テーマ:京都。(6065)
カテゴリ:常駐ガイド
【2017年3月24日(金)】
今日は、「八木邸」の第16日。 風が強く、寒い一日でした。18日で「京の冬の旅」が終わった後、初めての八木邸の担当でしたが、「冬の旅」で特別公開していた壬生寺の特別公開が終わって、前の人通りは少なくなったようです。 外国人の方もときどき来られます。ドイツ人で片言日本語を話せる女性二人のお客様が来られたのですが、聞いてみたら、ゲームで新選組を知っているので、訪れたとのことでした。ドラマ、アニメ、ゲームの影響もあって、新選組も国際的になっているようです。 途中、我が会の先輩某氏が来られていて、私は気付かなかったのですが、私のガイドを聞いておられたようで、終わってからアドバイスをいただきました。「関東からのお客様も多いので、芹沢鴨の良い点も、入れてあげるといいよ。」 確かにそうです。最初は入れていたのですが、ガイド時間を25分にまとめるなかで、省略していました。こうやって来ていただいて聞いていただいてアドバイスをいただけるのはありがたいことです。 蕾だった「アセビ(馬酔木)」もピンクの花を綺麗に咲かせています。八木邸でのガイドは残すは1日となりました。 さて、ガイド内容の続きです、前回(こちら)、新選組発足、そして局中法度を破った新見錦の暗殺のところまで書きました。今日は、いよいよ芹沢鴨暗殺の場面です。 いつもそうですが、新選組については、史実が明確ではないことも多く、ここに書いているのも、諸説あるうちの一つに過ぎないということをご承知おきください。 【芹沢鴨暗殺】 新見錦が新選組の仲間によって切腹をさせられた僅か10日後、八木邸で惨劇が起こります。 芹沢鴨は、新選組初代局長の一人でもあった文武両道の優秀な人物です。漢詩もたしなむし、書道も達筆でした。しかし、お酒を飲むと、へべれけになるまで酔っぱらって、人が変わったように乱暴するという悪癖がありました。試衛館系の面々は、それを逆手に利用して何とかしようとしたようです。 9月18日、雨の激しく降る晩でした。その日も、新選組の宴会が島原の角屋で行われました。芹沢一派にお酒がどんどんすすめられます。芹沢鴨はへべれけに酔って、角屋の駕籠で八木邸の主屋(おもや)に帰ってきます。待っていたのは、お妾さんにしていたお梅さん。 芹沢派の平山五郎は桔梗屋の芸者お栄、平間重助は輪違屋(わちがいや)の芸者糸里を連れて帰ってきます。輪違屋は今も島原に古い建物まま残っていて、今も営業を続ける老舗の置屋兼お茶屋さんです。 その6人が、部屋でもう一度飲み直して、床に就きます。庭側に、芹沢とお梅、屏風を隔てて、奥に平山とお栄、襖を隔てて一つ奥の部屋に、平間と糸里が寝ます。試衛館系の隊士たちは、今お菓子屋さんになっているところにあった表の離れ座敷に寝泊まりしていました。6人が寝入ったところを見計らって、土方、沖田、原田など試衛館系の5~6人が表の離れ座敷から刀を持って、庭伝いに6人が寝ている部屋に押し入ります。 芹沢は寝込みを襲われ、一太刀・二太刀手傷を負いますが、さすが神道無念流の新選組一ともいわれた剣の達人、枕元に置いてあった脇差を抜いて、応戦しながら庭の縁側伝いに隣の部屋に逃げ込みます。ところが暗闇の中、その入り口に置いてあった文机に蹴つまずいて、バッタリ倒れます。倒れたところを止めの一撃を受けて絶命します。 お梅さん、平山五郎、お栄さんは、寝ていた部屋で即死状態。あたり一面血の海です。平間重助と糸里は、庭から遠い側の部屋に寝ていて気付いて逃げることができたのでしょうか、その後、行方知れずになっています。 ですので、表側の部屋で3人、奥の部屋で1人、9月18日の晩に斬り殺されたことになります。縁側から奥の座敷に入るところの鴨居に刀傷が残っています。これは、芹沢がつけたのか、追っ手がつけたのかはまでは不明ですが、暗殺の夜につけられた刀傷です。芹沢が蹴つまずいたという文机も昔の姿のまま置かれています。 【芹沢・平山の葬儀】 2日後、芹沢、平山の葬儀が新選組の手によって盛大に行われます。お墓は壬生寺共同墓地に建てられましたが、今は、壬生寺の壬生塚に移されています。 京都守護職には長州の志士にやられたと届がされました。新選組内の暗殺よりは、そのほうが聞こえがよかったからではないかと思います。盛大な葬儀をしたのも、そのためでしょう。 これで、水戸系(芹沢派)は、新見が切腹を強要され亡くなり、芹沢と平山が暗殺され、平間は行方知れず、残った野口健司もしばらくしてから、新選組の仲間から切腹を強要され亡くなっています。 これで水戸系・芹沢派は誰もいなくなったことになります。 壬生塚の多くの隊士の名前が刻まれたお墓に、野口健司の名前もあります。また、そこに刻まれた田中伊織は新見錦ではないかといわれています。 芹沢鴨・平山五郎墓(壬生寺境内) http://bakumatsujournal.jp/map/detail/id/203 野口健司・田中伊織(新見錦?)墓(壬生寺境内) http://blog.livedoor.jp/rekishi_tanbou/archives/2013-01-14.html (続きます) (内容再考版。原文は非公開日記に移動済み。) ------------------------------------------------------------------- よろしかったらぽちっとお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019/08/24 02:25:31 PM
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