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りゅうちゃんミストラル

2009.01.13
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カテゴリ:読書
東野圭吾の白夜行をやっと読み終えた。
(この記事ネタばれあり)

     

前に読んだ「天空の蜂」も文庫本でありながら600ページ以上の厚さ。
だが、「白夜行」は800ページ以上もあった。
こんな厚い文庫本は私の記憶にない。

「ダークな世界」を描いたこの作品は、どこまでいっても暗い。
殺人や暴行があるため、救いのない部分について読むのが辛くなる。
探偵の今枝、名古屋で殺された西口奈美江についても闇から闇へと葬られる。
友彦がつき合っていた中年の女性が心臓麻痺で死亡した際。
亮司がそれをどうやって隠したか。あまりに異常だ。
読んでいて背中に冷たいものを感じた。
人が本能的に怖がる妖怪や幽霊よりも、人のほうが怖いかもしれない。

他人を自分の思うようにコントロールする。
それはチェスの世界で言われる「ツークツワンク」を思い出す。

ツークツワンク - Wikipedia

知らないうちに、人は誰かに操られているのかもしれない。
例えば派遣社員の三沢千都留。
彼女は実家の北海道に発つ前、品川のホテルに泊まる。
雪穂との結婚を控えながら千都留への想いを断ち切れない高宮誠。
千都留を追うべく品川へ向かうが、彼女は別のホテルに泊まる。
刑事だという男に説得されて。
もし彼女が高宮と結婚式前に出会うことができたら。
二人の人生は大きく違っていただろう。
もちろん、高宮の会社から企業機密が盗まれることもなかった。

チェスと同じく、人生は「パス」ができない。
自分の選択が状況を悪化させるとしても。
多くの人は「自分の人生を自分で選択している」と考える。
だがそれは思い過ごしかもしれない。
亮司と雪穂の思惑が、自分の行動を決めていないと誰が断言できるか?

ミステリーとしての面白さはもちろんある。
だがそれ以上にクロニクル(年代記)と言うこともできる。
中東戦争によるオイルショック。
阪神の優勝や日航ジャンボ機墜落事故などが、あちこちにちりばめられている。
20年近い日本の現代史がここにある。

文庫本の解説は馳星周。
彼が書いているように、亮司と雪穂の内面を書かない表現が生きている。
書かないことで、読者に考えさせる。
そして怖さを強調する狙いがあるに違いない。
多くの読者は東野の策略にまんまと嵌ってしまった。

亮司と雪穂にとって、生きている意味とは何なのだろう?
何をどうしたら彼らは救われたのか?
それを考えると、今夜は眠れなくなりそうだ。

なお、この作品は2006年にTBSでドラマ化された。
出演は山田孝之、綾瀬はるか、柏原崇。
私は先にドラマを見ると、その作品については本を読まないことにしている。

次に読むのは「幻夜」になるだろう。
今まで東野圭吾は「トキオ」(後に「時生」と改題)。
そして「ガリレオ」シリーズしか読んでいなかった。

だが、「後で初期の作品を読む」ことに後悔はない。
それはそれで面白いものだからだ。

***********************
関連記事

「白夜行」東野圭吾

↑この小説に関するブログ記事。
今回の記事を書くにあたり参考にさせていただいた。

コメント欄に宮部みゆきの「火車」に似ているとの指摘があった。
私も「白夜行」を読んでいる際、「火車」を思い出していた。


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最終更新日  2009.01.13 20:26:31
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