テーマ:☆詩を書きましょう☆(8505)
カテゴリ:戯言
「僕」
もしもこの世界に 僕だけしかいなかったら きっと言葉や感情も 何ひとつ生まれなかっただろう 争いも歓びも 何ひとつ見出すことはなかった 孤独も苦しさも 何ひとつ感じることはなかった 誰が文字を定めたのか 誰が「夜」と「昼」を決めた 誰が「闇」と「光」を決めた 何故 物質は対比していなければならない そうだ 僕はひとりになりたいんだ そして 孤独を恐れているんだ 知ることを恐れて 知らぬことを恥じて 言葉を綴ることすらも侭為らない もしもこの世界に 僕だけしかいなかったら ・・いっそ”僕”すらもいなかったら良かったのに ******** 「戦慄の紅」 私は夕闇のなか 声を張り上げ叫ぶ 枯れ尽きる喉も 滲む視界も すべて溶けると信じた あの灼熱の紅に燃えて そう 黄昏にいつも思うのは 誰かと歩いた桜の道も 誰かと過した緑の家も すべてすべて失くした 幼い頃の記憶 怖くは無いよ 私は何もかもなくしたから もう今更 怖がることは無い けれど 何故だろう こんなにも 紅に魅入るのは 美しく鮮明な赤は 時に魔性と化すのかもしれない 早く紫紺に染まってくれ 黒く冷たい夜を呼んでくれ 私は願って止まない そうしなければ この戦慄の紅に いつか私は 敗北を認めてしまうのだから 私は 「孤独を怖がっている」 と・・・ *********** お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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