2010/08/22(日)11:00
海保の常識、世間の非常識
香川県で起きた海上保安庁のヘリ墜落事故。
この件で第6管区海上保安本部の本部長、林敏博の会見が見苦しい。
海保ヘリのデモ飛行、6管本部長が「非公開」を陳謝(読売新聞)
この件については、すでに以下の記事で書いた。
海上保安庁のヘリ墜落
海保ヘリ事故で隠蔽
当初、墜落したヘリの飛行目的はパトロールだった。
ところがその後、司法修習生向けのデモ飛行だったことを隠していた。
デモ飛行が悪いわけではない。
ただ、今回の事故は乗務員5人が亡くなった。
それを考えれば情報公開は隠さず正確にすべきだった。
読売は社説でも以下のように海保を批判している。
海保ヘリ墜落 原因究明を阻む悪質な隠蔽だ(8月22日付・読売社説)
22日読売朝刊の最終面では、会見でのすごいコメントが目白押し。
「情報はきちんと出すべきだったが、隠蔽ではない」
「世間の常識と海保の常識は違う部分があるのかもしれない」
(上記太字部分は読売の記事から引用)
これが職員1100人を超す組織のトップ。
本部長は何を守っているのだろうか?
私には、彼が海の安全以外のものを守っているとしか解釈できない。
ヘリのデモ飛行について公表しないと決めた18日の幹部による協議。
これについても「そんな協議はしていない」と語った。
記者が「これまでの説明と違う」と詰め寄る。
すると別の幹部職員が会見をストップ。
林本部長らが別室で話し合い、「協議はあった」と前言を翻す。
あったものがなくなる。
なるほど、海保の常識は世間の非常識だ。
隠蔽か否かについても21日午前の会見で中村清本部次長はこう言った。
「組織的な隠蔽ととられても仕方ない」
(太字部分、読売朝刊から引用)
だが本部長は「隠蔽ではない」と否定。
組織のトップになると、黒いカラスも白くなるらしい。
この組織大丈夫か?
もし、あなたの息子が海の安全をも守りたいと海保を志望したら。
すぐにやめさせたほうがいい。
なぜなら、海保は命を懸けるに値しない組織だから。
世間の常識が通用しない組織だから。
組織は怖い。特に大きな組織はなお怖い。
亡くなった乗務員たちが哀れだ
追記
この報道、毎日だと違っている。
香川沖・海保ヘリ墜落:6管本部長が謝罪 デモ飛行隠ぺい、「組織的」は否定(毎日新聞)
この報道だと本部長は会見でこう発言している。
「組織的隠ぺいとの疑義を持たれるのはやむを得ない。申し訳ない」
(太字部分、上の毎日の記事から引用)
本部長含む幹部たちが協議して情報公開しなかった。
これは組織的隠蔽と言うよりない。
前原国土交通相もこの隠蔽を重く見ている。
少なくとも本部長の更迭は免れない。
海保ヘリ墜落:「厳正に処分」…事故対応で前原国交相(毎日新聞)
だが本部長の首などこの際どうでもいい。
5人の乗務員の命に比べれば。
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