8685245 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ワルディーの京都案内

ワルディーの京都案内

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
2026/09/05
XML
テーマ:京都。(6431)
知られざる伏見稲荷大社 その4

今回は下記ルート図で「4」及び「5」のエリアをご案内します。

知られざる伏見稲荷大社 フィルードワーク ルート図



4.愛染寺跡

 神仏習合期、稲荷大社には神宮寺的なものは存在しませんでしたが、応仁の乱後の再建のときには、浄財を募る多くの勧進僧や勧進沙門(しゃもん・沙門とは修行僧)が活躍しました。彼らを「本願」と呼び、その住む所を「本願所」といいました。元禄時代頃(1688~1704)から本願所は「愛染寺」と称するようになりました。場所は、外拝殿北側の土産物店やトイレが並ぶ場所です(図1)。江戸時代の境内図にも登場します(図2)。


図1 愛染寺の位置



図2 「再撰花洛名所図会 東山之部 八」 元治元年(一八六四)刊




 愛染寺は浄財を募ることで、経済的な側面から稲荷大社内での力を強めていきます。また、幕府・奉行所とも結びつき、社家管理であった仏教色の強い大師堂・文殊堂・弁天堂を愛染寺管理とし、その散銭(賽銭)を収入としたり、様々な興業的なものを取り入れたりして、さらに経済力を増していきました。これらに対し、社家側は快く思っていませんでした。訴訟も起きたりしています。「3.社家地跡」で述べたように、社家は勤皇方と結びつきが強く、愛染寺は幕府と結びつきが強かったという構図も影響したものと思われます。

 幕末の頃、将軍の行列の京・大坂の往来は、必ず二条城-伏見街道-伏見港-大坂のルートでした。伏見街道沿いにあり幕府と関係の深かった愛染寺には、徳川家茂が5度、一橋慶喜が7度「小休憩」しています。

 さて、明治維新後、明治元年(1868)3月28日に新政府から神仏分離令(神仏判然令)が発布されます。すると稲荷大社は4月12日という早いタイミングで、愛染寺に対して、本殿内陣の仏具やその他仏教に関わる装飾類を「悉くことごとく取り除き、境内南の方にて焼き捨てること」と命じています。そして弁天堂・大黒堂・文殊堂・愛染寺の愛染堂・聖天堂の取り払いが短期間で決行されて、6月5日には、取り払いが終わったことを役所に報告しています。躊躇なく短期間で取り払いが行われたのは、前述したような稲荷大社社家側の不満があったからだと考えられます。神仏分離令は、社家側にとっては、まさに「渡りに舟」だったのでしょう。

 愛染寺は真言宗の寺院でしたが、それ以外に西光寺という清浄華院を本山とする浄土宗寺院、浄安寺という大雲院を本山とする浄土宗寺院もありました。いずれも稲荷大社境内に住む人たちの檀家寺で、愛染寺とは性格の違った寺院でした。西光寺は現在のJR稲荷駅南の踏切手前の摂取院の東にありました。浄安寺は参集殿南側付近にあったといわれています。これらの寺院も、本山となる寺からの抵抗はあったものの、結局は命令通り廃止となりました。


5.新門辰五郎と彫られた燈籠
 楼門北側の階段を上がったところ、すなわち外拝殿の北側に高さ3メートル余りの石灯籠が一基据えられています。この石灯籠の正面(西側)の基段3段目に、寄進者の姓名が15名ほど刻まれており、一行目には「新門辰五郎」の名前が明瞭に読みとれます(図3)。裏面に回ると、わずかに慶応という文字と「三」という文字も読み取ることができ、慶応3年(1867)の寄進であることが分かります。


図3 「新門辰五郎」の名が彫られた燈籠



 新門辰五郎[1800~1875]は江戸末期の人。江戸出身で浅草寺に新設された門の番人となったことから、新門辰五郎と呼ばれました。火消し人足から町火消し番組の頭となり、のち、徳川(一橋)慶喜に重用され、その身辺警護にあたりました。徳川慶喜は一橋慶喜の時代に、二条城-伏見街道-稲荷大社-伏見港の経路で何度か往復し、稲荷大社境内にあった愛染寺(4.参照)で度々休憩しました。そういった関係から新門辰五郎が燈籠の寄進者の一人となっているのだと考えられます。


よろしかったら下記と「いいね」をぽちっとお願いします。
ブログランキング・にほんブログ村へ

←前回「知られざる伏見稲荷大社」​  次回「知られざる伏見稲荷大社」→





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2026/09/18 09:17:11 AM
コメント(0) | コメントを書く


PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ワルディー・ヨーリョ

ワルディー・ヨーリョ

フリーページ

カテゴリ

カレンダー


© Rakuten Group, Inc.
X