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はらぺこぐんだん2~殴りBISの破砕日記~

9章




9章
【明かされる謎】





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「えっ、それって・・・?」

僕は自身の存在自体を否定されたような
そんな言動に思考が停止寸前になる

「何を言っているんだ?現にジグはここにいるじゃないか
 プレイヤーでなければ何だというのだ?EM(運営)だとでも言うのか?」

ふにゃの言葉に、紅覇も同じ事を思ったのか
少し怒鳴り気味に抗議を申し立てた


「うーん、ふにゃにそう言われてもなぁ・・・
 運営って線も確率としては高いけど、ちょっと違うんだよねぇ」

ふにゃは少し迷惑そうな顔で
詰め寄る紅覇にそう言う


「違うというと何が違うんだ?」

クランツは冷静にふにゃに尋ねる

「えーっとね、さっき僕は、君は本当にプレイヤーなの?と聞いたけど
 そもそもジグ君のデータが外部からアクセスされたモノじゃないんだぁ」

クランツは聞きながら眉をひそめる

「それは・・・つまり?」

「うんとね、根本的に言うと、データそのものなんだよ~
 つまりジグ君は人間じゃなくて、NPCとかその類(たぐい)
 そう考えるしかないんだよねぇ・・・この現状を見ると」


その言葉を聞いてふにゃは僕の顔を見る

隣を見ると
クランツと紅覇も驚きと疑問の混じったような
複雑な表情で僕を見つめていた



「僕は・・・人間じゃない・・・?」

喪失感に似た物を感じながら
僕は自分の両手を見つめる

「うん、恐らく・・・」

ふにゃは小さく頷いて肯定する



気持ちの整理がつかなくなり
僕はクラクラする頭を抱え込むようにして俯く


「・・・・・・・」


数秒の沈黙


僕の様子を見て3人は
どう声を掛ければいいのか分からないでいた


しばらく後
クランツが沈黙を破り、僕の肩にそっと手を乗せてきた

「なぁ、ジグ。お前の正体が何であろうと
 俺はお前の友達をやめたりしない・・・安心しろ」

僕はその優しい言葉と
ゲーム内とは思えない程の、肩から伝わる温もりを感じ
ゆっくりと顔を上げる

「クランツ・・・」


クランツのほうを向くと
今度は逆側の肩にも温もりを感じた

「私もお前が何であろうと仲間でいると誓おう」

僕はそう聞こえた方を向くと
哀愁を含んだ笑顔を見せる紅覇がいた


「ありがとう・・・」


2人の優しさに、後2秒もあれば涙が出てきそうになった・・・が


ウィィィィイィイイイン

「さぁ、話も纏まった事だし、解剖してみる?」

何故か小さな電動ノコギリのようなものを
僕に向けながら黒い笑顔をしている幼女がそこには居た


「何でそうなるっ!?」
「ヒィ、ごめんなさいっ!?」
「ジグ!愛してるぞっ!」

咄嗟にツッコミを入れたら
後ろの2人がどさくさに紛れて変なリアクションをしていた

「えへへぇ、冗談だよ~♪(チッ・・・)」

ふにゃは舌をぺろっと出しながら
ごまかすようにニコニコする


(えっ、今紅覇さん何て・・・)
(絶対半分本気だったな・・・)
(つい声に出してしまった)


お互いのリアクションに
苦笑いしつつも、一気に和やかな雰囲気へと戻る室内


「新たな問題が出てきたけどさ
 ここに来てふにゃに会って正解だったな」

「そうだね」


根本的な自身の正体についてまでは
情報を得られなかったものの

確信に近い情報が得られたのは大きい





その後、さらに詳しく調べようと
ふにゃに色々とデータの解析等をしてもらったが

ふにゃ曰く

「これ以上はスーパーコンピューターレベルの設備がないと
 解析できないぐらい厚いセキュリティに守られているよ」

との事で、それ以上は情報を得る事が出来なかった


僕らは今後もふにゃに助けを求める事があるかもしれなかったので
友達登録を行い、ひとまず【メカレオン】を後にした


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※友達登録を行うと、お互いの居場所や状態、リアルタイムの
 ステータス等を知る事ができ、場所問わずACでの通話が可能となる
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一方時を同じくして・・・

【ダメル地下遺跡:隠し部屋】


タッタッタッ

「報告しますっ!」

焦ったような表情をしながら
黄色い髪の黄色い服・装備を身に付けたビショップが
隠し部屋へと押し掛けるように入ってきた


「あぁ?うるせぇな、作戦前に何大声出してんだよ」

部屋の入り口のすぐ側の壁に寄り掛かっている緑色で身なりを纏めた人物が
不機嫌そうに黄色い人物を睨みつける


風風(フーウィンド)は黙っててくれ、緊急なんだ」

「あぁ?」

風風と呼ばれた緑色の人物は
不機嫌そうだった顔を怒りに近いそれに変え
黄色い人物に掴みかかろうとする・・・が


「風風、下がれ。雷雷(ライサンダー)報告しろ」

部屋の奥の真ん中付近の椅子に足を組みながら座っている
これまた全身赤い人物が、風風・雷雷と呼ばれた人物に命令口調でそう告げる

「チッ」

風風はその人物には逆らえないようで
舌打ちをしながら部屋を後にした

「失礼しました炎炎(エンフレア)様。ご報告致します」


雷雷は改まって
炎炎と呼ばれた人物に敬意を払うように
その場にひざまづき、報告を始める

無言でそれに炎炎が頷いたのを確認すると雷雷は本題に入る


「率直に申しますと、本日予定していた計画は
 とある事情により、少なくとも数日遅らせる事を提案致します」

「ほう、その事情とは何だ?」

間髪入れずにそう聞いてくる炎炎


「まだ不確かな情報ですが、こちらの動きを
 運営側がもしかしたら察知している可能性があります」

雷雷は顔を伏せ気味に話す

「不確かな、というのが気になるが
 何か向こうに動きがあったのか?」

先程まで組んでいた足を下ろし
炎炎はアゴをさすりながら雷雷を見つめる

「ええ、本部で何か騒動があったようでして
 それとEMが1名消息を絶ったとの情報もありまして
 そのせいでイヴィルが活発に活動しているようです」

「ふむ・・・あの厄介な執行部隊か」

今度は腕を組み炎炎は険しい表情になる

少し考える素振りをして
炎炎は手をポンと叩く

「・・・分かった、本日の計画はしばらく様子見としよう
 作戦開始の時期の見極めと、その際の指揮はお前に任せよう」

「はっ、了解致しました」

雷雷は報告を終えたことで
役割が終わった為、炎炎に一礼すると
そのまま退室していった




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~9章完~






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