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2010.04.17
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カテゴリ:読書
「荒ぶるをつかめ! 早稲田ラグビー主将たちの苦闘」を読んだ。

      

名門早稲田大学ラグビー部
常に勝つことが求められる集団にあって、主将として集団を引っ張る男たち。

この本では左京泰明、山下大悟、大田尾竜彦、諸岡省吾、佐々木隆道、
東条雄介、権丈太郎、豊田将万の歴代主将8人にスポットを当てた。

「荒ぶる」というのは早稲田ラグビー部の部歌。
この部には「北風」という部歌もあるが、「荒ぶる」には特別な意味がある。
それは、大学日本一になった時にしか歌えないという不文律。
部員が4年生の時、大学選手権で優勝できれば結婚式でも歌ってもらえる。

「接近」「展開」「連続」で伝統のある早稲田。
多くの日本代表選手も出してきた。
だがこの本の冒頭部分を読めばわかるが凋落が激しかった。
対抗戦で優勝できないばかりか中堅校に負ける。
大学選手権でも1月2日の準決勝まで進めない。
シーズンが年内で終了してしまうのは早稲田にとって恥。
少なくとも清宮克幸が監督に就任する01年までこの傾向は止まらなかった。

清宮が監督を引き受けた際、部員たちのスキルのなさに驚いたという。
基本的なパスやキックが満足にできない。
「伝統の縮小再生産」と揶揄されたこともあった。

だが早稲田は復活した。
惨敗が当たり前のように実力差がついてしまったライバルの関東学院。
大学選手権で勝てるようになった。

ジャージや練習着を契約による提供で得た。
東伏見から上井草にグラウンドを移し、環境を整えた。
だが環境だけで勝てるほどラグビーは甘くない。
「勝つためのロードマップ」を清宮が示せたことは大きい。

興味深かったのは主将の受け継ぎ。
誰が次の代で主将となるのか。
次年度の主将は前のシーズン、試合の結果を受け継ぐ。
関東学院に勝ったのか負けたのか。
前の主将からどういった言葉をかけられたのか。
グラウンドで見えない部分を面白い人間ドラマとして読める。

06年から清宮の後任監督は中竹竜二

自ら認める「カリスマのない男」中竹は、常勝集団に混乱をもたらした。
選手たちに最短で勝つ方向を示せる清宮と違い、選手の自主性を重んじた。
中竹は苦しんだろう。何しろ清宮の後任なのだから。
それでも結果を出した中竹。ただ者ではなかった。

清宮監督の時代、ミーティングに出られるのはA、Bチームのメンバーのみ。
そのことが100人を超える大集団に溝を作ったこともあった。
実際、多くの部員は早稲田の赤黒ジャージを着ることなく卒業する。
それでも最後まで部員たちは赤黒を着るために努力する。
それがどんなに小さな可能性であっても。

「キャプテンはなぜ、CやDチームの試合を見ないのか?」

そういった不平不満も出た。

勝つためには少数精鋭にならざるを得ない部分がある。
しかし部員がそのことで不満を持つのも当たり前。
強豪といわれる部は、ラグビーに関係なくこの問題と直面しているはず。

そして今、監督はSHだった辻高志に受け継がれた。
この本では中竹の代までしか描かれていない。

もうひとつ、気になったのが「ネセサリー・ロス」という言葉。
「後の勝利のために必要な負け」という意味だ。
ラグビーだけでなく、「ネセサリー・ロス」が必要な場合は多くある。
覚えておいて損はない。

今後、大学ラグビーはどう進むのか?
中堅校だった帝京は実力をつけた。常に優勝争いできる組織に成長。
またリーグ戦は不祥事から立ち直りを見せる関東学院。
そして、日本代表選手を出すようになった東海大が優勝を狙う。

少し残念だったのは、この本が後半急いでいたこと。
大学選手権の結果が2行ほどで終わるのは物足りない。
また、関東学院などに取材すればもっと奥行きが深くなっただろう。

私にとって早稲田ラグビー部の監督といえば大西鐡之祐
早稲田はもちろん、日本代表監督にもなった。
サインプレーの「カンペイ」は彼の時代に発案されたものだ。

前にNHKで見た番組で、清宮が大西の自宅に行く場面があった。
そこで見たのは「ラグビーを科学する」大西の記録。
パスについて解析したノートを見て、清宮は驚いていた。
「まだできることがたくさんある」ということを痛感したそうだ。
海外の強豪にダイレクトフッキングやカンペイで対抗した大西。
いつの日にか清宮も日本代表の監督となるに違いない。

監督が大西なら、主将で思い出すのは永田隆憲。
プロップとして早稲田の日本選手権優勝を支えた。
大学のチームが日本選手権に勝つのはこの年が最後。
地元九州電力に進んだが、日本代表のFWコーチとして迎えられる。

永田が卒業したチームは苦戦した。
長く明治の監督として早稲田のライバルだった北島忠治
彼は永田のいないチームを見て「やっぱりラグビーはプロップだ」と言った。

最後にPR。
今、全早慶明が行われている。

早稲田の次の試合は18日午後2時から全明大と。
場所は秩父宮ラグビー場。
メンバーも以下のように発表されている。

全早明戦出場メンバー(早稲田ラグビー部公式HP)

全早慶明はOBを加えた混成チームで、「継承」が見られる。
春のラグビーを見るのも面白い。

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関連記事

本:『荒ぶるをつかめ! 早稲田ラグビー主将たちの苦闘』 林健太郎

『荒ぶるをつかめ!早稲田ラグビー主将たちの苦闘』

『荒ぶるをつかめ!早稲田ラグビー主将たちの苦闘』(林健太郎)

「荒ぶるをつかめ!」読了

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最終更新日  2010.04.17 11:50:14
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