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カテゴリ:映画
山崎豊子原作特集の2作目。「女の勲章」とは役柄とキャストがかぶる。京マチ子、田宮二郎、若尾文子。しかも、京マチ子をたらし込みお金を貢がせる田宮二郎の役どころは「女の勲章」と酷似。また、若尾文子が強欲なのも同じ。
1961年の「女の勲章」が白黒だったのに対し、1963年のこの作品はカラー。街の風景や人々の暮らしぶりも若干、豊かになった気がする。個人的な記憶では日本は1964年から急速に豊かになったが、まさにその時代。家庭用カメラでカラーが普及するのは1968年ごろ。公開当時はカラー映画であることがウリだったのではないだろうか。 実業家で資産家の父が死んだあとの争続のお話。出戻りの長女、婿養子を得て家業を継いでいる次女、まだ学生で遊びたい盛りの三女の三人の相続に、父の愛人だった女と大番頭の思惑がからんで話は面白くなっていく。 キャスティングと脚本が見事。長女という立場を強調するが実際は女ひとりの弱さを持ち田宮二郎にすがる京マチ子、目つき、顔つきひとつで関西のこすっからいオヤジを見事に演じる中村鴈治郎(中村玉緒の父)、三女の後見人になるえぐい叔母役の浪花千枝子は、だれることのない密度の濃い脚本(依田義賢)によって完全にキャラクターが確立しているのに驚嘆させられる。 当時20歳前後と思われる若尾文子の、清純そうでいて決して無欲ではないと思わせる美貌や色香は絶品。最後にあっけにとられるドンデン返しが待っているのも映画の王道を踏まえている。 日本映画の黄金時代が過ぎ去ったあとにも、こういう端倪すべからざる映画はたくさん作られていたのだろう。 こういう映画を観てしまうと、昨今の日本映画の薄っぺらさをいまさらのように痛感する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 29, 2014 11:55:18 AM
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