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2008/07/28(月)15:30

プロレタリアート文学 小林多喜二「蟹工船」のブームと非正規雇用の実態

書籍(20)

今年の春ころから、小林多喜二の「蟹工船」が売れ出して、40万部を突破したそうだ。小林多喜二は共産党員で思想犯として、獄中で亡くなった。「蟹工船」は世界同時恐慌時代の昭和4年に刊行されたプロレタリアート文学を代表する作品で、1929年に文庫化され、これまでも年に約5000部程度が売れ続けるロングセラーではあったが、内容的にはオホーツク海に、戦争で廃船同様になった船に収容され強制労働的な過酷な状況に追い込まれるというストーリーで、学生運動家などがごく限られた人が好んで読む本だった。ところが最近、派遣など非正規労働に着いている若者が共感を感じて売れているらしい。 今月上旬、総務省が発表した2007年就業構造基本調査によると、確かに非正規雇用者の割合は男女ともに徐々に増加している。また、正規労働者でも○ 正規雇用の男性は25~44 歳で2割以上が1週間に60 時間以上就業 ○ 45 歳以上で60 時間以上就業者の割合が大幅な上昇と言う過酷な労働を強いられている人が2割以上いるという結果を裏付けている。

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