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投資の余白に。。。

投資の余白に。。。

February 13, 2008
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カテゴリ:自叙伝
ピアニストのY子さんと知り合ったのはわたしが30歳の時。彼女は東京の音楽大学を出て数年たっていたので、25~6歳くらいだったと思う。

どういうきっかけで知り合ったかは思い出せない。共通の友人がいたわけでもないし、およそ接点があるはずのない人だった。しかし、30代前半くらいまでは、小さなつながりでもどんどん人間関係は広がっていったから、かすかな接点があったのかもしれない。

二度デートしたのを覚えている。一度目は、デレク・ベイリーというフリージャズ・ギタリストのコンサート。演奏に対する彼女の感想はなかなかシャープで、難解なフリージャズも受け入れる器量があるのがわかってうれしかった。

フィーリングが合うことに気をよくしたわたしは、次に、ウトナイ湖にあるバードサンクチュアリに誘った。ウトナイ湖は勇払原野にある小さな湖で、渡り鳥の中継地として知られている。わたしにとっては子どものころ何度か遊びに来た思い出の場所で、そういうところに彼女を連れていきたかったというのもある。

湖畔のホテルや遊戯施設はすべて撤去され、昔の自然を取り戻しつつある。湖畔へは遊歩道があり、いかにも北海道らしい手つかずの自然に触れることができるが、その自然にとけ込むように鳥の観察センターが作られ、室内から鳥を静かに観察できるようになっている。

しかしどうも彼女は浮かない顔をしている。センターを出たあと聞くと、「鳥は嫌い」だというのだ。それなら、どうして最初に言ってくれなかったのだろうと思った。わたしだって、特にバードウォッチングが趣味なわけではない。鳥は、どちらかというと見るより食べる方が好きだ(笑)

ただ、花や紅葉の時期ではない季節の野外のデート場所として最適ではないかと選んだだけだ。

昼食時になったので、国道沿いのレストランに入った。ラム肉料理のレストランだが、もちろんラム肉以外のメニューもある。ラム料理とあるけど、ほかのものもある。あそこでいい?と聞くといいという。

わたしはロースト・ラムを頼んだ。彼女はラム肉以外のものを頼んだ。

楽しいはずの食事なのに、彼女は浮かない顔をしている。聞くと、ラムは嫌いだという。

ラムが嫌いなのはしかたがない。しかし、ラムを食べているのはわたしであって彼女ではないのだ。だが、わたしがラムを食べているのが不愉快なのか、彼女は自分が注文したものにもほとんど手をつけなかった。

わたしはおいしそうにモノをパクパク食べる女性が好きなので、何だかがっかりだった。

気まずい食事のあと彼女を送った。彼女の家は遠いので、JRの支線のある駅まで送ることになった。しかし、その駅の場所とそこに至る道は、わたしは不案内なので、彼女にナビゲーションをしてくれるよう頼んだ。

しかし、彼女のナビで間違った方向へ行ってしまい、夕方からの自宅でのレッスンに間に合わなくなってしまった。彼女のミスではあったが、いちおう「ごめんなさい」とわたしが謝った。

それなのに彼女は黙っていて機嫌はよくないようだった。

すべてにおいてボタンをかけちがえたようなデートになってしまった。

人間の好みは千差万別だ。特に食の偏りはふつうの人が考えているよりはるかにひどいケースが多い。違っていてあたりまえで、わたしだって進んで食べたくないものは一つや二つではない。

人と人が親しくなり理解しあうには、お互いの嗜好をよくすり合わせることが必要だ。自分が何が好きで、何を欲していて、何をしたいのかを、はっきりと意思表示することが大事だ。バードウォッチングが嫌いで、ラム肉は相手が食べるのを見るのもイヤなら、最初からそう言えばいいではないか。

もちろん三度目のデートはなかった。どんな人でも、三度会って話してみなければわからないと思っているわたしは、二度目のデートの違和感で決めつけてはいけないと思い、三度目のデートに誘った。だが電話に出た彼女は、それまでとは打ってかわってよそよそしく、ほとんどとりつく島もないほどだった。

二度目のデートの時のわたしの言動の何かが、よほど彼女は気に入らなかったのだろう。

音大のピアノ科出身者とは、かれこれ10人は付き合っただろうか。いずれの場合も似た経過をたどった。

もちろん例外はあるのだろうが、音大のピアノ科出身者は、女ばかりの環境で、幼いころからピアノばかり弾いてきたために、男性を見る眼に奇妙なバイアスがかかってしまったのではないか。

もちろん例外はあるのだろうが、もうたくさんだ。音大のピアノ科出身者に告ぐ。わたしの周囲5メートル以内の接近を禁ずる。もし接近した場合、ウルトラマンに変身してスペシウム光線で攻撃するので覚悟されたい。







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最終更新日  February 13, 2008 09:43:54 PM
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