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カテゴリ:身辺雑記
同窓会の司会は、同期生が担当した。北海道では知らない人がいないほど有名なアナウンサーだ。彼女は高1のときのクラスメートで、なぜか彼女はぼくのことが好きでなついて近づいてきた。
ぼくはピンポンパンの恭子おねえさんに操を立てていたので、彼女は眼中になかった。それでも、初めて女の子の手を握り、腕を組んで歩いたのは彼女が最初だし、彼女だって初めてだったと思う。 思い出した。彼女はクラシック音楽が好きで、それでクラシックが好きで詳しいぼくに好意を持ったのだった気がする。彼女はもう将来アナウンサーになると決めていて、放送部に入っていた。それで、放送で流すのに適当な曲を教えてほしいとか、そういう理由で話すようになったのだったと思う。 会の終わり、司会の大役を終えてぼくのテーブルに来た彼女と話をした。話をしてわかったのは、彼女はぼくのことを忘れている、ということだった(笑) 10年ほど前までは、よくコンサートで見かけて挨拶をした。よほど好きなのか、いつもひとりで来ていた。立ち見の彼女を見つけて席を譲ったこともある。それなのに、ああそれなのに、完全に忘れられていた、というのがわかったのである。 彼女より幸福そうな人をぼくは見たことがない。なりたい職業につけて、幸福な結婚をしてと、両方の条件が揃うことはめったにない。その両方を実現した彼女は全身から「幸福オーラ」が出ているようでまぶしかった。 人の記憶というのは、このように脆くはかない。使わなければ日本語だって忘れてしまう。 忘れられたくなければ、年賀状くらい出すことだろう。だが、忘れられてそれでいいと思っている。出会いはその場限り、その時限りのもので、その時楽しければそれでいいのだ。 誰よりも幸福そうな彼女を見てこっちまで幸福になった、それでじゅうぶんだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
August 18, 2008 05:26:15 PM
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