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カテゴリ:旅
玉川温泉に着いて三日目。ノド風邪も少しよくなったので午前中だけ鳥居前ラジウム浴を試した。
初日にも20年通っているという茨城の女性と顔見知りになり話を聞いたが、この日は隣の男性がおしゃべり好きで、勝手にいろいろなことを話す。山梨の人で、歳は70歳くらいか。大腸がんが咽喉に転移して医者に見放されたが、玉川温泉に来て治ったという。 それ以来、地元の難治性がん患者を数百人規模で玉川に連れてきたりしているらしい。 その人の話を一言で要約すると、玉川温泉に来ても治らないがんの人がいる、不思議だ、ということ。 これには驚いた。玉川温泉に連れてきた数百人のうち何パーセントの人が効かなかったのか、それはどういうがんの人なのかぜひ知りたいが、この人の経験ではそういう人の方が少数派なのだ。 この人の話は、玉川温泉の効能を証明しているようだ。自分よりもずっと初期にがんが見つかった人たちがみな死んでしまった、自分を慰めてくれて元気に退院して行った人たちがみな先に死んでしまったと、さびしそうに語るのだから真実味がある。 ラジウム浴に適した場所は玉川温泉全体でも3〜4ヶ所しかなく、最も線量の高い鳥居前のスポットは6〜7人分のスペースしかない。自分の病気について語る人は少ないが、夫婦で来ている人などを見ていると、どちらががんの人かはすぐわかる。また、予防のために来ている人も見分けがつく。 重そうな人が来るとこうした付き添いや予防のために来ている人は場所を譲る。一回15分から30分程度が最適で、少し待てばいい場所が空くのだが、こうした譲り合いの姿は美しい。初心者が来ると、そこは効果がない、こっちだと最適ポイントを教える。 毎日、老母の手を引いてやってくる50歳くらいの男性がいる。聞けば京都から10日間の日程で来ているという。 この日は車中泊場所で親しくなった福島県いわき市の男性と偶然再会し、岩盤浴に最適な場所などを教えてもらった。 犬を連れてハイエースで旅をしている人で、いかにも元気そうなので意外だったが、この人もがん経験者だった。前立腺と十二指腸のがんをやり、それ以来、春と秋の年2回来ているのだという。 弟の大腸がんの話をすると、豪快なところのある人で、大腸がんなんてがんのうちにはいらねっぞ、と高らかに笑う。裏表や屈折のないまっすぐな気性な人。こういうタイプは、東北でも太平洋側と北海道でしか出会ったことがない。 国民年金だけでは食べられないので時々板金の仕事をする、と言っていたから現役時代は自営の板金工だったのだろうか。 この人と話しているとこちらの心の垢が洗い流されていく感じがする。 そういう人柄のせいか友だちは全国にいるようで、玉川温泉のあとは大間からフェリーで函館に渡り、点在する友人を訪ねたりしながら一周2400キロの北海道を回るらしい。 アスピーテラインをもう一度走る。きょうはガスはない。八幡平ビジターセンターは大沼という沼のほとりに立つが、この大沼の湿原ではではちょうどワタスゲやレンゲツツジ、イワカガミなどの花がピークを迎えていた。かなり大きな高山植物の群落を、こんなに手軽に見られるというのも珍しい。沼にはコウホネもあった。 八幡平頂上を右折すると2キロで藤七温泉。東北最高所の温泉。ここも火山の息吹を感じながら露天風呂に入ることができる。岩手山を眺めながら入浴できるのではという期待は裏切られたが、野湯に近い雰囲気がいい。 八幡平山頂の夜明けはすばらしいという。八幡平頂上からは徒歩20分なので軽装で行くことができる。クマの出没地域なので単独行は危険だが、入山する人たちがいるようならついていってみようかなどと思案している。 アスピーテラインで最も印象的な車窓からの景色は岩手山だ。山容の雄大さでは群をぬいている。 宮沢賢治が愛し何度も登ったというこの山に、母も一度だけ登ったことがある。 今回は風邪をひいてしまったのでムリだが、次の機会にはぜひ登ってみたい。ケンジニアンたちにも会えることだろう。 夜は銭川温泉に入る。この辺りでは珍しい透明な単純泉で、オンドルになっていて快適かつ清潔な宿。 寝具持参で7泊以上だと素泊まり3170円。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
June 27, 2015 01:12:50 PM
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