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カテゴリ:クラシック音楽
札響が定期演奏会レヴェルの内容でシーズンに5~6回行っている「札響名曲シリーズ」は、土曜マチネーということもあって行きやすい。行きやすいが、泰西名曲に偏りがちなプログラムのせいであまり行く気が起こらない。
それでも久しぶりに行ったのは、ジョシュア・タンというシンガポール出身の中国系指揮者への興味のため。 世界的な(有能な)指揮者不足のためか、演奏家から転身した指揮者が増えている。が、ごく一部を除いて、大味でつまらない演奏をする指揮者が多い。誰とは言わないがバレンボイム、エッシェンバッハ、シェレンベルガーなどだ。 しかし、やはり若いころからきちんと指揮の勉強をした指揮者は、その音楽の好悪は別として、やはりどこかちがう。表現のパレットの種類がケタ違いに多く、またライブの白熱もスケールがちがう気がする。 しかも世界的にいい指揮者はベネズエラやポーランド、エストニアといった国や地域から出てきている。オーケストラの数も多く聴衆も多い東アジア地域からはいい指揮者が出てくるにちがいないと常々思っていた。 ジョシュア・タンは1976年生まれというから39歳とのことだが、まだ20代の青年に見える。 プログラムはすべてフランス音楽。ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番、ラヴェル「道化師の朝の歌」、ドビュッシーの交響詩「海」。 日本のオーケストラからフランス音楽の洒脱さや官能性を引き出すのはどんな大指揮者でも不可能だろう。 という前提つきで言えば、タンの指揮及び解釈は悪くなかった。フォルテも重くならず濁らず、リズミカルな部分もドイツ音楽のような軍隊調にならない。これは日本のオーケストラではかなり珍しいことで、拍が見えなくなるのが魅力でもあり特質でもあるフランス音楽をきく歓びはじゅうぶんに満たされた。 特にそう感じたのは後半の2曲。「牧神~」は高橋聖純のソロに期待したが端正なだけで全体としても夢幻的な雰囲気の醸成には至らない。 首席チェロ奏者の石川祐支をソリストに迎えての協奏曲は、どちらかというとソロ、バック共に抑制された古典派的な演奏で、それはそれでいいのだが「協奏」のスリルには乏しい。 これらのソロも指揮者も、人柄のよさが音楽に出ているような演奏にはすがすがしさがあった。みな40歳前だろうか。今の時代ではまだ「若手」と呼ばれる世代が作り出す音楽には清涼感がありまだ残暑の残る季節にはふさわしかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
January 3, 2016 06:30:44 PM
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