外がある。
今の日本では、「経済的な理由」とか「母体が危険な場合」でなければ中絶はできない。
しかも妊娠後期の中絶は法律上できないことになっている。

しかしこの小説では、例外ばかりが以上に拡大解釈された現状を描写している。
望んだのが男の子だからという理由で中絶を決める女性。
経営が傾いた産婦人科が中絶を数多くこなすことで立て直す話。
そして何より「胎児は人ではなく物」という一部の考え方。
陣痛促進剤を大量投与して中絶を「死産」として処理する医師までいる。
妊娠後期の中絶は掻爬ができないためだ。
最大の驚きは中絶する人(患者とは書きたくない)の取り違え。
これが4パーセントもいるという。

20年間中絶に手を貸してきた助産師が、この小説にはでてくる。
自分の行動がどこか間違っているのではないかという疑問。
その疑問が頂点に達した時、彼女は勤務していた産婦人科を出る。
そして今までの体験を世に知らせるため書くことになる。
今まで自分の手で殺していった子どもたちへの罪ほろぼしのために。
彼女の訴えは切実だ。そしてどこか私の考えと似ている。
彼女がテレビで訴える部分では、不覚にも涙が出てきた。
話の中でネットを使った中絶是非論が展開する。これも時代なのだろう。
賛成派と反対派が意見を戦わせるのは日本では珍しいことかもしれない。
日本人は専門家かテレビでもなければこうした議論はしないものだから。

この小説はもちろんフィクション。
しかしその内容のわずか一部でも本当なら、それは恐ろしいこと。
何かが狂っているとしか考えられない。

だが現実は現実として見なければなるまい。
人が一人殺されると殺人事件として騒がれる。
もちろん騒がれずに忘れられる事件もある。

だが人工妊娠中絶はどうか?
年間で30万件以上もの中絶があるといわれる現代の日本。
病気や母体の危険など例外はある。
だからすべての中絶が間違っているわけではない。
しかし30万件ある中絶がすべてそうなのか?
この小説ではその点を否定している。
半数以上が中絶を目的にやってくる産婦人科もあるそうだ。
医師は人の命を助けるために存在する。
そう思っていた、信じていた私としてはこれに驚かないわけがない。

しかもこの30万件というのは表に出た数字だ。
実際、胎児を「闇から闇へ」葬ることが行われている。
だから統計上の数字ですら信じられない「現代の大虐殺」は、日夜行われている。
確実に。しかも医師の手で。

今妊娠中の方は刺激が強すぎるので除いて、それ以外の人。
すべての人に読んでほしい小説だ。
妊娠しないからといって男でも関係ない。
妊娠は男が関係している以上、無関心ではいられない。
これから子供がほしいと思ってい人。
妊娠なんてまだ遠いことと思っている人。
読んでおいて損はない。

今、中絶を考えている人。
中絶の理由は私にはわからない。
それぞれいろんな理由があるだろう。
しかしその子に罪はない。
もしあなたがその子なら、生まれずに処理されること。
それをどう感じるのか?

中絶は母体も危険がある。
それでも私は思う。
中絶で一番の被害者は胎児ではないか?

今好きな人がいる方。
ちゃんと避妊している?
後で困らないように避妊はしっかりしよう。
そしてこの小説を読もう。
読んで少しこのテーマについて考えてみてほしい。
誰も苦しまないように。


※最後に、この小説を紹介してくれた方に感謝する。
ありがとうございました。
しばらくはこの本を忘れることができないでしょう。



***********************
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最終更新日  2006.07.22 13:31:11
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