2009.01.17

東野圭吾「聖女の救済」

カテゴリ:読書
東野圭吾「聖女の救済」を読んだ。
「ガリレオの苦悩」とともに「ガリレオシリーズ」の新刊だ。
(この記事はネタばれあり)

     

実業家の真柴義孝が自宅で死んでいた。
コーヒーに入っていた亜ヒ酸による中毒死だという。
その時、義孝の妻である綾音は札幌近郊の実家にいた。
綾音はパッチワークで有名で、教室も持っていた。
遺体の発見者は綾音の弟子である若山宏美。

義孝は死ぬ前にレストランの予約を2人分入れていた。
このことから自殺の可能性は考えられない。
実は、義孝と若山宏美は不倫の関係にあった。
子どもができないことから、真柴夫婦の間には亀裂が生じていた。
義孝は子どもを作るために結婚したのだった。

捜査一課の草薙は綾音に惹かれる。
捜査は難航した。
完璧とも言えるアリバイが綾音にはある。
若山宏美も義孝を殺すことは考えにくい。

どこから亜ヒ酸をコーヒーに混ぜたのか?
それからして大きな謎だ。

札幌、広島と捜査は拡大する。
操作を担当した内海薫は帝都大学の湯川学に協力を求める。
「変人ガリレオ」の登場で、事件は解決に向かうと思われた。
だが湯川の頭脳を持ってしてもこの事件解決までには大いに悩む。

正直に感想を書く。
「ガリレオ」の続編ということで、この作品もかなり売れるだろう。
だが、今までの作品と比較すれば薄いというか、底が浅い。

まず、犯行の動機に疑問を感じる。
何より読者を惹きつける魅力も乏しい。
「容疑者Xの献身」で共感した読者は失望しただろう。
確かにトリックは意外性があった。
ただそれが読者を納得させるものではなかったということだ。

また、殺された真柴義孝は死ななければならなかったのか?
批判されて然るべき人物ではあったが、死ぬほどのことかと思う。
ミステリーでは「死に値する行為」というのもがしばしば度外視される。
「聖女の救済」でもそれは当てはまる。
そう考えるのは、私が男だからか。

また、内海と草薙のやり取りにも疑問あり。
係長の間宮、草薙の考え方は捜査陣として失格。
実際、日本の警察はこの程度ではないと信じたい。

鋭い観察眼を持つ女性刑事、内海が登場するこの作品。
ドラマでは柴咲コウが演じていた。
だが、ドラマよりも内海はしっかりしている。
捜査一課に抜擢された理由もわかる。

捜査のため、広島県に向かう内海が福山雅治のアルバムを聴く場面。
東野が見せた茶目っ気だ。

私は読む順番を間違えたのかもしれない。
「聖女の救済」より先に「ガリレオの苦悩」を読むべきだったかも。


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最終更新日  2009.01.18 13:50:17
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