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りゅうちゃんミストラル

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2010.04.29
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カテゴリ:読書
この本の内容は深くて今でも消化し切れていない。
消化できている部分だけでもこの本の内容は賞賛に値する。

     

カール・セーガン博士は天文学者。

だが彼の主張は天文だけではない。
生物学、環境、政治、宗教などあらゆる分野にわたる。

この本は、96年に亡くなったセーガン博士の遺作。
この世に残した人類への宿題と言っていい。
しかもその内容は私のような文系の人間でも理解できるよう書かれている。

本書はまず、数字から始まる。
ミリオン(百万)、ビリオン(10億)、トリリオン(一兆)。
英語だとイメージがわかない。

だがメガ、ギガ、テラという単位はネットで見かけたことがあるだろう。
写真の記録メディアで使われるようになった。
テラはブログでの映像記憶で1テラのものがある。

第2章「チェスを発明したペルシア人」
チェス盤を用いた指数関数で麦の計算は有名な話。
ただ麦だけではなく原子力の分野でも指数関数が出てくる。
半減期の問題だ。
「原子力の平和的利用」という原発は放射性廃棄物を出す。
廃棄物は長い間放射線を出す。
麦が増えるのと逆に、放射性廃棄物の半減期は重要な問題だ。
(この本でもセーガン博士は原子力発電に対し、疑問を投げかけている)

第3章「月曜の夜の狩人たち」
ここで言う「月曜の夜」というのはアメリカンフットボールのこと。
(以下アメフトと略す)
アメフトは秋になるとシーズンが始まる。
金曜、土曜、日曜と高校、大学、プロが試合をする。
月曜の夜は「マンデーナイト」と呼ばれ、プロの注目される試合を行う。
この試合は全米に中継される。

スポーツが祭りであり、狩猟と関係していること。
これは多くの人が認めている。
日本でも岡野俊一郎氏が著作でそう述べている。

第5章「宇宙の四つの謎」
セーガン博士は以下の謎を挙げている。

1、火星にはかつて生命があったのか?
2、タイタンは生命起源の実験台か?
3、どこかに知的生命体はいるか?
4、宇宙の起源と運命は何か?


どれも大きな謎だ。
だがその後に書かれた一文は興味深い。

「最もすばらしい発見は我々の無知ゆえに予見すらできない事柄であろう」

第8章からは環境問題を取り上げている。
フロントオゾンの関係。
地球温暖化にどう対応するか。

第12章では温室効果ガスについて語っている。
セーガン博士は原発について放射性廃棄物の観点から危惧する。
前にもあったように、半減期が数百年から数千年ある放射性物質。
原子力は安全基準違反や組織的隠蔽があった。
そのため「信頼性というものは感じられない」としている。

私もこの点に関して同感だ。
原子力関係者は今まであまりに嘘をつきすぎた。

ところでこの原発と放射性廃棄物の問題は今に通じている。
アメリカはオバマ政権が原発を復活させようとしている。
その反面、ネバダ州のユッカマウンテン核廃棄物処分場計画を止めた。
この件に関しては以下の記事に書いた。

米露、新核軍縮条約

セーガン博士はこの現状をどう見るだろう?
「核なき世界」でノーベル平和賞を受賞したオバマ。
原発を増設し、行き場のない放射性廃棄物をどこに捨てるつもりか。

この本、環境の部分は「不都合な真実」に。
格差については「世界がもし100人の村だったら」と通じる。

13章の「宗教と科学」はとても興味深い。
ここでは「100家族の村」として以下のような記述がある。

・65の家族は読み書きができず。
・90の家族は英語を話せず。
・70の家族には飲料水が引かれていない。
・80の家族では誰も飛行機に乗ったことがない。
・7家族が土地の60%を所有し、エネルギーの80%を消費。
・60家族が10%の土地に押し込められ。
・大学教育を受けたメンバーがいるのはたったひと家族だけ。


この世は不公平にできている。
そして先進国側から見れば当たり前のことも、実は恵まれているとわかる。
宗教は伝説と科学的事実を分けて考えなければ、未来がない。
私は以前からそう考えていた。
そしてセーガン博士は宗教と科学の協力が必要だと主張した。

14章「共通の敵」
この章は米ソの対立から脱却し、「共通の敵」に立ち向かう意味について。
病気や環境、そして核軍縮など、人類への宿題は多い。
国と国とが戦争している場合ではない。

この部分は雑誌「アガニョーク」に掲載されたもの。
セーガン博士は検閲を嫌ったが、結局検閲されることになった。
巻末のその部分一覧が出ている。

残念なことに、楽天特有の字数制限が近い。
注目すべき15章「妊娠中絶」以降については次の記事に続く。

「百億の星と千億の生命」その2

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カール・セーガン著『百億の星と千億の生命』

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最終更新日  2010.04.29 16:24:47
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