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投資の余白に。。。

投資の余白に。。。

March 2, 2012
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大阪へ行ってきた。ちょうど20時間の滞在だった。ピーチ航空の座席は狭かった(笑)

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行ったのは大阪というより西成。日本最大の寄せ場である釜ヶ崎があり、「日本のヨハネスブルク」と呼ばれることもある地域。1980年代のデモで日雇い労働者部隊の陽性のパワーにいたく感動したことがあるので、ぜひ行ってみたかった。それは目的の半分で、あとの半分は本場の串カツおよびたこ焼きを食べ歩くこと。

新今宮までは急行で約50分。北側が通天閣のある新世界、南側が釜ヶ崎である。

駅で出口を探していると、壁に向かって串カツを食べている若いサラリーマンがいた。

この一件で、すっかり大阪人の印象が変わった。実は外国などで出会う大阪人がKYで自己中な変な人ばかりだったので偏見を持ってしまっていたのである。壁に向かって食べているあたり、大阪人は本質的にはシャイなのだということがうかがえた。

ホテルが見つけられず同じところを何度も歩いていると、立ち話をしていた若者が「わからんことあったら何でもきいてや」と笑顔で声をかけてきた。てっきり麻薬の売人だと思っていたのでその気さくさに驚いたが、あの人なつっこい笑顔と気さくさはやはり売人ではないか。「ありがとね」とだけ答えておいた。

ホテル来山は駅前の大きな通りからすぐだった。釜ヶ崎がはじめてとおぼしきサラリーマンが緊張した面持ちでチェックインしている。このクラスのホテルで差額を浮かせようという出張族は多いらしいが、そんなひとりにちがいない。周囲の雰囲気に飲まれている。カツアゲしたらすぐ1万円くらい出しそうだ(笑)
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ちなみに釜ヶ崎は「ドヤからヤドへ」をスローガンに外国人バックパッカーなどを呼び込もうとしている。このホテルはその先駆けだったらしい。決して広くはないロビーでは西洋女性3人組が浴衣姿でビールを飲んでいた。

すぐ新世界観光へ。通天閣までは5分もかからなかった。
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めあての串カツ「八重勝」はじゃんじゃん横丁という路地にある。横丁に入ると突然、警察官が横を走りぬけていった。おもしろそうだから追いかけてみた。なにやら人だかりができている。2人組対3人組のけんか。組み合うものの、殴ったりしない。ススキノあたりのけんかからすると実に牧歌的。

たまたま訪れた瞬間にこういう光景を目にするのだから、こうした牧歌的なけんかはここでは日常茶飯事なのだろう。

通天閣周辺は健康的で盛り場につきもののいかがわしさが感じられない。すぐ裏に公衆浴場がある。ここに通って入浴客の入れ墨率を調べたりするとおもしろそうだ。

八重勝に行くと定休日。しかたなく隣の「てんぐ」に。

カウンターだけの店内。横でサラリーマン二人が学生時代の吹奏楽部の思い出話をしている。その向こう、カウンターを曲がったところにカップルがいる。カップルの女はなぜか腕まくりをしていて、肘から先を出している。手首から肘にかけては入れ墨が入っている。

30歳くらいのごく普通のカップルである。周辺の人たちはその光景にまったく違和感を感じていないようだ。

これが札幌なら、「そういう筋の人が来る店」と噂になり、瞬く間に一般客はいなくなる。東京でも同じはずだ。しかし入れ墨を奇異な目で見る人がいないのは、装身具のような位置づけでなければ、大阪人は寛容だということだ。

浅ましくてがめつくて品がない、という大阪人のイメージはまったくの虚像であることがわかった。シャイで寛容なのが大阪人なのだ。もちろん皮肉だ(笑)

翌日は雨のためIPAD2のGPS機能を常時使うことはできず、地図なしで歩くことになった。釜ヶ崎ビギナーとしては、まずは街全体の雰囲気を味わうことにした。

「会津屋」は西成の南端にあり、新今宮からは4キロ弱。釜ヶ崎をぶらぶら歩けば1~2時間で着く。地下鉄で戻って「八重勝」へというルートを考えた。

あいりん地区労働センターの周辺には路上生活者がいる。公園で「定住」しているような人々と比べると悲惨さが際立つ。
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最初の写真の人などは、高齢化が目立つ釜ヶ崎にあって、まだ50歳そこそこくらいの若さに見える。この若さで仕事にありつけないのか、あるいは病気なのかと心配になる。

