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2003年12月15日
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   プロローグ。。


先週の土曜、営業の男7人が呼び出されて、試験の追試があった。
その試験の内容とは、お客さんに新規飛込みして会社の案内と製品の説明をするというもの。この追試の理由は、営業の男どもがあまりに不甲斐ないから、もう一度やり直すという趣旨のものである。
 俺は前回も書いたように、この追試の理由が分からなかった。
そして土曜に行われるのも、(もともと予定を入れていただけに)
理不尽さを感じていた。第一、能力開発のやり方が気に食わない。
 ある程度、新人を追い込んでおいて、そしてやる気になった(ようにみんなが見せる)ことを望んでいる。ただのジコマンだ。
だってそうでしょ。みんな心の中ではいっこうに反発心持っているのに、人前ではやる気あります!って手を挙げて我先にと発表する。おかしいだろ、そんなの?
 そう思って望んでいた俺は当然、発表は最後になる。(第一、スーツの上下が違うのを着ていた時点で気合の入り方が分かるってもんだ)
 そうすると、彼らは言う訳さ。
「どうして最後まで残ってたんだ!?」
もちろん怒鳴り口調で、鬼の首を取ったみたいにね。
「他人を押しのけてでも、自分が自分がってやらなきゃ競争社会で生き残れないんだ!」
 内容は覚えてないけど、そんなようなことを言うわけだよ。なんだか文体がホールデンみたいになってきたけど、それは気にしないでね。
 「先にやりたい人がいるならやればいい。最後にみんなやらないなら自分が最後になってもいたしかたない。そういう考えです」
「博愛主義か!?甘えてんじゃないか!それはうちの会社にあわないよ。」
「こんな状況でやってもしょうがないから、月曜俺のところに来い!後のものは合格。」
 いや、別にいいんだけど。でも申し訳ないのは、夜遅くまで付き合ってくれた先輩社員になんていえばいいんだろ・・ ちょっと途方にくれながらも、絶対に迎合したくなかったからそれはそれでしょうがないんだ。

なんかさ、今までたまっていた堤防が決壊したみたいに、ごもっともなこといわれちゃってさ。会社にも営業にも組織にもやっぱ合わないんだな。それをいやがおうにも認めなきゃならない状況に追い込まれたんだ。もうそこに印鑑を押すだけで、承認!くらいの段階までいったんだね。
 その帰り道。大江戸線の車内で、目をつぶって別れの儀式を
執り行った。誤解しないで欲しいんだけど、会社にむけてなんかじゃないからね。これまで24年間付き合ってきた、世間というものとの考え方の相違が、俺を途方もない気持ちにした、ただそれだけのこと。


    to monday Morning
       From Sunday night 

予定調和のように、目覚ましもかけはしなかったけれど、どうしても目は覚めてしまう。もちろん必死に目をつぶっては、覚醒しようとする精神をくいとめた。
 一日くらい、の気持ちで登校拒否の子の気持ちがわかった瞬間だ。明日からのことは明日考えよう。ただ同情して欲しいだけか、単なる不貞寝か、社会への大いなる反骨心か…どうにも判断しかねるが、それでも有給休暇の事実は変わらない。
 そう、体調が悪いんだ。    
 思いついて、薬箱をまさぐり体温計を取り出す。
 3分後、目にするデジタルな数字は35.4。なんて健康なんだ。今日ほど自分の健康具合を呪ったことはない。
 そこへ、管理人からの声。「会社に電話しろ」とのこと。
ふぅ。
「来れるんだろ?来れるなら来い!」
決して高圧的な声ではなく、かといって甘やかすでもなく、厳しい声が携帯から鳴り響く。

憂鬱とともに各駅停車に乗り込み、いつものように特急に乗り換えることもなく、昼下がりの冬の日差しの中の出社。
 全く、やるせないよ。ふてくされてるよ、俺の神経。


 





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最終更新日  2003年12月15日 23時30分50秒
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