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カテゴリ:読書
「アリアドネの弾丸」を読み終わった。
(この記事はネタばれあり)
「バチスタ」シリーズの最新刊。 「行灯」こと田口と厚労省の「火喰い鳥」白鳥コンビ。 大学病院内で起きた殺人事件に挑む。 正直に書く。 肝心の殺人事件が起きるまで200ページ以上かかっている。 作者が主張したがっているAiも大切だろうが、前置きが長すぎ。 そして多くのことをひとつの作品に詰め込みすぎ。 「医学のたまご」で東城大学付属病院のその後。 そして高階病院長の出世ぶりは描かれている。 すると、多くの読者はこの事件で高階が失脚しないことを知っている。 ならば、作者は結果ではなく「経過」を描かないといけない。 これは作家として表現力が求められる。 専門知識だけではなく、作家としての表現を海堂は持っているのか。 この点についてはいささか疑問がある。 間違ったDNA鑑定が冤罪を生み出した「松崎事件」。 これはもちろん、実際にあった足利事件がモデルになっている。 足利事件では、冤罪が明らかでも元検事は謝罪を拒否した。 足利事件、元検事謝罪拒否 また、大阪地検特捜部による証拠改ざん事件もあった。 警察が無実の人間を陥れることは実際にある。 事実が先に進んでしまうと、この小説が「絵空事」にならない。 訴状便宜主義についても海堂は訴えている。 日本では、起訴された場合、一審での有罪率が99.9%。 この異常な数字については以下の記事にも書いた。 有罪率99.9% 銃弾が事件解決の鍵を握ることは最初から想像できた。 白鳥が硝煙反応と線条痕にどんな説明をするのか。 私にとって予想外だった。 被害者の命を奪った弾丸がパチンコから発射されていたなら。 銃の場合とは違い、熱と火薬で差が出るに違いない。 解剖の際、その点は気がつかないものだろうか。 被害者の目に弾丸が入ったなら。 その周りは火薬と火傷が残るはず。 この点が大きな疑問として残った。 それにしてもひとつの殺人事件がなければ。 もうひとつの事件が闇に葬られるところだった。 この世には表に出ない事件がたくさんある。 それはとても怖いこと。 「ナイチンゲールの沈黙」に出てくる城崎。 そして病気で目を失った少年、牧村瑞人。 「マドンナ・ヴェルデ」のみどりも出てくる。 「イノセント・ゲリラの祝祭」からは彦根新吾も桧山シオンと参加。 会議の場面には飽きた。 活躍ぶりのみなら「極北クレイマー」で再登場の世良も出る。 「お嬢」桜宮小百合の陰謀もこれから。 白鳥や田口との対決も今後見られるのだろう。 さすがに「アリアドネの弾丸」からこのシリーズを始める読者は少数派。 読む順番は別にして、かなりの読者が多くの海堂作品を読んでいる。 私も桜宮の事情にかなり詳しくなった。 *********************** 関連記事 650「アリアドネの弾丸」海堂尊〈図〉 『アリアドネの弾丸』 (著)海堂 尊 【書評】「アリアドネの弾丸」海堂尊 書評:アリアドネの弾丸 海堂尊 『アリアドネの弾丸』 「アリアドネの弾丸」(海堂尊) 弾丸とMRIと「アリアドネの弾丸」自分のための読書日記Part.144 『アリアドネの弾丸』 海堂尊『アリアドネの弾丸』 アリアドネの弾丸 # 「アリアドネの弾丸」海堂尊 *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.02.20 10:43:12
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