釜ヶ崎解放会館はすぐ見つかった。正面からは立派だが、薄い建物。ビジネスホテル来山もそうだったが、どうも大阪にはこうした虚勢を張ったかのようなビルが多い気がする。また地震でも起きたらひとたまりもなさそうだ。
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中をのぞくと一階には何トンもの米がびっしりと積まれていた。これは炊き出しや共同炊事に使われるのだろう。このビルができた当時は新左翼の「威光」を見せつけるような建物だっただろうが、老朽化が目立つ。

すぐ近くには西成警察署の立派な建物がある。ここの刑事が暴力団から千万単位の賄賂をもらっていたことから大規模な暴動が起きたことがあるが、そうした体質はそう簡単にあらたまるはずがない。後述するが矢島祥子医師殺人事件を「自殺」と処理した西成警察署は闇勢力と一体化していると考えておいた方がいい。そうでなくては密売人の跋扈などもありえない。

南下するにしたがって街がみすぼらしくなり、老人の割合が増えていく。まだ朝の8時台だというのに立ち飲み屋は(たぶん)生活保護の老人たちでいっぱいだ。朝から赤提灯というのは何とも魅惑的な風景で、これは西成ならではだろう。R0015009.JPG

労働者街も過ぎたので、国道26号線に出る。パチンコ屋かなと思って近づいてみるとスーパーだった。「スー玉」の愛称で知られるスーパー玉出。
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「すすめ一億総節電」のかけ声が高まる中、この態度は立派だ。まるで高校の文化祭のような飾り付けが楽しい。もう少し派手にやってもらってもいいくらいだ。「1000円以上買うと1円」になる商品がたくさんあったが、わかりやすくていい商売だ。

たこ焼き発祥の店として「美味しんぼ」や熊谷真菜「たこ焼きの正しい食べ方」にも紹介されている会津屋本店。国道沿いなのですぐわかる。牛すじとネギの入った「ラジオ焼き」で有名になり、客の「大阪では肉かいな。明石ではタコ入れとるで」の一言をきっかけにたこ焼きを生み出したという伝説の店である。
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おもしろいのは、具がタコだけで、ネギや紅ショウガが全く入っていない。作り方を見ていると、天かすを入れたあと生地を流し込み、そこにタコを入れている。生地はかなりゆるめ。この生地を作るときにダシを使っているようで上品なカツオだしの味がする。青のりもかかっていず、ソースもついていない。

ラジオ焼きとたこ焼き6個ずつで500円。最近までは15個500円だったようだが、12個500円に値上げされていた。何せタコの値上がりはすごいから、こうした商売は苦労していることだろう。

地下鉄で戻り念願の「八重勝」へ。11時前だというのにけっこう人が入っている。隣の「てんぐ」にはひとりも入っていない。近所の立ち飲み屋にももう客が入っている。西成の人口あたりのアル中率は日本一ではないだろうか。
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「八重勝」の串カツは揚げる人の手さばきが非常に見事だったとだけ言っておこう。こういうシンプルな食べ物は素材で勝負が決まる。北海道の洋食屋のフライのレベルを基準にすると、要するにノスタルジーな食べ物ということだ。

店を出ると、雨が上がっている。人通りも増えてきた。現代の鴨長明とおぼしき人がいたので写真を撮ってみた。リヤカーの荷物のいちばん先のところに花を飾っている。この人は現代風にいえばホームレスだろうが、生活を美しく飾ろうというその心がけや粋である。人間、どんな境遇になってもこういう心をなくしたくないものだ。
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大阪にはユニークな服装の人が多いが、よく見ると、決して悪趣味なのではなく、自分らしさを表現した結果なのだということがわかる。手提げの色とコーディネートした服装、歩きやすい靴、帽子のコントラストが鮮やかだ。
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釜ヶ崎を歩いていて「ふるさとの家」を見つけた。慈善団体か何かだろうと思って通り過ぎたが、調べてみるとキリスト教系の路上生活者支援施設で、2009年11月に暗殺されたクリスチャン医師矢島祥子を偲ぶ集いの会場になったりしている。
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西成は老人の街と化している。治安は決して悪くないと感じた。歌舞伎町のような、得体のしれないものが急に飛び出してきそうな雰囲気は皆無だ。外国では路上生活者は女性も多く、家族ぐるみだったりするが、ここはほとんどが単身男性。話してみればたいてい小心でお人好しなだけの人々だ。

橋本徹の「若者を呼び込み教育特区にする」構想は的はずれではない。しかし、路上生活者を支援している女性医師が暗殺され、警察が捜査しないというのでは、治安そのものが崩壊している。暴力団と警察が利権で一体化しているからにほかならないが、こうした利権そのもの~それが麻薬なのか売春なのか貧困ビジネスなのか、あるいはそれらすべてなのか~を根本から絶つのが先ではないだろうか。





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最終更新日  March 6, 2012 02:53:24 PM
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