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投資の余白に。。。

投資の余白に。。。

December 21, 2006
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もう一人だけモーツァルトに影響を与えた音楽家を(父レオポルド以外で)あげるなら、ヨーゼフ・ハイドンであろう。

よきライバルでもあった二人の、お互いへの敬愛に満ちた交流は、ヨーロッパ音楽史の最も美しいページとなっている。

当時の音楽会は社交と娯楽の場であり、観客は音楽よりも歌手の美声や容姿がお目当てだった。

交響曲は歌手が登場するまでの前座やつなぎにすぎなかったし、室内楽も貴族の食事やパーティのBGMでしかなかった。

それらの芸術性を高め、聴くためのものとして確立したのがハイドンである。「パパ・ハイドン」、つまり音楽の父と呼ばれるのはそのためだし、モーツァルトがハイドンに尊敬の念を持ち続けた理由でもあった。

ハイドンの音楽は芸術性が高いだけでなく庶民的な感覚とユーモアに富む。その点もモーツァルトのお気に入りだったにちがいない。

ハイドンの宗教曲は当時の教会権力から「陽気すぎる」と批判されたが、ハイドンは「陽気に神さまを讃えてどこが悪い」と反発した。これも、ハイドンが自立した芸術家の魂を持っていたことを示す証拠だ。

モーツァルトの音楽がイタリア的な明るい歌に満ちた快楽的な傾向があるのに対し、ハイドンの音楽はメリハリのあるリズムで縁取られた緊密な構成美を魅力としている。一方、協奏曲や声楽曲にはモーツァルトも顔負けの流麗の歌があり、ハイドンの別の一面を伝えている。

中でも二曲あるチェロ協奏曲は、ハイドンらしい堂々とした風格の中に、明るくのびやかな歌と限りない優しさが息づく佳作。

若々しく弾む第1番、よりあたたかく円熟味に富む第2番と、いずれも雄弁なソロとオーケストラの陽気な応答が、旧友との楽しい再会を思わせる作品。

積もる話が晴れやかな笑いとともにいつまでも続いていく。

※アネル・ビルスマのソロとターフェルムジーク・オーケストラによる素晴らしいCDがある。オリジナル楽器は音色のふくらみを欠き、乾いた印象になることが多いが、このCDはオリジナル楽器の軽快さが曲想に合ってプラスに作用している。






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最終更新日  December 24, 2006 02:03:24 PM
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