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カテゴリ:クラシック音楽
宮崎陽江(ようえ)はジュネーブを拠点に主にヨーロッパで活躍している人らしい。長身で色白、そして黒くて長い髪が印象的で、舞台映えがするだけでなく存在感がある。
なぜこのコンサートに行くことにしたかというと、ダリウス・ミヨーのヴァイオリン・ソナタが2曲演奏されるから。コンサートは、知らない曲、知らない演奏家、知っているが実演を聴いたことのない曲、知っているが実演を聴いたことのない演奏家の順に選んで行くことにしたので、そうすると札幌ではめったに行くべきコンサートがない。 その点、このコンサートはピアノの菅野潤という人も未知。知らない演奏家二人と知らない曲という理想的な組み合わせだったので選んだ。 その結果はというと、みのもんたふうに言うと「正解!」 400以上あるミヨーの作品のうち、聴いたことがあるのは1割にも満たないが、初期の作品と思われる2曲のヴァイオリン・ソナタはその存在すら知らなかった。1番は特に力作であり、フランク作品の影響などが感じられるものの、完全にミヨー自身の語法に消化されている。パリ的な洗練よりも南フランス的な素朴さが魅力で、交流のあったアンドレ・ジイドに献呈されたというさらにミヨーの個性が開花しつつあることを感じさせる2番と同様、傑作と言っていいのではないかと思う。 こんなところで日本の音楽界のドイツ・オーストリア音楽びいき、「枢軸国」びいきを思い起こすことになるとは思わなかった。 ピアノの菅野潤も「発見」だった。ロビーでメシアンの「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」のライヴCDが売られているのを見て、すごいピアニストかもと思っていたらその通りだった。1956年生まれでフランスで学び、メシアン夫人のイヴォンヌ・ロリオに師事した人らしいが、紳士の音楽とでもいうのか、実に端正で温かい音楽を作る。思い起こしてみれば、札幌でも東京でも大阪でもこういう音楽をやるピアニストを聴いたことはない。パリには何の興味もなかったが、彼のピアノを聴いて、しばらくパリに住んでみたいと思ったほどだが、彼のCDは全部集めることにした。 肝心の宮崎陽江は、ミヨー作品のほかは生彩がなかった。超一流と呼ぶにはあと一歩、テクニックの完成度が足りない。後半のパガニーニの無伴奏曲やヴィエニャフスキの「華麗なるポロネーズ」のようなコンサート・ショウ・ピースは、悪くはないにしても超絶技巧「だけが」とりえの数多くのヴァイオリニストが演奏しているだけに分が悪い。 ミヨーの2曲のヴァイオリン・ソナタの実演を次に日本で聴けるのは30年後か、50年後か(11月22日、札幌キタラ小ホール。19日には同内容で東京・浜離宮朝日ホールでも) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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