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カテゴリ:本の感想
3ヶ月以上前に図書館で予約したんですが、順番が回ってきました。 全体的に暖かい雰囲気の話でした。 家政婦の「私」、派遣先の老数学者「博士」、「私」の息子「ルート」。 数学者はずいぶん前の交通事故による障害で、それ以降記憶が80分したもたなくなってしまっています。なので、大事なことはメモにして背広にクリップ止め。それを毎80分見ては、「自分は80分しか記憶がもたないんだ」と認識します。 しかし、彼は純粋は数学者なので何でも数に結び付けます。 誕生日を聞かれた家政婦は「2月20日です。」(なんと私と同じです!!)と答えます。 すると博士は、自身が過去に受賞した学長賞の時計についている番号 284 と 220 が友愛数であることを教えます。 (友愛数については、調べるかこの本を読んでみてくださいね ^^;) 印象的なのは、「私」がプロの家政婦としてというよりも、人間として心のこもった世話をすること。 そして、頭が平らだから「ルート」と博士に呼ばれるようになった「私」の息子への博士のいたわりの気持ち。 そして、なにより博士の数学への愛。数字って面白いなあと本当に思いました。 ただ逆に疑問だったのは、なぜ博士はあそこまで子供を無条件に慈しむのか? また、家政婦の依頼人である博士の義姉は、博士が大事な人にも関わらずなぜ粗末は離れに住まわすのか? です。 最後に、私が心に残っているのは、養老院に入った博士を「私」「ルート」が訪ねたときです。 博士とルートがキャッチボールをする場面。 そして、「ルート」が数学の教員になると告げる場面です。 一字一句、読みこぼしのないようにゆっくり読もう、と思った本でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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