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投資の余白に。。。

投資の余白に。。。

July 21, 2015
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3日目の朝はやはり雨だった。しかし雨量はそれほどではなく、ときおり止み、山も見えている。このまま帰るのも惜しいと思い、登山モードからスイッチを切り替えた。しばらく行っていないこのあたりの温泉やレストラン、拓真館や四季彩の丘を訪れてみることにした。

美瑛をはじめて訪れたのは1971年の夏。駅前に大衆食堂のほかにめぼしいものはなく、観光名所は温泉のほかは十勝岳登山口の望岳台だけで、登山者以外に訪れる人は稀だった。バスで望岳台に向かう途中、道がカーブするたびに見える山が変わり、そのパノラマショーに魅了された。

テレビドラマで有名になった吹上温泉もただの温泉滝の滝つぼで、いわゆる野湯だった。

「北の国から」人気によるブレークはちょうどバブル期だったろうか。旅人宿からペンション、高級ホテルができ、観光客めあてのカフェやレストランはいまも増殖し続けている。とはいえ、元々が広大な地域なので、まだ過密感はない。一方で人口は減り続けている。

美瑛ほどではないが富良野も人口が減っている。いまは関西を含むアジアからの観光客で繁栄しているように見えるが、生産年齢人口など半減している。

札幌や旭川からは日帰り圏なので、満室が多く予約のとりにくいこの地域の宿泊施設は敬遠される傾向にある。選択の幅も少なすぎる。移住者が始めた宿などは北海道人には合わないところがある。

上富良野の和食「つた家」では店主に話をきくことができた。そもそも超リッチな人たちはこの地域のホテルに泊まることを最初から諦めていて、別荘を購入しているという。上海や東京から自家用ジェットで旭川空港にやってきて滞在するのだという。この地域にはそうした層を受け入れられる飲食店はほとんどない。この店にはそうした層も来る。

移住者が土地を購入するのは離農した元農地が多いらしいが、3000坪で400万円が相場。土地代がそれだけ安ければ、寒冷地仕様の住宅やペンションを建てようという決断にそれほどの勇気はいらない。

富良野では卸売市場と同じ敷地内にある有機野菜や牛乳を売り物にしているイタリアンに入ってみた。トマトソースがイタリアの標準的な店よりもおいしいので聞いてみたら、シェフはイタリアで勉強した人で、地元の食材を使ったメニューの開発に余念がないという。

この日は、アスパラを使ったピザのシーズン最終日だった。

驚いたのが店頭で販売している斎藤牧場の牛乳。有機でしかもノンホモジナイズとのことだが、今まで飲んだ牛乳のすべてが足下に及ばない。同じ牛乳という名称で呼ぶのがはばかられるほど。食べ放題のソフトクリームもそうだが、素材のよさがわかる、素材のよさを生かしたメニューは生産地から遠い場所では決して味わえない種類のものだと感じた。

このあとニセコに向かい、雨でなければ野湯と湿原めぐりをしようと思ったが、あいにくの雨。夜はニセコの野菜を生かしたフレンチを、翌朝はしばらく休業していて最近再オープンした「まぐろや十割」を楽しんだ。「まぐろや十割」はまぐろ丼が自慢の十割そば屋で、そばのレベルは標準的(ニセコでは屈指)だがまぐろがずばぬけておいしい。

築地の鮨店を含めて、ここのまぐろよりおいしいまぐろには遭遇したことがない。

店は改装されきれいになったが小さくなった。

美瑛に続いてニセコを訪れたのは外国資本による開発や外国人観光客の入り込み、そうした状況にへの地元の対応を見ておきたいという社会学的興味からだった。直截にいえば、そうした開発や観光地化でこうした地域のよさが壊滅する、そのプロセスを見ておきたいという興味だ。

公共交通機関を使って辺鄙なところを旅したり、車椅子でもどん欲に旅行する中国人旅行者のパワーには敬服させられる。高度成長期やバブル期の日本人の海外旅行マナーよりはるかに知的で洗練されているのが印象に残る。

美瑛でもニセコでも、雨にもめげずレンタル自転車で走り回っているのは中国や香港、台湾や韓国の若者ばかりだった。

ペンションやレストランには高齢化で廃業したケースも目立つ。一方、富良野のイタリアンのような新しい可能性を感じさせる店も増えている。

美瑛やニセコは、登山基地でありながら一般観光客にもアクセスが容易な世界的にも珍しい地域だ。

この2カ所を定点観察することで世界の大きな流れの一端がつかめるにちがいない。

5日間の走行距離は約1000キロ。一日200キロは走りすぎだった。





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最終更新日  August 4, 2015 10:22:18 AM
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