2018/09/25(火)10:38
【本】「男どき女どき」向田邦子 (新潮文庫)
山本周五郎「樅の木は残った」に続き、母が遺していった本の一つです。「樅の木・・・」と違って、一気に読めました。前半が短編小説、後半がエッセイになっています。「おどき めどき」と読むそうです。
毎晩ベッドに就くと眠る前に本を読むことが多いですが、こういう読みやすい短編やエッセイはちょうどいいです。「樅の木・・・」のような小説は、眠くなって登場人物や筋があいまいになったまま読み続けると、わけが分からなくなってしまいますが、このような短編小説やエッセイは登場
人物も少ないし、寝ぼけ眼でもストーリーは理解できるます。理解できないまま読み終わっても、翌日リセットして次の話を読めます。それから、エッセイや世相を反映した昔の小説は、プラスαの楽しみがあるのも分かりました。この本は主に昭和50年代に書かれた小説やエッセイを集めたものです。私が会社に入社して、結婚して、子供ができてという頃です。そのころに向田さんが、そのときの世相を書いたり、昔のことを振り返ったりしています。そのとき読んでいたら、今はこう、昔はこうという受け止め方になります。しかし、今読むと、これが書かれた頃はこう、もっと昔はこうだった、と2つの時代を振り返ることができます。また、この本が出版された頃、母はちょうど今の私と同じくらいの年齢のはず。母はこんな気持ちで読んでいたのかなぁと色々想像して、亡き母を偲ぶこともできました。
中身は、さすが向田邦子さんという感じで、どの小説もエッセイも逸品です。お薦めの一冊です。
画家の風間完さんの解説で、台湾の飛行機い事故で亡くなられたと書いてありました。そういえば、そういうことあったなぁと思い出しました。Wikiには、「1981年(昭和56年)8月22日、旅行中の台湾苗栗県三義郷で遠東航空機墜落事故にて死去。享年51。」とありました。
読書期間:2015年9月7日~2015年9月11日
発行所:新潮文庫
発売:S60年5月25日発行
ページ数:197ページ
価格:280円(当時)
(現在は税抜き400円)
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