テーマ:詩(909)
カテゴリ:詩
「狂い咲き」
愛したのはお前の幻 抱き締めた腕は弧を描き わたしは自分を抱き締めていた 何故 消えてしまったか 桜が咲き舞う季節 其の時に 微かに聞こえる 月の音色 水面に浮かぶ蓮の華 美しく儚げな其の姿よ 彼の人の面影すらも消してくれるな 映るわたしの何と醜いことか 悲しみで歪み 冷え切った瞳に 何故 お前は浮かばない わたしはただ 紅に染まる桜並木 お前の面影は 桜と共に散ってゆく 愛したのはお前の幻 水面に映るは わたしの声の波紋 蓮の華よ 彼の人への弔いの華 桜と共に散る 季節の歪みきった わたしの想いよ 蓮は夏の華 季節は歪む お前の面影すらも捻じ曲げ 嗚呼 桜は春の華 季節は歪む 桜と蓮が 狂い咲く ******** 「朧月」 息が止まるほど 君を抱き締めていたい 涙が止まらないくらい 君を愛していたい まるで残酷な狂気 漆黒の闇の中 一つだけ ぼんやりと浮かぶ朧月の如く 私は妖しの様 君を愛している 君を傷付けている 瞳から溢るる雫を 唇で拭う 月明かりに照らされる君の肌を 桃色に染め上げる 愛している 私は 君を愛している 涙が溢れて止まらない 愛しくて堪らない 君の全てが 切なくて堪らない 君の全てが 私の中の月を妖しく磨いてくれる 嗚呼 私は狂っているか? 君が愛しくて堪らないのと共に 君が憎くて堪らないのだよ 月は狂気を生み出す 私の中の月は 今も漆黒の闇の中 妖しく仄かに囁く 紅く染まれ 愛しき君よ 涙が溢れて止まらぬ 私の朧月よ 紅く染まれ 愛しき君よ 愛しくて堪らぬ 私の朧月よ 今宵また 雲に霞みゆく私の月よ ********* お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年11月21日 21時30分43秒
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