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2010.06.07
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テーマ:お勧めの本(7211)
カテゴリ:読書
NHK教育テレビで放送されている「ハーバード白熱教室」。
ハーバード大学、マイケル・サンデル教授の講義を放送している。

   

私はこの放送を見ていない。
だが今日、この講義の本を手に取った。

第1回、4月4日放送は「殺人に正義はあるか」。
二つのケースをどう考えるか。
とても興味深い。

NHKのHPから、その内容を紹介する。

Lecture1 犠牲になる命を選べるか

あなたは時速100kmのスピードで走っている車を運転しているが、ブレーキが壊れていることに気付きました。前方には5人の人がいて、このまま直進すれば間違いなく5人とも亡くなります。横道にそれれば1人の労働者を巻き添えにするだけですむ。あなたならどうしますか?サンデル教授は、架空のシナリオをもとにしたこの質問で授業を始める。大半の学生は5人を救うために1人を殺すことを選ぶ。

Lecture2

サバイバルのための殺人 サンデル教授は、19世紀の有名な訴訟事件「ヨットのミニョネット号の遭難事件」から授業を始める。それは、19日間、海上を遭難の後、船長が、乗客が生き残ることができるように、一番弱い給仕の少年を殺害し、その人肉を食べて生存した事件だった。君たちが陪審員だと想像して欲しい。彼らがしたことは道徳的に許容できると考えるだろうか?

ここで大事なことは、「どう考えるか」ということ。
はっきりした答えを出すことも需要だが、考えるというプロセスも重要。

そして、「何が正しいということは白黒つけにくい」ということ。
人は多くの場合、「正しいのはこれ」とすぐに答えを求めたがる。
ところが、すぐに出る答は間違っていることも多い。
しかも人というのはすぐに出した答えを頑固にも変えようとはしないものだ。

Lecture1で思い出すのは三浦綾子の小説「塩狩峠」。
サンデル教授がこの小説を読んでいるのか気になった。

もうひとつは西村寿行の小説「血(ルジラ)の翳り」。
国家が「犯罪を犯すDNAを持った人を抹殺する」というもの。

将来、犯罪被害者が5人いたとすれば、それは国家的な損失。
それを防ぐために国家が殺人許可を出すという内容。
これも、サンデル教授は読んでいないだろう。

Lecture2で思い出すのは「ひかりごけ事件」。
各国に同じような話はあるのだろう。
日本の場合は死体損壊罪という刑事罰以上に、精神的なダメージがあった。

カルネアデスの板と同様、これも各国で同じような話があるに違いない。

皮肉なのは、サンデル教授のような講義があるアメリカ。
なのにブッシュが大統領になってしまうこと。

911テロ後、ブッシュはアメリカ軍が十字軍であるという趣旨の発言をした。
「何が正義か」ということの難しさ。
それを示したのがサンデル教授なら、その国の大統領がブッシュだったという事実。
アメリカという国はとても興味深い。

最初にも書いたように、この講義は書籍化された。
私は一部しか読んでいないが、内容はとても興味深いものだった。

例えば過去に対する謝罪について。
サンデル教授は日本の慰安婦問題についても知っていた。
これは驚きに値する。

私が注目したのは、その場にいなかった者の責任について。
私が思うに戦争責任は戦後生まれた日本国民が背負うべきではない。
なぜなら、私も含めてそうした人たちはその場にいなかったからだ。
行為無き物が、責任を取れるわけがない。
サンデル教授もこの点を指摘している。

私は20年ほど前にはすでにこの点を指摘していた。
だが、その考えを理解し肯定する人は私の近くにはいなかった。
20年後に、しかもアメリカの大学教授がその人だったとは。

ただし、過去の歴史が先祖を批判するものであったとしても。
歴史を否定することは間違っている。
これな、前に述べた「行為無き物が、責任を取れるわけがない」ということと矛盾しない。

最近、「太平洋戦争は日本の自衛戦争だった」という主張をよく見かけるようになった。
いくら戦争責任を負う立場にないとはいえ、過去の歴史を否定はできない。

もうひとつ忘れられないのは妊娠中絶の問題。
アメリカでは連邦最高裁判事の任命にも、この問題が深く関わっている。

もし胎児が人であるなら。
その生殺与奪権を親が持つというのは殺人許可書に等しい。
だからこそ、「中絶は女性の権利」という考えは多くの人に支持されない。

この本、立ち読みで一節ずつ読んで考えるにはいいかもしれない。
図書館で探し、予約が多いなら、そうしたことも考えよう。
本屋にとっては迷惑なことかもしれないが。

追記

日本でも人を殺す仕事というものが存在している。
この件については以下の記事で書いた。

人を殺す仕事とイラク自衛隊派遣

死刑執行する刑務官。
そして警察官は仕事として人を殺すことがある。
まさしく「殺人に正義はあるか」ということ。

※例によって、楽天特有の字数制限でこれ以上書けない。
別の記事にこの件の続きを書くかどうか。
それを今考えている。

***********************
関連記事

ハーバード大マイケル・サンデル教授の政治哲学授業が超絶おもしろかった件  

自分なりの道徳理論を確立する

↑「殺人に正義はあるか」について書かれた詳しいブログ記事。

「ハーバード白熱教室」 第1回 殺人に正義はあるか(1)

「ハーバード白熱教室」 第1回 殺人に正義はあるか(2)

↑この二つもかなり詳しくこの講義について書いている。
参考にさせていただいた。

前から何回も書いているが、ネットはこうした意見がすぐ読めるのが大きなメリット。
時に「便所の落書き」と揶揄されるネットだが、存在する意味は大きい。

正義を基礎づける――マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』を読む1

↑番組ではなく、書籍について書かれたブログ記事。
今後参考にさせていただく予定。

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最終更新日  2010.06.07 19:56:42
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