2009/01/11(日)15:29
"荒ぶる"早稲田、ラグビー大学日本一
ラグビーの大学選手権決勝が10日に国立競技場で行われた。
対抗戦で負けた早稲田が帝京にリベンジ。
20-10で優勝した。
大学選手権 決勝 試合結果(早稲田ラグビー部公式HP)
全国大学ラグビー:帝京大、数的不利で自慢のFW機能せず(毎日新聞)
ここ数年、毎年決勝に残ってきた早稲田。
しかし、今シーズンは違った。
対抗戦の連勝記録が帝京戦で途切れ、早明戦でも負けた。
大学選手権に出られない明治相手に負けたのは何故か?
どこかに慢心があったからだ。
主将の豊田も結果が出ないチームに悩んで、中竹監督に相談したという。
中竹はチームの自主性を重んじる監督だ。
結局、「主将らしくない主将でいい」と言ったという。
監督自身にカリスマがないことは本人が一番よく知っている。
伝統ある早稲田ラグビーでは、そうした考え方に批判もあるだろう。
結果が出なければなおさらのことだ。
「カリスマのない監督」「主将らしくない主将」
それがこの日の勝利に結びついたのか。
大学選手権ではライバルの関東学院大。
そしてリーグ戦グループ優勝の東海大を破って決勝まで残った。
昨シーズンは大麻問題で部が大揺れとなり、監督も辞任した関東学院。
そして、近年力をつけてきた東海大。
早稲田が早明戦の負けを引きずるようであれば。
このどちらかに負けていたのかもしれない。
対抗戦で早稲田が帝京に負けたのは、フォワードの差にあった。
留学生二人を擁する帝京は前8人の基礎的な力と守備力が強化された。
決勝でも何度かゴールライン寸前でその守備力が発揮されていた。
それだけに1プレーヤーとしての豊田の2トライは見事。
帝京としては、岩出監督も認めているように2回のシンビンが痛い。
逆に前半は早稲田のフッカーがシンビンで欠けていた時間帯があった。
この時にリードできていれば、試合展開は違ったものになっていただろう。
特に後半は帝京のフランカー陣がシンビンと故障で欠けた。
「ラグビーにとってのフランカーがいかに大切か」
それを示した試合にもなった。
スクラムサイドの攻守は、フランカーが握っている。
ボールを持った際の機動力。
守備では相手のHB陣と第3列の機動力を封じることも必要になる。
だが、今シーズンの大学ラグビー界を面白くしたのは関東では帝京。
西では関西学院大だった。
そのことについては誰も否定しないだろう。
いつも決まった大学ばかりが勝つのではラグビー界も活性化しない。
岩出監督が強化した帝京。
来シーズンもラグビーファンを楽しませてくれるに違いない。
(まだ日本選手権があるのに来年の話をして申し訳ないが)
国立競技場に響いた「荒ぶる」。
早稲田ラグビー部では不文律がある。
部歌のうち、「北風」はいつでも歌える。
しかし「荒ぶる」は大学選手権に優勝したときしか歌えない。
荒ぶる吹雪の 逆巻く中に
球蹴る我等は 銀塊砕く
早稲田のラグビーは 斯界になびき
いざゆけ我らが ラグビー早稲田
ララ早稲田 ララ早稲田
ララララ早稲田
(Wikipedia 「早稲田大学ラグビー蹴球部」より引用)
帝京と共に、日本選手権に出場する早稲田。
決勝での試合内容を見ると、トップリーグ相手に通用するとは思えない。
ミスが多すぎるし突破力がまったく違う。
どこまで大学チームが自分たちのラグビーをするか。
それが楽しみではある。
挑戦者として思い切りトップリーグ勢にぶつかってほしい。
いくつか決勝に苦言を。
両チーム共に必要のないラフプレーになりかけた場面があった。
ラグビーは喧嘩ではない。
激しさを出すのであれば、プレーだけにすべきだ。
「ラグビーにトーナメントはなじまない」
それを再認識した試合でもあった。
帝京は芝生に突っ伏する前に。
早稲田は喜ぶ前に相手選手と握手すべきではなかったか?
バナーにクリック願います。
***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。
その場合リンクは必要とはしません。
意見があればメッセージでどうぞ。
ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。
今のところメッセージは全て読んでいます。