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カテゴリ:折々のバカ
10年ほど前。官官接待のようなある宴会で、タバコの健康被害についての話になった。
酒もタバコも健康には関係ないとしきりに力説する男がいた。 訝しく思ってその理由をきくと、酒もタバコもやらないキリスト教の牧師だった叔父が肺癌で亡くなったのだという。 そのことから、肺癌とタバコの間には何の因果関係もないと結論し力説するのだった。 この手のバカを何と呼んだらいいのか。 塩分をとらない人は胃癌にはならないが、タバコをやらない人も肺癌になる。しかしタバコを吸う人は吸わない人に比べて5倍から20倍、肺癌になる率が高まる。 こんなことは10年前でさえ常識だった。 身近な例を普遍的な例と思いこむのはよくあることで、そういった偏見から完全に自由な人間はほとんどいない。 高校生のころフランシス・ベーコンの哲学を勉強したこのわたしでさえ、自信がない。 それが人間というものだ。 しかしそれにしても、タバコを吸わないのに肺癌になったからタバコと肺癌の間には何の関係もないと決めつける論理の飛躍には開いた口がふさがらなかった。 ベーコンは、こうした論理の飛躍をもたらす偏見を心の幻影(イドラ)と呼んだ。 この場合の偏見は、ベーコンの分類に従えば、洞窟のイドラといえる。 洞窟のイドラとは、狭い洞窟の中から世界を見ているかのように、個人の性癖、習慣、教育によって生じる誤りのことである。世間知らずの意もある。 知識を深め、見聞を広めることを怠けるならば、人間は見えない洞窟の中で一生を過ごすことになり、しかも肺癌になる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 6, 2006 11:28:05 AM
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