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カテゴリ:読書
「終身刑の死角」を読んだ。
著者は桐蔭横浜大学教授。 仮釈放なしの終身刑導入について「絶対に当たらない宝くじ」と表現。 厳しく批判しているのは何故なのか。 数字を読者に提示しながら説明するやり方は説得力がある。 何人が死刑確定しているか年度別で示す。 オランダで死刑を廃止する代わりに終身刑を導入した。 その結果はどうだったか。 日本で「量刑制度を考える超党派の会」が発足。 終身刑導入が検討されている。 もし仮釈放なしの終身刑を日本で導入した場合。 すでに収容人数をオーバーしている今の刑務所。 これ以上、受刑者を増やしてどうするのか。 税負担が増すという点ですら、どの程度の国民は覚悟しているのか。 ネットでは受刑者に対する暴論も多い。 「費用がかかるなら死刑で減らせ」という意見すらある。 人を1人殺して無期懲役になった受刑者がいたとする。 その受刑者は命を軽視したからこそ無期懲役となっている。 にもかかわらず、受刑者の命を軽視するのは矛盾していないか。 凶悪事件を起こしたからといって、何をしてもいいわけではない。 また、仮釈放なしでは受刑者たちにとって希望がない。 犯罪者を社会的に隔離するという点ではそれは「あり」なのかもしれない。 だが、日本の刑務所は「なるべく入れない、できるだけ早く出す」もの。 受刑者には高齢者も多く、獄死するという結末。 果たしてそれでいいのかどうか。 興味深いのは「何人殺せば死刑になるのか」という記述。 読んでいて、以下の騒動を思い出した。 光市事件「死者1.5人」 の准教授処分? 「ブログ論壇の誕生」佐々木俊尚 某准教授は批判され、この著者が批判されたという話は聞かない。 何がどう違うのか、実際に読んでみてほしい。 実際には無期懲役の場合でも仮釈放が少なくなっている。 「数年経てば仮釈放で出られる」というのは噂話でしかない。 実際、50年以上も塀の中にいる受刑者もいる。 そうした人は釈放されても実社会になじめるわけがない。 こうした現状から、「実質的に終身刑化が進んでいる」という指摘がある。 以下の記事でもその点について書いた。 無期懲役の終身刑化 「凶悪犯罪は増えていない」「再犯率は1%」など、目から鱗の事実が次々。 犯罪被害者家族の心情についても述べている。 少し経過してから、再び読んでみるのも意味があるだろう。 *********************** 関連記事 『終身刑の死角』河合幹雄著 終身刑の死角 『終身刑の死角』(河合幹雄) 終身刑の死角を読む 『終身刑の死角』 興味深いが、残念なことにトラックバックを受け付けていないようだ。 紹介だけさせていただく。 *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.11.22 16:55:50
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