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2016/03/02

【がん情報】胸腺腫：５　情報編　希少な症例、データ集約へ

テーマ：癌(3513)

カテゴリ：癌治療情報

朝日新聞「患者を生きる」の記事を引用し、私の意見・感想・気づきなどを述べさせていただいています。

≪2015年11月7日の記事≫　

　胸腺は、左右の肺に囲まれた縦隔（じゅうかく）の一部で、胸骨の裏側あたりにある器官だ。子どもの頃は白血球の一種「Ｔリンパ球」を育てる機能があるが、徐々にその役割を終える。

　胸腺の細胞から発生する腫瘍（しゅよう）が「胸腺腫」で、腫瘍細胞が増殖するスピードは比較的遅い。国立がん研究センター中央病院呼吸器内科の後藤悌（ごとうやすし）さん（３８）によると、腫瘍が相当進行しない限り、症状が出ないことが多いという。

　胸腺腫は、患者数が極端に少ない「希少がん」のひとつで、国内の患者は人口１０万人あたり１人未満という推計もある。筋力が低下する「重症筋無力症」などの自己免疫疾患の合併症がみられることがある点も特徴だという。

　治療の基本は、腫瘍を含めて胸腺を切除する手術だ。名古屋市立大腫瘍・免疫外科の矢野智紀（やのもとき）准教授（４９）によると、患者の７割以上はステージ１、２の早期で見つかり、手術すれば治るケースが多いが、まれに再発する。

　従来は開胸による手術が主流だったが、最近は体への負担が少ない胸腔（きょうくう）鏡を使った手術が増えているという。

　抗がん剤や放射線治療が行われる場合もあるが、症例数が少なく、標準的な治療方法は確立されていない。患者数が多い病気に比べ、臨床試験が行われにくく、治療薬の開発も遅れている。

　こうした中、日本肺癌（がん）学会など関連４学会が、胸腺腫患者の症例を集めてデータベース化する取り組みを予定している。矢野さんは「まずはデータを集めて病気を知ることが大事。そこから治療法の確立につなげたい」と話す。

　厚生労働省も今年８月、希少がんに関する報告書をまとめ、情報集約や研究推進などの対策に乗り出した。

　一方、胸腺にできる腫瘍には、胸腺腫よりもまれな「胸腺がん」もある。細胞の増殖がより速く、ほかの臓器への転移もしやすい。

　連載で紹介した胸腺腫患者で、秋田県に住むKSさん（６０）らが先月立ち上げた胸腺腫・胸腺がんの患者会「ふたつば」では、患者同士の情報交換や悩みの共有を目指している。問い合わせは、メール（ｓｅｔｕｋｏ３０２３８１９＠ｙａｈｏｏ．ｃｏ．ｊｐ）で。

胸腺にできる腫瘍の特徴

＞症例数が少なく、標準的な治療方法は確立されていない。
＞患者数が多い病気に比べ、臨床試験が行われにくく、治療薬の開発も遅れている。

　私がかかった「軟部肉腫」の発症率は10万人当たり1.8人から5人ともいわれています。胃がんの1/60、肺がんの1/90の発生率です。やはり「希少がん」の一つです。私の主治医は「この病名の患者さんを診るのは初めてです。」と言っていました。この「胸腺腫」の10万人に１人未満ですから、さらに希少な「超希少がん」と言えそうです。やはり症例を多く扱っている医療機関を探して、セカンドオピニオンなど、広く情報を集めることが必要だと思います。

＞日本肺癌（がん）学会など関連４学会が、胸腺腫患者の症例を集めてデータベース化
＞する取り組みを予定している。

　私は「がん」に罹って、診察や治療、セカンドオピニオンなどを通して、医学界って案外、縦割りで横のコミュニケーションがないのだなということが分かりました。希少がんだからこそ、データベース化が必要だと思うのに、そんな基本的なことができていない。医療技術は日進月歩なのに、そのへんの組織運営が旧態依然としているなと思いました。
　
　新聞なんかで、都道府県別のがん種ごとの患者数が発表されることがありますが、まともな統計のない都道府県が結構あります。いかに横の連携がとれていないかの象徴ではないかと思います。

　ぜひ、色んながん種で、症例のデータベース化を進めてほしいものです。

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