テーマ:京都。(6067)
カテゴリ:京都ガイド諸活動
【2017年9月28日(木)】
「京の夏の旅」は9月30日が最終日です。まだ見学できていないところが、花山天文台、渉成園の蘆庵、大雲院です。最終日の30日に下鴨神社ガイドの慰労会が夕刻あるので、その日に回ろうと思っていたのですが、最終日というのも慌ただしいし、今朝、雨が上がったので、今日、花山天文台と渉成園・蘆庵に行ってきました。 まず、花山天文台へ。ここは公共の交通機関では行けないので、地下鉄東山駅前からシャトルバスが運行しています。しかし、頻繁に出ているわけではないので事前に時間を調べておきました。同じバスに乗ったのは約10人でした。バスが花山天文台のすぐそばまで行ってくれるのかと思ったら、そうではなく、門の前で降ろされ、緩やかな上りの砂利道をかなりの距離歩かなければなりませんでした。 天文台の門 本館、歴史館で先輩ガイドの案内を聴かせていただきました。 花山天文台は「夏の旅」初公開です。というより、こういった形の観光対象としての公開が初めてです。 花山天文台は2つある京都大学理学研究科付属天文台の一つで、もう一つは飛騨天文台です。花山天文台は1929年に建設されました。建設当時は山科区の人口も少なかったのですが、次第に人口が増えて発せられる光で観測環境が悪化し、1968年に建設された飛騨天文台に主力が移りました。今は、花山天文台は研究・教育活動が中心になっています。文化財としての価値を伝え、何とか存続させたいとの思いがあるようです。 本館 直径9メートルのドームを頂きます。 本館内部 45cm屈折望遠鏡 ドーム内には、国内で屈折望遠鏡としては3番目の口径を持つ45cm屈折望遠鏡が設置されています。この望遠鏡は昭和2年、理学部宇宙物理学教室で購入したもので、昭和4年に 花山天文台が創設されたときに移設されました。当初、口径30cmのレンズがついていましたが、昭和44年に性能向上のため、カール・ツァイス製の45cmレンズに換装されました。これにより、 焦点距離が伸びることで鏡筒が長くなり、架台とのバランスが崩れるのを防ぐための工夫が施されています。 それは対物レンズから入った光を末尾の反射鏡で受けて折り返し、鏡筒の真 ん中付近に接眼レンズを設けるというものです。このため、一般的な屈折式の望遠鏡とは少し違った外観となっています。 天体の追尾には現在でも重力時計が使われています。 昔の写真 設立当初から一般公開が行われていました。 本館ドームからの眺め 右が別館、左が歴史館 別館には、ザートリウス社製の口径18cm屈折望遠鏡が設置されています。 1910年のハレー彗星接近の際にドイツから輸入されました。 現役としては日本最古の望遠鏡。 遠くに大阪中心部のビル群が見えます。 歴史館(旧子午線館) 子午儀を用いて正確な時刻を知るための観測が行われていました。 子午儀の上の屋根が移動して開閉できるようになっています。 近年はその活躍の場を失い、解体さ れるという話がありました。しかし、子午線館が大正から昭和の洋式木造建築として、日本の建築学史上において、貴重な建築物であるとの専門家から の指摘もあり、花山天文台歴史館として修復保存されました。 子午儀と精密時計(奥の赤いロープの後ろ) 子午儀から精密時計が誤差を生じれば時刻合わせがされました。 持ち運びできる時計をここで合わせ、京大の時計台に持っていって、時刻合わせをしたとのこと。 太陽スペクトラム分析装置 機械式計算機 修復前には河島英五のアルバム「信望」のジャケットに使われたことがあります。 二等三角点(明治31年設置) 花山天文台をあとにして渉成園に向かいました(こちら)。 (内容再考版。原文は非公開日記に移動済み。) ------------------------------------------------------------------- よろしかったらぽちっとお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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