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ワルディーの京都案内

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2017/10/30
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テーマ:京都。(6065)
カテゴリ:研修会
2017年10月30日(月)】

 今日の夕刻は花山天文台の観望会に参加しました。

 今年の「京の夏の旅」で花山天文台が観光資源として一般公開されましたが、そのとき我がガイド会が案内や受付を担当させていただきました。私は担当ではなかったですが、見学には行かせていただきました(こちら)。

 このような経緯から、我々ガイド会のメンバーを対象に観望会を開いていただくことになった次第です。公の交通機関がありません(通常の観望会では送迎バスが出る)ので、メンバーの車に分乗して花山天文台に集合でした。

 まず台長の柴田一成教授から『明月記と超新星』のお話を聞かせていただきました。

 「明月記」は鎌倉時代の公家である藤原定家の日記。定家自筆原本の大部分は冷泉家時雨亭文庫に残り、国宝に指定されています。

 日記には、定家自身が遭遇したものや過去の観測記録など、さまざまな天体現象についての記録も残されています。当時、見慣れぬ天体現象(天変)は不吉の前兆であると考えられており、人々の関心事だったからです。定家の出生以前の出来事も、陰陽師によって報告された過去の記録として記されています。

 かに星雲は超新星爆発の残骸です。爆発の際にはものすごく明るい発光が見えたと思われます。中国には1054年にこのかに星雲の方向で明るい星が出現したとの記録がありますが、他に確たる記録がないため、これがかに星雲のものという同定ができずにいました。そこに、アマチュア天文家の射場保昭が、「明月記」のこれら記述を英文で1934年から1939年にかけ、影響力のある雑誌『ポピュラー・アストロノミー』に掲載し、このことが超新星爆発が1054年に発生したと特定できるきっかけとなりました。

 
【原文】
後冷泉院 天喜二年 四月中旬以降 丑時 客星觜参度 見東方 孛天関星 大如歳星

【原文読み下し】
後冷泉院・天喜二年四月中旬以後の丑の時、客星觜・参の度に出づ。
東方に見(あら)わる。天関星に孛(はい)す。大きさ歳星の如し。


 グリニッジ天文台の歴史の展示コーナーにおいて、「1054年、中国と日本の天文学者がおうし座に新たに光る星を観測。この残骸が現在のかに星雲と同定される」と記述されているくらい重要なイベントと認められています。

 竹本修三(京都大学名誉教授)が、明月記の超新星爆発を英文報告をしたのが的場氏であるということを柴田台長から聞いて、それをインターネットで紹介したところ、2012年に射場氏の遺族が名乗り出たことなどから、それまで謎に包まれていたその人物像が再び明らかにされたというエピソードも紹介していただきました。

 この的場氏は花山天文台の初代台長山本一清に師事したとのことで、花山天文台のアマチュア天文家育成がなかったら、この重要な発見もなかったであろうとのことでした。


 その後、45センチ屈折式望遠鏡で月の表面を交代で見せていただきました。昼間は曇っていたのですが、我々が望遠鏡で見る時間になって、月の方向に晴れ間が出現したのです。まさにラッキーとしか言いようがありません。

 月全体を見る望遠鏡と、一部を拡大して見る望遠鏡2つで見せていただきました。今日は半月に近い月で、後者の望遠鏡では、影と日なたの境目の海とクレータ・山脈などがはっきりと観ることができました。





開口部に月が見えます。





 台長の明月記とアマチュア天文学者のお話、望遠鏡での月表面の観察、感動の一日でした。


 台長や操作案内していただいた係の方に礼を申し上げ、花山天文台をあとにしました。

 
 同じ車に乗り合わせた仲間の皆さんと、反省会と称して、三条河原町で夕食兼飲み会となりました(こちら)。


(内容再考版。原文は非公開日記に移動済み。)

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最終更新日  2019/06/11 06:17:57 AM
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