投資の余白に。。。

September 24, 2005
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カテゴリ:クラシック音楽
スティーブン・イッサーリスが素晴らしいチェリストだということは、15年ほど前から次々とリリースされたCDで気づいてはいた。

しかし、ここまでの演奏家だとは。

うまいチェリストはいくらでもいる。しかし、イッサーリスのように「音楽だけ」が聞こえてくるチェリストがほかにいるだろうか。

エルガーの傑作、チェロ協奏曲のすべての音が「こうでなければならない」という音色と音量とテンポで奏でられていたと思う。それでいて表現に堅苦しさはなく、何としなやかなこと。

この日の最高のききものがこの曲の演奏と、アンコールで演奏されたグルジアの作曲家ツィンツァーゼのショート・ピース「チョグリ」だったと思う。

コンチェルトだとオーケストラの音がじゃまだ。イッサーリスを聴くなら、ぜひ10メートル以内の至近距離で、ソロリサイタルで聴くべきだ。

メーンのラフマニノフの交響曲第2番は期待はずれだった。

演奏は決して悪くなかった。何せ尾高忠明はこの曲を指揮させたらまちがいなく世界ナンバーワン。その期待が大きかった分、失望もまた大きかった。

その原因を考えていて、ふと思い当たったのはエキストラ奏者の多さ。
どういう理由か知らないが、大量の、若手の女性奏者が出演していた。そして、とりわけエキストラの多いパートの音が、見た目の割に貧弱なのだ。

クライマックスでも白熱した音が出てこない。

全体として、オーケストラの側に手慣れた曲をやるようなルーティン・ワークの意識が生まれているようにも感じたし、指揮者との間に緊張感が乏しくなっているように思えた。

このコンビは曲がり角に来ているのかもしれない。

演奏は不満だったが、曲はやはり素晴らしい。とりわけ第3楽章の甘美さは比類がない。その音楽的エクスタシーの深さは、マーラーが妻アルマとのセックスを描写したと言われる交響曲第5番の「アダージェット」をさえしのぐと思う。

この曲に感動したことのない人は、ほんとうのセックスの快感を知ることはないのではないだろうか。








最終更新日  September 25, 2005 04:25:59 PM
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