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カテゴリ:癌
母は自宅で3泊し、病院に戻った。2週間に1度の「強制退院」は、移動が負担であることを除けば、気分転換にはなったかもしれない。
当初は2泊の予定だったが、新しいベッドで熟睡できたのがよほど嬉しかったとみえ1泊「延長」した。 一日目は2週間ぶりの自宅に感情が高ぶったのか、一昨年他界した父への恨みつらみを聞かされることになった。 弟を出産するとき、父は病院まかせで不在だったらしい。 そのときの心細さは、半世紀近くたちその本人がいなくなっても許せないということのようだ。 そんなトラウマがあったとは知らなかった。 初めての一時帰宅に備えて、車椅子やベッドを買ったり、段差をなくすちょっとした工作をした。 家を作るときは、玄関にせよ室内にせよ、フラットにするかスロープにしてできるだけ段差がないようにすべきということが痛いほどわかった。 痛む股関節をかばいながら歯を磨いたりうがいをしたりしている母を姿を見ると、まるで生後まもなくの子猫の邪心のない仕草のように、かわいいなあと感じることがある。 母を背負って3歩歩けなかった石川啄木の気持ちがよくわかる。 3泊というのは、ちょうどいい期間だと思う。 旅行のときも、3泊すると、中二日あるせいか、その街の記憶が自分の体にしみこむように定着することが多い。 2泊しかしなかった街の記憶はぼんやりと薄い。 わずか30分しかいなかった山の頂上の記憶よりはるかに薄いのだから人間の記憶というのは不思議だ。
最終更新日
March 30, 2006 11:19:39 AM
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