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カテゴリ:旅
ツーリストカントリーという言葉がある。個人旅行しやすい国のことである。交通機関が発達していて、治安が良くて物価が安くてホテルがすぐ見つかる国。ヨーロッパではイタリアなど南欧諸国、アフリカではモロッコやチュニジア、中近東ではトルコ、アジアではタイやマレーシア、中米ではメキシコやコスタリカなどがツーリストカントリーとされてきた。
そういう目でみると、物価を除けば、日本もかなりツーリストカントリーであるとはいえる。鉄道駅やバスターミナルは都心にあるし、その周辺には必ずホテルがある。 しかしマレーシアのように鉄道が発達していず、バスが主な移動手段であるにもかかわらず人口の多さのためにバスターミナルを郊外に作っている国は、思いっきり個人旅行しにくい。都心に行くまでが、そしてバスターミナルに来るまでが一苦労なのだ。 マラッカでは歩いていたら偶然、乗ることができたが、短期旅行者が市内バスを乗りこなすのは不可能だ。 ペナン島の場合、都心にもバスターミナルがあるが、タナラタからのバスは10キロ以上郊外にあるバスターミナルに着いた。タナラタからペナンまで4時間のバス料金は地獄の冷房代込みでたった900円である。しかし、ふざけたことにこのターミナルから中心部まではタクシーで1250円だという。疲れたら途中でタクシーを拾えばいいと歩き出したら、流しのタクシーというやつがいない。結局、チャイナタウンの近くにある中級ホテルまで歩き通してしまった。途中で昼食をとったとはいえ、6時間もかかり、IPADのバッテリーが60%を切った。 ペナンをこんなに歩いた酔狂な日本人はほかにいないだろう。なぜなら、ペナンの都市インフラは車中心に考えられているし、そのため危険だからだ。マレーシア人の運転マナーは決してよくない。左折車に巻き込まれそうになる。東京もそうだが、カーブが終わったところに交差点が現れるので、横断しようにも車が見えないのだ。自転車をレンタルするつもりだったがやめた。 一泊6600円、ただし900円分のクーポンがついたこのホテル(CITITEL)は札幌だと1万円、東京だと1万円5千円クラスか。これはルームチャージなので二人だと半額ということになる。チャイナタウンが目の前でセヴンイレブンもすぐ近くにある。世界遺産の地区までもそう遠くない。避寒のための1~2週間の滞在なら候補に入るかもしれないホテルではある。だがビーチは汚そうだし、何より暑いので外出がおっくうになる。マラッカよりは涼しかったので何とか歩いたが、日常的なウォーキングなんて思いもよらない。 バスが主な移動手段である国では、コスタリカやモロッコは便利だった。都市の規模が小さいので、バスはもろにセントラルに着く。だからターミナルから少し離れているがゆえにディスカウント交渉しやすい宿を見つけやすい。到着して30分以内に宿を見つけて、荷物を置いてすぐ身軽になって出かける、という旅ができた。 しかしここマレーシアでは、タナラタのような小さな田舎町を例外として、旅人は都心までの移動に苦しめられる。その中でもペナンは特にひどい。 街としても、歴史地区を除けば、巨大な、しかも寂れた熱海のようなところで、近代的なビルの麓には北池袋や西成のような世界が広がっている。途中には高級住宅街もあったが、この島で老後を過ごそうというのは、現地の不動産ブローカーと結託した詐欺師的人物にかもられた人たちとしか思えない。 20代、ぎりぎり30代ならアジアのバックパック旅行も面白いかもしれない。時間に制約のない2ヶ月以上の旅ならそれ以上の年齢でも何とかなると思う。 しかしたった10日間であちこち回るには、マレーシアの旅行インフラは貧しすぎる。客引きにも迫力がなく何だか気が抜ける。 やはりアジアを旅するには、空港からの送迎がついた航空券とホテルの一都市滞在型のパックがベストなのかもしれないと、車の洪水と排気ガスにやられて弱気になったペナンの夜。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 15, 2012 11:58:08 PM
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