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はらぺこぐんだん2~殴りBISの破砕日記~

16章




16章
【ジグの正体】






「うーん、そろそろ警戒を解いてくれてもいいと思うんだけど」

そう言いながらEM蒼炎は自身の頬を掻く

「そうは言われてもだな突然私たちの前に現れて
 仲間だと言われても、すぐには信じられまい?」

「ましてやEMときたもんだ」

警戒の色を解かず、何故か僕の腕に抱きつきながら
紅覇がEM蒼炎をにらみつけ

それに続けるようにクランツもそう言う

ちなみに僕らは場所を移し、紅覇のギルド【フレアマインド】の近くの
大衆酒場へ来ている

イカロスと炎斬鬼はギルドメンバーへ報告する為
一足先にフレアマインドへ帰っている

何故フレアマインドへ行かないのかと言うと、紅覇が

「わざわざ敵の可能性がある信用できない者に
 自身の根城を教えるバカがどこにいるのだ?」

と、言ってきかない為だ

「ま、まぁとりあえず、解っている通り僕には記憶が無い
 だからとりあえず君の自己紹介から初めてもらってもいいかな?」

あと紅覇はちょっと離れて、と付け加えながら
EM蒼炎に僕は提案する

「そうだね、了解したよ」

了承するEM蒼炎に僕はなんだかほっとする
横で紅覇がブーブー言ってるのはスルーしよう

「僕の本名は【舞留紗炎】、このゲーム【レッドストーンネクスト】の
 現EMであり、運営チームの広報と企画運営担当で、前も言ったはずだけど
 君とは開発段階から友人・・・いや、親友のような関係だった一会社員さ」

僕はそのEM蒼炎からの言葉に
内心、押しつぶされそうになる気持ちを抑えていた

やはりここはゲームの中なのだな・・・と
聞いていて知ってはいたし、最初から予想はついていたけど
なんとなく切ない気持ちになってしまうのは何故だろうか

僕の様子を伺いながらも
EM蒼炎は続けて言葉を紡いでゆく

「ちなみにEM、つまり運営チームには、EMガイナス派とその他に
 ちょっと内部分裂しているところがあって、僕はその他の方に入るね」

なるほど・・・、恐らく今まで襲ってきたEMは
少なくともガイナス派といった所なのだろうか

僕が小さくうなずきながら聞いているのを確認して
EM蒼炎はさらに続ける

「EMガイナス・・・彼は何かを企んでいる。僕らはそれを
 なんとか阻止しようと動いているんだけど、中々難しくてね
 ガイナス派のEM達と、ゲーム内のガイナス新鋭隊である【イヴィル】
 それに一部のプレイヤー達も恐らくガイナスに取り込まれていると思う」

神妙な面持ちで語っているが
僕には直接関係の無いように思えて、少し混乱する

「それで・・・その、それが何か僕と関係あるのかな?」

僕の言葉にEM蒼炎は、はっとしたような顔をする

「あ、あぁごめん、少し解りにくかったよね」

ははは、と笑うEM蒼炎だが
数秒の間を空けて、急に真剣な顔つきになり、僕の顔を見る

「・・・君だよ」

「へ?」

単純でいてシンプルな返答に
僕はつい気の抜けた変な声で返してしまう

それでも真剣な顔でこちらを見てくるEM蒼炎を見て
少し恥ずかしくなり顔が赤くなる

「EMガイナスが企んでいる背景に、君というキーワードが隠れている
 これは確かな情報筋からの情報だからまず間違いは無いと思う・・・」

EM蒼炎は手を組んで、少し辛そうな顔をしながら
組んだ手を頭にあてがう

「僕・・・が?
 そもそも僕は一体何者なんだ・・・」

僕の呟きに対して顔を上げたEM蒼炎
先ほどとは違い、少し顔を逸らしながら呟く

「言ってもいいんだろうか・・・、今はまだ言わないほうが
 ・・・いや、ジグには嘘をつきたくないな、なぁジグ・・・」

最後の「なぁジグ・・・」の所で
また辛そうな顔をしながら今度はしっかりと僕の目を見る

「うん?」

「これから言う事はかなり衝撃的かもしれないし
 君の不安をこれ以上無いぐらい煽るかもしれない内容だ
 もしそれでも良いと言うなら、お前が何者か教えよう。どうする?」

僕の心は大きく揺れる

今まで自分が何者なのか知るために色々としてきた
だけどいざ、話を聞くとなると不安が隠せない

しかも彼の口から、これ以上無いぐらいとまで言われている

彼の口から出る真相に、僕は耐えられるのだろうか

・・・いや

「どんな内容だろうと僕は受け止めます
 僕は僕が誰なのかずっと知りたかった!ここで辞めるわけにはいかない」

意を決して僕はそう言った

「フッ、それでこそジグだ
 君は昔から強かった、それは今も変わらないようだね」

EM蒼炎はまた少しの間を空けると
真相をその口から話し始める

「君の正体は・・・CEM。正しくは
 コンピューターイベントマスター、つまり君は
 簡単に言うとデーター上のキャラクター・・・という事になる」

・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・

真っ白。

僕は少しの間何も考えられなかった

頭の中から全ての情報と知恵と知識が抜けたような
そんな感覚に陥った

そんな・・・僕は人間ですらない?

データー上のキャラクター?

なんだよそれ!意味が解らない!

・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・


「・・・大丈夫か?ジグ」

しばらく自問自答を続けていると
EM蒼炎が僕の肩に手を置きながら優しく声をかけてきた

「僕は・・・僕は・・・」

あまりにも予想の上を行き過ぎた真相に
僕の頭はヒートアップ寸前だった

ビシッ

「いてっ」

「ちょっと邪魔よ」

何かを軽く叩く音と共に、EM蒼炎が僕の視界から消える

EM蒼炎を僕の視界から消した張本人が
今度は僕の目前に顔を現す

「ジィイイグウゥゥウ?」

そう言いながら紅覇は僕の頬を
ぐにぐにと抓りながら左右上下へ引っ張る

「にゃ?あわぼぶうわわうわおわあ
 だにすぶんだよぼおお!!やべでえええ」

紅覇は慌てる僕を見て、ニヤリとすると
ぱっと手を頬から離す

「うん、大丈夫みたいだね」

「いや、大丈夫じゃないですから」

ニコリと自己満足したように言う紅覇に
つい即効で突っ込みを入れてしまう

「ふふ、本当にもう大丈夫みたいだねジグ
 彼女は何者だい?不思議な女性だね・・・」

「あ・・・」

いつの間にか僕は自問自答から抜け出して
いつもの調子に戻っていた

紅覇のお陰か・・・

「ジグは笑ってたほうが可愛いぞ!」

紅覇がそう言ってまたくっついてくる

「あ、あははは・・・」

なんだか僕はバカらしくなって
引きつった笑顔で笑ってしまう

「やはり君は昔と変わらず本当に強いね
 君が何者だろうと僕は味方だからね、きっと彼女も」

「そうだぞ、私はお前が何者でも好きだぞ」

微笑みながら僕らを見るEM蒼炎
それと一緒になんかさらっとすごい事を紅覇が言った気がする

「皆、ありがとう・・・」

僕はまだ少し混乱していたが
皆の優しさになんだか安心できた

「クランツも、ありがとう」

ZZZZZzzzz

「「「って、おい!」」」

いつの間にか寝ていたクランツに
綺麗に3人同時にツッコミが決まった

はは、何がどうあろうと
僕達は明るく楽しくやってたほうが僕達らしいや






~16章完~






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